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電磁場の量子化再論 (11) 光子の運動量

電磁場の運動量を生成消滅演算子で表す。

E と B の表式\[
{\bf E} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \sqrt{\hbar\omega/2} \ \epsilon_{k\alpha} [a_{k\alpha} e^{i{\bf k \cdot x}} - a^\dagger_{k\alpha} e^{-i{\bf k \cdot x}} ]
\tag{1}
\]\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} c\sqrt{\hbar/2\omega} \ ({\bf k}\times \epsilon_{k\alpha}) [a_{k\alpha} e^{i{\bf k\cdot x}} - a^\dagger_{k\alpha} e^{-i{\bf k\cdot x}} ]
\tag{2}
\]を用いて、電磁場の運動量\[
{\bf P} = \frac{1}{c} \int ({\bf E} \times {\bf B}) d^3x
\tag{3}
\]を計算する。

周期的境界条件から得られる性質\[
V^{-1} \int e^{i({\bf k}-{\bf k}')\cdot {\bf x}} d^3x = \delta_{\bf kk'}
\tag{4}
\]を利用すると、\[
{\bf P} = -\sum_{k,k'} \sum_{\alpha,\alpha'} \frac{\hbar}{2}
\epsilon \times ({\bf k}' \times \epsilon')
[(aa' + a^\dagger a'{}^\dagger) \delta_{k,-k'} - (aa'{}^\dagger + a^\dagger a') \delta_{k,k'}]
\tag{5}
\] となる。ただし、プライム記号については $a' = a_{k'\alpha'}$ などと略記した。
ここで、\[
\epsilon \times ({\bf k}' \times \epsilon')
= {\bf k}'(\epsilon \cdot \epsilon') - \epsilon' (\epsilon\cdot{\bf k}')
\tag{6}
\]であり、また、(5)の[ ] の部分は${\bf k} = \pm {\bf k}'$のみ生き残ることを考慮すると、
$\epsilon\cdot{\bf k}' = \pm \epsilon\cdot{\bf k} = 0$ で(6)の第2項は消える。

次に、(6)の第1項については、${\bf k} = {\bf k}'$ の時、$\epsilon\cdot\epsilon' = \delta_{\alpha\alpha'}$ で、
${\bf k} = -{\bf k}'$の時、$\epsilon\cdot\epsilon' = \pm \delta_{\alpha\alpha'}$(α=1,2 で逆符号)である。
よって、(5)の[ ]の部分の第1項については、
$\pm {\bf k} a_{k\alpha} a_{-k\alpha}$ と $\pm {\bf k} a^\dagger_{k\alpha} a^\dagger_{-k\alpha}$ の項で構成され、
k に関する奇関数となるため、最終的に k空間全体で和を取ると消える。

結局、(5)の第2項と(6)の第1項の積から成る部分のみが残り、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \frac{\hbar}{2} {\bf k} (a_{k\alpha} a^\dagger_{k\alpha} + a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha})
\tag{7}
\]と整理される。光子数演算子を用いると、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \hbar {\bf k} \left(N_{k\alpha} + \frac{1}{2} \right)
\tag{8}
\]と書ける。ここで、$\hbar {\bf k}/2$ の項は k空間全体で和を取るとゼロになるので、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \hbar {\bf k} N_{k\alpha}
\tag{9}
\]となる。
すなわち、(k,α)で指定されるモードに入る光子一個あたりの運動量は $\hbar {\bf k}$ であると考えられる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/23 23:29

電磁場の量子化再論 (10) 電磁場の演算子による表示

電磁場を生成消滅演算子で表示する。

電磁場のフーリエ表示\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha} 
\epsilon_{k\alpha} \left[ c_{k\alpha}(t) e^{i{\bf k}\cdot{\bf x}}
+ c^*_{k\alpha}(t) e^{-i{\bf k}\cdot{\bf x}} \right]
\tag{1}
\]に生成消滅演算子の定義から得られる c と a の関係式\[
c_{k\alpha} = c\sqrt{\hbar/2\omega} \times a_{k\alpha}
\tag{2}
\]を代入すると、\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha} 
c\sqrt{\hbar/2\omega} \
\epsilon_{k\alpha} \left[ a_{k\alpha}(t) e^{i{\bf k}\cdot{\bf x}}
+ a^\dagger_{k\alpha}(t) e^{-i{\bf k}\cdot{\bf x}} \right]
\tag{3}
\]となる。
生成消滅演算子の時間発展\[
a_{k\alpha}(t) = a_{k\alpha}(0) e^{-i\omega t} \tag{4.1}
\]\[
a^\dagger_{k\alpha}(t) = a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{i\omega t} \tag{4.2}
\]を代入すると、\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha}  c\sqrt{\hbar/2\omega} \ \epsilon_{k\alpha}
\left[ a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k}\cdot{\bf x}-\omega t)} + a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k}\cdot{\bf x}-\omega t)} \right]
\tag{5}
\]となる。

次に、${\bf E} = -(1/c)(\partial {\bf A}/\partial t)$ と ${\bf B} = \nabla\times{\bf A}$を求める。\[
{\bf E} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \sqrt{\hbar\omega/2} \ \epsilon_{k\alpha}
[a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k \cdot x} - \omega t)} - a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k \cdot x}-\omega t)} ]
\tag{6}
\]\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} c\sqrt{\hbar/2\omega} \ ({\bf k}\times \epsilon_{k\alpha})
[a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k\cdot x}-\omega t)} - a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k\cdot x}-\omega t)} ]
\tag{7}
\]
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電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/23 12:57

