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量子化学

最近、にわかに急上昇中の興味の対象が量子化学!

以前は、電子の軌道なんて、シュレディンガー方程式を頑張って解けば
きっと、ああいう形になるんだろう・・・
ぐらいの興味でした。

でも、実際どうやって計算するんだろう?
簡単な近似レベルでいいので、計算してみたいものだなと興味がわいてきました。

原子価結合法、分子軌道法、密度汎関数法・・・
どういう計算をしているのか、理解してみたい。

それどころか、よく見る水素原子のs軌道、p軌道などの形ですら、
自分でまともにグラフ描画したこともないし・・・
自分であれこれグラフにして可視化すれば、理解も深まるでしょうね。

最近、急に特殊関数を復習し始めた背景には、実はそういう動機がありました(笑)

それから、その延長で固体のバンド計算にも興味が。
こちらも単純な近似レベルでいいのですが、
自分で計算してみたい。
(まともな計算なんて、素人に手におえるものではないですから・・・^^;)

たとえば、先日のグラフェンの解析的な式。
あれぐらいを理解して、導出してみたいものですね。
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物理>量子力学 | コメント(0) | 2015/03/13 12:21

球対称ポテンシャル (2)

球対称ポテンシャル問題の続き。
動径部分と角部分に分離して、角部分について考える。
\[
\frac{1}{\sin\theta} \frac{\partial}{\partial \theta} \left( \sin\theta \frac{\partial Y}{\partial \theta} \right)
+ \frac{1}{\sin^2\theta} \frac{\partial^2 Y}{\partial \phi^2}
+ \lambda Y = 0
\tag{1}
\]さらに、
\[
Y(\theta,\phi) = \Theta(\theta) \Phi(\phi)
\tag{2}
\]によって、θとΦに分離。\[
\frac{\sin\theta}{\Theta} \frac{d}{d\theta} \left( \sin\theta \frac{d\Theta}{d\theta} \right)
+ \lambda\sin^2\theta
= -\frac{1}{\Phi} \frac{d^2\Phi}{d\phi^2}
\tag{3}
\]同様に、両辺を定数 ν とおけるので、\[
\frac{1}{\sin\theta} \frac{d}{d\theta} \left( \sin\theta \frac{d\Theta}{d\theta} \right)
+ \left( \lambda - \frac{\nu}{\sin^2\theta} \right) \Theta = 0
\tag{4}
\]\[
\frac{d^2\Phi}{d\phi^2} + \nu \Phi = 0
\tag{5}
\]なる2つの固有方程式に分離できる。

まずは、(5)式から。$m^2 = \nu$ として、
\[
\Phi = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{im\phi}
\tag{5}
\]2πの周期性から、m は整数でなければならない。

ところで、シッフ[1]では、この部分、
$\Phi$ と$d\Phi/d\phi$ が定義域 0 ~ 2πで連続でなければならないから、
と書かれているのですが、
2πの点で連続(つまり周期的境界条件)という意味なんでしょうね。

規格化因子は、\[
\int_0^{2\pi} |\Phi(\phi)|^2 d\phi = 1
\tag{6}
\]となるように選ばれている。

次に、θに関する (4) 式を見る。
$\nu = m^2$ として、さらに、$\cos\theta = w$ とおき、
$P(w) = \Theta(\theta)$ と変数を置換すると、
\[
\frac{d}{dw} \left[ (1-w^2) \frac{dP}{dw} \right]
+ \left( \lambda - \frac{m^2}{1-w^2} \right) P = 0
\tag{7}
\]と変形される。

これを解くわけですが、長くなるので、次回へ。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
球対称ポテンシャル | コメント(0) | 2014/09/10 12:30

球対称ポテンシャル (1)

