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電磁場の量子化再論 (11) 光子の運動量

電磁場の運動量を生成消滅演算子で表す。

E と B の表式\[
{\bf E} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \sqrt{\hbar\omega/2} \ \epsilon_{k\alpha} [a_{k\alpha} e^{i{\bf k \cdot x}} - a^\dagger_{k\alpha} e^{-i{\bf k \cdot x}} ]
\tag{1}
\]\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} c\sqrt{\hbar/2\omega} \ ({\bf k}\times \epsilon_{k\alpha}) [a_{k\alpha} e^{i{\bf k\cdot x}} - a^\dagger_{k\alpha} e^{-i{\bf k\cdot x}} ]
\tag{2}
\]を用いて、電磁場の運動量\[
{\bf P} = \frac{1}{c} \int ({\bf E} \times {\bf B}) d^3x
\tag{3}
\]を計算する。

周期的境界条件から得られる性質\[
V^{-1} \int e^{i({\bf k}-{\bf k}')\cdot {\bf x}} d^3x = \delta_{\bf kk'}
\tag{4}
\]を利用すると、\[
{\bf P} = -\sum_{k,k'} \sum_{\alpha,\alpha'} \frac{\hbar}{2}
\epsilon \times ({\bf k}' \times \epsilon')
[(aa' + a^\dagger a'{}^\dagger) \delta_{k,-k'} - (aa'{}^\dagger + a^\dagger a') \delta_{k,k'}]
\tag{5}
\] となる。ただし、プライム記号については $a' = a_{k'\alpha'}$ などと略記した。
ここで、\[
\epsilon \times ({\bf k}' \times \epsilon')
= {\bf k}'(\epsilon \cdot \epsilon') - \epsilon' (\epsilon\cdot{\bf k}')
\tag{6}
\]であり、また、(5)の[ ] の部分は${\bf k} = \pm {\bf k}'$のみ生き残ることを考慮すると、
$\epsilon\cdot{\bf k}' = \pm \epsilon\cdot{\bf k} = 0$ で(6)の第2項は消える。

次に、(6)の第1項については、${\bf k} = {\bf k}'$ の時、$\epsilon\cdot\epsilon' = \delta_{\alpha\alpha'}$ で、
${\bf k} = -{\bf k}'$の時、$\epsilon\cdot\epsilon' = \pm \delta_{\alpha\alpha'}$(α=1,2 で逆符号)である。
よって、(5)の[ ]の部分の第1項については、
$\pm {\bf k} a_{k\alpha} a_{-k\alpha}$ と $\pm {\bf k} a^\dagger_{k\alpha} a^\dagger_{-k\alpha}$ の項で構成され、
k に関する奇関数となるため、最終的に k空間全体で和を取ると消える。

結局、(5)の第2項と(6)の第1項の積から成る部分のみが残り、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \frac{\hbar}{2} {\bf k} (a_{k\alpha} a^\dagger_{k\alpha} + a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha})
\tag{7}
\]と整理される。光子数演算子を用いると、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \hbar {\bf k} \left(N_{k\alpha} + \frac{1}{2} \right)
\tag{8}
\]と書ける。ここで、$\hbar {\bf k}/2$ の項は k空間全体で和を取るとゼロになるので、\[
{\bf P} = \sum_{k\alpha} \hbar {\bf k} N_{k\alpha}
\tag{9}
\]となる。
すなわち、(k,α)で指定されるモードに入る光子一個あたりの運動量は $\hbar {\bf k}$ であると考えられる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/23 23:29

電磁場の量子化再論 (10) 電磁場の演算子による表示

電磁場を生成消滅演算子で表示する。

電磁場のフーリエ表示\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha} 
\epsilon_{k\alpha} \left[ c_{k\alpha}(t) e^{i{\bf k}\cdot{\bf x}}
+ c^*_{k\alpha}(t) e^{-i{\bf k}\cdot{\bf x}} \right]
\tag{1}
\]に生成消滅演算子の定義から得られる c と a の関係式\[
c_{k\alpha} = c\sqrt{\hbar/2\omega} \times a_{k\alpha}
\tag{2}
\]を代入すると、\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha} 
c\sqrt{\hbar/2\omega} \
\epsilon_{k\alpha} \left[ a_{k\alpha}(t) e^{i{\bf k}\cdot{\bf x}}
+ a^\dagger_{k\alpha}(t) e^{-i{\bf k}\cdot{\bf x}} \right]
\tag{3}
\]となる。
生成消滅演算子の時間発展\[
a_{k\alpha}(t) = a_{k\alpha}(0) e^{-i\omega t} \tag{4.1}
\]\[
a^\dagger_{k\alpha}(t) = a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{i\omega t} \tag{4.2}
\]を代入すると、\[
{\bf A}({\bf x}, t) = V^{-1/2} \sum_{{\bf k}, \alpha}  c\sqrt{\hbar/2\omega} \ \epsilon_{k\alpha}
\left[ a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k}\cdot{\bf x}-\omega t)} + a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k}\cdot{\bf x}-\omega t)} \right]
\tag{5}
\]となる。