電磁場の量子化再論 (9) 生成消滅演算子の時間発展

ハミルトニアンを使って、生成消滅演算子の時間発展を調べる。

ハミルトニアンを用いると、生成消滅演算子の時間発展は\[
\dot{a}_{k\alpha} = \frac{1}{i\hbar}[a_{k\alpha}, H]
\tag{1.1}
\]\[
\dot{a}^\dagger_{k\alpha} = \frac{1}{i\hbar}[a^\dagger_{k\alpha}, H]
\tag{1.2}
\]と表せる。
ハミルトニアンは、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega N_{k\alpha}
\tag{2}
\]であるから、\[
[a_{k\alpha}, N_{k'\alpha'}] = \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a_{k\alpha}
\tag{3.1}
\]\[
[a^\dagger_{k\alpha}, N_{k'\alpha'}] = -\delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a^\dagger_{k\alpha}
\tag{3.2}
\]を用いると、以下の時間発展の方程式が得られる。\[
\dot{a}_{k\alpha} = -i\omega a_{k\alpha}
\tag{4.1}
\]\[
\dot{a}^\dagger_{k\alpha} = i\omega a^\dagger_{k\alpha}
\tag{4.2}
\]これを解くと、\[
a_{k\alpha}(t) = a_{k\alpha}(0) e^{-i\omega t}
\tag{5.1}
\]\[
a^\dagger_{k\alpha}(t) = a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{i\omega t}
\tag{5.2}
\]となる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/16 18:08

電磁場の量子化再論 (8) 光子のエネルギー

ハミルトニアンを生成消滅演算子で表す。

追記:論理展開がおかしかったので、大幅に修正しました(12/23)

以前の記事の\[
H = \sum_{k\alpha} 2|{\bf k}|^2 c^*_{k\alpha} c_{k\alpha}
\tag{1}
\]の導出で、$c$と$c^*$ を非可換と仮定すると、\[
H = \sum_{k\alpha} |{\bf k}|^2 (c^*_{k\alpha} c_{k\alpha} + c_{k\alpha} c^*_{k\alpha})
\tag{2}
\]となり、これに\[
c_{k\alpha} = c\sqrt{\hbar/2\omega} \times a_{k\alpha}
\tag{3}
\]を代入して、\[
H = \sum_{k\alpha} \frac{1}{2}\hbar\omega (a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha} + a_{k\alpha} a^\dagger_{k\alpha})
\tag{4}
\]となる。この時、$\omega = c|{\bf k}|$を用いた。
$N_{k\alpha} = a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha}$ と $[a_{k\alpha},a^\dagger_{k\alpha}] = \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'}$ を用いると、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega \left(N_{k\alpha} + \frac{1}{2} \right)
\tag{5}
\]となる。
エネルギー原点は任意に取れるので、|0> の固有エネルギーをゼロになるように原点を取ると、
定数部分はなくなり、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega N_{k\alpha}
\tag{6}
\]となる。
すなわち、(k,α)で指定されるモードに $\hbar\omega$のエネルギーを持つ光子が$n_{k\alpha}$個入っている
という描像で考えることができる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/16 12:36

エネルギー問題

そんなに難しい話を書く気もありませんし、そもそも書ける知識もありません。
ただ、以前から原発や再生エネのことに関連して、ずっと興味を持っています。

こういうのって、定量的(数値的)に考えないと意味がないと思うんですよね。
エネルギーが足りなかったら、生きていけないわけだから。

そういうわけで、まずはエネルギー需給がどうなってるのかを知りたくて、
資源エネルギー庁のエネルギー白書を読んでいます。
なかなか面白いですよ。

それによると、日本国内全体の年間エネルギー消費量は、
14 EJ だそうです。
こういう数字って、意外と知られてないような気がするのですが。

おなじみの kWh に変換すると、3.9 TkWh になります。

注:通常は 3.9 PWh(ペタワット時)と書きますが、
ここではあえてキロワット時を一つの単位とみなしてこのような表記にしています。


そのうち家庭消費は14%程度ということなので、550 GkWh。

日本国内には、5300万世帯程度あるので、
1世帯あたりにすると、10000 kWh 程度になります。

12か月で割ると、月々 800 kWh 程度となり、
まあそれぐらい使ってるかなあという感じの値になりました。

こんなに使ってないよという方もいらっしゃるかもしれませんが、
エネルギー消費量なので、電気代だけでなく、ガス代や灯油代も含みます。
(ただし、車のガソリン代は運輸消費として勘定されているので、含まれません)

とまあ、こんなような単純計算をいろいろやってみて、
エネルギー需給の状況をつかんでみたいと思っています。

ちなみに、エネルギー供給量の方は 20 EJ 程度です。
消費量が 14 EJ でしたので、差し引きの 6 EJ は、
発電などエネルギー変換時の損失で消えてしまっているということでしょう。

それから、再生可能エネルギーのうち、水力を除く部分、
いわゆる「新エネルギー」はまだ全体のわずか5%なんですね。
これから、この部分をどれだけ伸ばせるかってところでしょうね。

再生可能エネルギー(特に太陽光と洋上風力)の技術的側面についても
興味あるので、NEDOの再生可能エネルギー技術白書も興味深いです。
NEDOは、他にも水素とか燃料電池とかいろいろ資料があって面白そうですよ。
社会>エネルギー問題 | コメント(0) | 2018/01/21 22:50
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