次に、${\bf E} = -(1/c)(\partial {\bf A}/\partial t)$ と ${\bf B} = \nabla\times{\bf A}$を求める。\[
{\bf E} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \sqrt{\hbar\omega/2} \ \epsilon_{k\alpha}
[a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k \cdot x} - \omega t)} - a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k \cdot x}-\omega t)} ]
\tag{6}
\]\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} c\sqrt{\hbar/2\omega} \ ({\bf k}\times \epsilon_{k\alpha})
[a_{k\alpha}(0) e^{i({\bf k\cdot x}-\omega t)} - a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{-i({\bf k\cdot x}-\omega t)} ]
\tag{7}
\]
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/23 12:57

電磁場の量子化再論 (9) 生成消滅演算子の時間発展

ハミルトニアンを使って、生成消滅演算子の時間発展を調べる。

ハミルトニアンを用いると、生成消滅演算子の時間発展は\[
\dot{a}_{k\alpha} = \frac{1}{i\hbar}[a_{k\alpha}, H]
\tag{1.1}
\]\[
\dot{a}^\dagger_{k\alpha} = \frac{1}{i\hbar}[a^\dagger_{k\alpha}, H]
\tag{1.2}
\]と表せる。
ハミルトニアンは、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega N_{k\alpha}
\tag{2}
\]であるから、\[
[a_{k\alpha}, N_{k'\alpha'}] = \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a_{k\alpha}
\tag{3.1}
\]\[
[a^\dagger_{k\alpha}, N_{k'\alpha'}] = -\delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a^\dagger_{k\alpha}
\tag{3.2}
\]を用いると、以下の時間発展の方程式が得られる。\[
\dot{a}_{k\alpha} = -i\omega a_{k\alpha}
\tag{4.1}
\]\[
\dot{a}^\dagger_{k\alpha} = i\omega a^\dagger_{k\alpha}
\tag{4.2}
\]これを解くと、\[
a_{k\alpha}(t) = a_{k\alpha}(0) e^{-i\omega t}
\tag{5.1}
\]\[
a^\dagger_{k\alpha}(t) = a^\dagger_{k\alpha}(0) e^{i\omega t}
\tag{5.2}
\]となる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/16 18:08

電磁場の量子化再論 (8) 光子のエネルギー

ハミルトニアンを生成消滅演算子で表す。

追記:論理展開がおかしかったので、大幅に修正しました(12/23)

以前の記事の\[
H = \sum_{k\alpha} 2|{\bf k}|^2 c^*_{k\alpha} c_{k\alpha}
\tag{1}
\]の導出で、$c$と$c^*$ を非可換と仮定すると、\[
H = \sum_{k\alpha} |{\bf k}|^2 (c^*_{k\alpha} c_{k\alpha} + c_{k\alpha} c^*_{k\alpha})
\tag{2}
\]となり、これに\[
c_{k\alpha} = c\sqrt{\hbar/2\omega} \times a_{k\alpha}
\tag{3}
\]を代入して、\[
H = \sum_{k\alpha} \frac{1}{2}\hbar\omega (a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha} + a_{k\alpha} a^\dagger_{k\alpha})
\tag{4}
\]となる。この時、$\omega = c|{\bf k}|$を用いた。
$N_{k\alpha} = a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha}$ と $[a_{k\alpha},a^\dagger_{k\alpha}] = \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'}$ を用いると、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega \left(N_{k\alpha} + \frac{1}{2} \right)
\tag{5}
\]となる。
エネルギー原点は任意に取れるので、|0> の固有エネルギーをゼロになるように原点を取ると、
定数部分はなくなり、\[
H = \sum_{k\alpha} \hbar\omega N_{k\alpha}
\tag{6}
\]となる。
すなわち、(k,α)で指定されるモードに $\hbar\omega$のエネルギーを持つ光子が$n_{k\alpha}$個入っている
という描像で考えることができる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2018/12/16 12:36

電磁場の量子化再論 (7)

数演算子 N は\[
N^\dagger = (a^\dagger a)^\dagger = a^\dagger a = N
\tag{1}
\]よりエルミートであるから、実数固有値を持つ。
固有値 n に対する規格化された固有ケットを |n> と表記すると、

\[
N | n \rangle = n | n \rangle
\tag{2}
\]

状態 |n> に演算子 a や a+ を作用させたものについて考える。
前記事で導出した N と a の交換関係より、\[
N a |n\rangle = (aN - a) |n\rangle = (n-1) a|n\rangle
\tag{3.1}
\]\[
N a^\dagger |n\rangle = (a^\dagger N + a^\dagger) |n\rangle = (n+1) a^\dagger |n\rangle
\tag{3.2}
\]これらより、
a|n> は固有値 n-1 に対する固有状態、
a+|n> は固有値 n+1 に対する固有状態

を表すことが分かる。
すなわち、適当な係数を導入して、\[
a|n\rangle = c_- |n-1\rangle
\tag{4.1}
\]\[
a^\dagger|n\rangle = c_+ |n+1\rangle
\tag{4.2}
\]と表せる。
係数を求めるために、上式のノルムを考えると、\[
|c_-|^2 = \langle an|an \rangle = \langle n|a^\dagger a|n\rangle = \langle n|N|n\rangle = n
\tag{5.1}
\]\[
|c_+|^2 = \langle a^\dagger n|a^\dagger n\rangle = \langle n|aa^\dagger|n\rangle
= \langle n|(a^\dagger a +1)|n\rangle = n+1
\tag{5.2}
\]時刻 t=0 において、位相因子を 1 と決めると、

\[
a |n\rangle = \sqrt{n}| n-1 \rangle
\tag{6.1}
\] \[
a^\dagger |n\rangle = \sqrt{n+1} | n+1 \rangle
\tag{6.2}
\]

となる。
a は n を1下げた状態を作り、a+ は n を1上げた状態を作る働きをする。

一方で、\[
n = \langle n|N|n \rangle = \langle n|a^\dagger a|n \rangle \geq 0
\tag{7}
\]であるから、n は非負でなければならない。
しかし、a を連続的に施して、n を下げていく過程を考えると、
n は整数でなければ、無限に n の小さい状態が生成され、
いずれは n が負となり、上記に矛盾することが分かる。

n が整数ならば、n = 0 で (6.1) 式は\[
a|0\rangle = 0
\tag{8}
\]となり、これ以上低い状態は作られないため、 |0> が最低の状態となる。
状態 |n> を作るには、状態 |0> に a+ を n 回施せばよいので、\[
|n\rangle = \frac{(a^\dagger)^n}{\sqrt{n!}} |0\rangle
\tag{9}
\]
すべてのモードに関して考えるには、状態を各モードの直積で表せばよい。\[
|n_{k_1\alpha_1}, n_{k_2\alpha_2}, \cdots \rangle
= |n_{k_1\alpha_1} \rangle |n_{k_2\alpha_2} \rangle \cdots
\tag{10}
\]すべてのモードが $n_{k\alpha} = 0$ になっている状態を\[
|0\rangle = |0_{k_1\alpha_1} \rangle |0_{k_2\alpha_2} \rangle \cdots
\tag{11}
\]と書くことにすると、

\[
|n_{k_1\alpha_1}, n_{k_2\alpha_2}, \cdots \rangle
= \prod_{k\alpha} \frac{(a_{k\alpha}^\dagger)^n}{\sqrt{n_{k\alpha}!}} |0\rangle
\tag{12}
\]

と表せる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/03/25 20:12

電磁場の量子化再論 (6)

前記事でハミルトニアン

\[
H = \sum_{k\alpha} \frac{1}{2} ( P_{k\alpha}^2 + \omega^2 Q_{k\alpha}^2 )
\tag{1}
\]

において、P, Q は正準変数であることが分かったので、
以下の交換関係を適用して、正準量子化を行う。

\[
[Q_{k\alpha}, P_{k'\alpha'}] = i\hbar \delta_{kk'}\delta_{\alpha\alpha'}
\tag{2.1}
\]\[
[Q_{k\alpha}, Q_{k'\alpha'}] = [P_{k\alpha}, P_{k'\alpha'}] = 0
\tag{2.2}
\]

以下の演算子を導入する。

\[
a_{k\alpha} = \frac{1}{\sqrt{2\hbar\omega}}(\omega Q_{k\alpha} + iP_{k\alpha})
\tag{3.1}
\]\[
a^\dagger_{k\alpha} = \frac{1}{\sqrt{2\hbar\omega}}(\omega Q_{k\alpha} - iP_{k\alpha})
\tag{3.2}
\]


ここで、P, Q は実観測量に対応しているので、エルミート演算子であることに注意。
その結果、a と a+ はエルミート共役の関係になる。

P, Q を定義した式から\[
c_{k\alpha} = \frac{c}{2} \left( Q + \frac{iP}{\omega} \right)
\tag{4}
\]であるから、\[
c_{k\alpha} = c\sqrt{\hbar/2\omega} \times a_{k\alpha}
\tag{5}
\]の関係があることが分かり、a は c を無次化したものであることも確かめられる。
(2) の交換関係を用いると、a と a+ の交換関係は、以下のようになる。

\[
[a_{k\alpha}, a^\dagger_{k'\alpha'}] = \delta_{kk'}\delta_{\alpha\alpha'}
\tag{6.1}
\]\[
[a_{k\alpha}, a_{k'\alpha'}] = [a^\dagger_{k\alpha}, a^\dagger_{k'\alpha'}] = 0
\tag{6.2}
\]


ここで、数演算子 N を定義する。

\[
N_{k\alpha} = a^\dagger_{k\alpha} a_{k\alpha}
\tag{7}
\]


a との交換関係は以下のように計算できる。\[
[a, N'] = [a, {a^\dagger}' a'] = {a^\dagger}' [a, a'] + [a, {a^\dagger}']a' = \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a_{k\alpha}
\tag{8.1}
\]\[
[a^\dagger, N'] = [a^\dagger, {a^\dagger}' a'] = {a^\dagger}' [a^\dagger, a'] + [a^\dagger, {a^\dagger}']a'
= - \delta_{kk'} \delta_{\alpha\alpha'} a^\dagger_{k\alpha}
\tag{8.2}
\]ただし、$a'$ などは $a_{k'\alpha'}$ を表すと約束する。


参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/03/22 19:14

電磁場の量子化再論 (5)

前記事で求めたハミルトニアン

\[
H = \sum_{k\alpha} \frac{1}{2} ( P_{k\alpha}^2 + \omega^2 Q_{k\alpha}^2 )
\tag{1}
\]

において、P, Q が正準変数となっていることを以下に示す。\[
Q_{k\alpha} = \frac{1}{c} (c_{k\alpha} + c^*_{k\alpha} )
\tag{2.1}
\]\[
P_{k\alpha} = -\frac{i\omega}{c} (c_{k\alpha} - c^*_{k\alpha} )
\tag{2.2}
\]および\[
\dot{c}_{k\alpha} = -i\omega c_{k\alpha}
\tag{3}
\]より、\[
\dot{Q}_{k\alpha} = P_{k\alpha}
\tag{4.1}
\]\[
\dot{P}_{k\alpha} = -\omega^2 Q_{k\alpha}
\tag{4.2}
\]が得られる。したがって、以下の正準方程式を満たす。

\[
\dot{Q}_{k\alpha} = \frac{\partial H}{\partial P_{k\alpha}}
\tag{5.1}
\]\[
\dot{P}_{k\alpha} = -\frac{\partial H}{\partial Q_{k\alpha}}
\tag{5.2}
\]



ハミルトニアン (1) は、質量を1とした時の調和振動子の集合のハミルトニアンに一致する。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/03/17 12:42

電磁場の量子化再論 (4)

さて、先へ進みましょう。

以下のような量を定義。

\[
Q_{k\alpha} = \frac{1}{c} (c_{k\alpha} + c^*_{k\alpha} )
\tag{1.1}
\]\[
P_{k\alpha} = -\frac{i\omega}{c} (c_{k\alpha} - c^*_{k\alpha} )
\tag{1.2}
\]


記法はサクライ [1] に倣ってますが、c の文字がかぶるのがなんとも・・・(>_<
#わざわざ、c 使わなくてもよかったんだけど・・・

$c$, $c^*$ について解いて、\[
c_{k\alpha} = \frac{c}{2} \left( Q + \frac{iP}{\omega} \right)
\tag{2.1}
\]\[
c^*_{k\alpha} = \frac{c}{2} \left( Q - \frac{iP}{\omega} \right)
\tag{2.2}
\]

これを前記事のハミルトニアン\[
H = \sum_{k\alpha} 2 \left( \frac{\omega}{c} \right)^2 c^*_{k\alpha} c_{k\alpha}
\tag{3}
\](ただし、$|{\bf k}| = \omega/c$)に代入すると、

\[
H = \sum_{k\alpha} \frac{1}{2} ( P_{k\alpha}^2 + \omega^2 Q_{k\alpha}^2 )
\tag{4}
\]

となる。

参考文献
[1] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/02/19 19:09

電磁場の量子化再論 (3)

前記事までのところ、めんどくさい計算でしたが、
実際は、そんなに大したことやってるわけではなさそうです。
理解をスッキリさせるために、我流ですが、イメージで考えてみます。

まずは、z 軸方向に進む単一のモードだけを考えてみることにして、\[
A_x = V^{-1/2} A_0 \cos (kz - \omega t + \phi)
\tag{1}
\]とする。偏光モードも一方向だけ考えることにして、$A_y = A_z = 0$。

電場と磁場を求めると、\[
E_x = -\frac{1}{c}\frac{\partial A_x}{\partial t}
= - V^{-1/2} A_0 k \sin (kz - \omega t + \phi)
\tag{2}
\]\[
B_y = \frac{\partial A_x}{\partial z}
= - V^{-1/2} A_0 k \sin (kz - \omega t + \phi)
\tag{3}
\]となり、その他の成分は明らかにゼロ。

一辺 L の箱の中で2乗積分すると、\[
\int E_x^2 d^3x = L^{-1}k^2 A_0^2 \int_{-L/2}^{L/2} \sin^2 (kz-\omega t + \phi) dz
\]であり、周期的境界条件を仮定すると、\[
\int E_x^2 d^3x = \frac{k^2 A_0^2}{2}
\tag{4}
\]となる。磁場も全く同じ式なので、\[
\int B_y^2 d^3x = \frac{k^2 A_0^2}{2}
\tag{5}
\]となる。よって、このモードのみに関するハミルトニアンへの寄与を計算すると、\[
H = \frac{1}{2} \int (E_x^2 + B_y^2) d^3x = \frac{k^2 A_0^2}{2}
\tag{6}
\]である。

すべてのモードに対して考えた場合には、
k と α (偏光)の異なるモードはすべて互いに直交しているから、
合成した電磁場の2乗積分は、各モードの2乗積分の和で表されるため、
(直交座標系で、ベクトルの2乗が成分の2乗和になることと同じ)
多モードの対するハミルトニアンは (6) の和で書ける。よって、\[
H = \sum_{k,\alpha} \frac{k^2 A_0^2}{2}
\tag{7}
\]となる。

ここで、 前記事の複素表示における c とは、 $2c = A_0 e^{i(-\omega t + \phi)}$ の関係にあるから、\[
H = \sum_{k,\alpha} 2 k^2 c^* c
\tag{8}
\]となり、前記事の結果と一致する。
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/02/16 07:29

電磁場の量子化再論 (2) 長考の理由

世間では、ついに重力波が発見できて沸いていますが、
僕の中では一か月間探し求めていた計算間違いを発見できて沸いております(笑)

どこでハマっていたかと言いますと・・・

まず、前記事で求めた電場と磁場の表式。\[
{\bf E} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \epsilon |{\bf k}| [c e^{i{\bf kx}} - c^* e^{-i{\bf kx}} ]
\tag{1}
\]\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} ({\bf k}\times \epsilon) \left[ c e^{i{\bf kx}} - c^* e^{-i{\bf kx}} \right]
\tag{2}
\]
この磁場の式に出てくる ${\bf k}\times \epsilon$ の部分は、k と ε が直交して右手系をなすのだから、\[
{\bf k} \times \epsilon_1 = |{\bf k}| \epsilon_2
\tag{3.1}
\]\[
{\bf k} \times \epsilon_2 = -|{\bf k}| \epsilon_1
\tag{3.2}
\]とできるのではないかと。
そこで、$\zeta_1 = \epsilon_2$, $\zeta_2 = -\epsilon_1$ なる新たな単位ベクトル ζ を定義してやれば、\[
{\bf B} = iV^{-1/2} \sum_{k\alpha} \zeta |{\bf k}| [c e^{i{\bf kx}} - c^* e^{-i{\bf kx}} ]
\tag{4}
\]となって、電場の式 (1) とは単位ベクトルの方向が違うだけで、
まったく同じ式になってしまうのではないかと考えたわけです。

そうすると、${\bf E}^2$ も ${\bf B}^2$ も全く同じ値になるはずだから、
$c_k c_{-k}$ などの 2ω の項が消えてくれなくなってしまいます。
ここで、ずっと困っていたわけです。

よくよく考えてみると、(3) 式が間違っているわけですね。
実際は、k の向きが負になった場合は符号が反転するのです。

電場の方は、k に何が入っても、向きは ε の向きで固定です。
しかし、磁場の方は k と ε で決まる方向を向くわけだから、
k の向きが反転すると、反転するのですね。

その違いから、2ω 成分の符号が反転してくれて、
うまく消えてくれるというわけでした。

分かってしまうと単純な話ですが、ハマってるとなかなか抜けられないものですね・・・^^;

電磁場の量子化 | コメント(0) | 2016/02/15 07:00
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