球対称ポテンシャル(中心力場)におけるシュレディンガー方程式を解き、
エネルギー固有値及び固有関数を求めます。
水素原子の波動関数を求めるための前段階です。

座標は球座標で表すこととし、球対称ポテンシャル\[
V = V(r)
\tag{1}
\]を仮定。
シュレディンガー方程式は、\[
-\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2 u(r,\theta, \phi) + V(r) u(r,\theta, \phi) = Eu(r,\theta,\phi)
\tag{2}
\]と書ける。
ラプラシアンを球座標表示で表すと、\[
-\frac{\hbar^2}{2m} \left[
\frac{1}{r^2} \frac{\partial}{\partial r} \left( r^2\frac{\partial}{\partial r} \right)
+ \frac{1}{r^2\sin\theta} \frac{\partial}{\partial \theta} \left( \sin\theta \frac{\partial}{\partial \theta} \right)
+ \frac{1}{r^2\sin^2\theta} \frac{\partial^2}{\partial \phi^2}
\right] u \\
\hspace{5cm} + V(r) u = Eu
\tag{3}
\]となる。波動関数を以下のように変数分離。
\[
u(r,\theta,\phi) = R(r)Y(\theta,\phi)
\tag{4}
\]
シュレディンガー方程式に代入して、$-2mr^2/\hbar^2u$ を乗じると、
\[
\frac{1}{R} \frac{d}{dr} \left(r^2 \frac{dR}{dr} \right)
+ \frac{2mr^2}{\hbar^2} [ E - V(r) ]
\\ \hspace{3cm} = -\frac{1}{Y} \left[
\frac{1}{\sin\theta} \frac{\partial}{\partial \theta} \left( \sin\theta \frac{\partial Y}{\partial \theta} \right)
+ \frac{1}{\sin^2\theta} \frac{\partial^2 Y}{\partial \phi^2}
\right]
\tag{5}
\]
左辺は r のみに依存し、右辺は θ、Φのみに依存するから、
両辺ともに定数λと等しいとおけるので、
動径部分は、\[
\frac{1}{r^2} \frac{d}{dr} \left( r^2 \frac{dR}{dr} \right)
+ \left\{ \frac{2m}{\hbar^2} [ E - V(r) ] - \frac{\lambda}{r^2} \right\} R
= 0
\tag{6}
\]角部分は、\[
\frac{1}{\sin\theta} \frac{\partial}{\partial \theta} \left( \sin\theta \frac{\partial Y}{\partial \theta} \right)
+ \frac{1}{\sin^2\theta} \frac{\partial^2 Y}{\partial \phi^2}
+ \lambda Y = 0
\tag{7}
\]となる。
動径部分は具体的なポテンシャル形状が分からないと、これ以上は進めないので、
以後、角部分に注目していく。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
球対称ポテンシャル | コメント(0) | 2014/09/09 12:22

調和振動子の行列理論 (5)

昇降演算子の行列要素を計算したい。

以前の議論から、ゼロでない行列要素は、$\langle n-1|a|n\rangle$ および $\langle n|a^\dagger|n-1\rangle$ のみである (*)。
これを求めたい。

前記事から、状態 $|n\rangle$ は規格化されていると仮定すると、
\[
\langle n | a^\dagger a |n\rangle = n
\tag{1}
\]である。さらに、完全性を利用して、
\[
\sum_{n'} \langle n | a^\dagger |n'\rangle\langle n'|a |n\rangle = n
\tag{2}
\]と変形できる。
ここで、上記の(*)に注意すれば、
\[
\langle n | a^\dagger |n-1\rangle\langle n-1|a |n\rangle = n
\tag{3}
\]となる。
これら2つの行列要素は互いに複素共役になっているから、
位相因子を1とすれば、
\[
\langle n | a^\dagger |n-1\rangle = \langle n-1|a |n\rangle = \sqrt{n}
\tag{4}
\]
状態 $|n\rangle$ に作用させたときにどのようになるかという観点で表記すると、
\[
a |n\rangle = \sqrt{n} \ |n-1\rangle
\tag{5.1}
\]\[
a^\dagger |n\rangle = \sqrt{n+1} \ |n+1\rangle
\tag{5.2}
\]
行列で表記すると、
\[
a = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 1 & 0 & 0 & & & \\
0 & 0 & \sqrt{2} & 0 & & & \\
0 & 0 & 0 & \sqrt{3} & & & \\
& & & & \cdot & & \\
& & & & & \cdot & \\
& & & & & & \cdot
\end{array}
\right]
\tag{6.1}
\]\[
a^\dagger = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 0 & 0 & & & & \\
1 & 0 & 0 & & & & \\
0 & \sqrt{2} & 0 & & & & \\
0 & 0 & \sqrt{3} & & & & \\
& & & \cdot & & & \\
& & & & \cdot & &
\end{array}
\right]
\tag{6.2}
\]
これらを用いて、個数演算子の行列表現を計算すると、
\[
a^\dagger a = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 0 & 0 & 0 & & & \\
0 & 1 & 0 & 0 & & & \\
0 & 0 & 2 & 0 & & & \\
0 & 0 & 0 & 3 & & & \\
& & & & \cdot & & \\
& & & & & \cdot & \\
& & & & & & \cdot
\end{array}
\right]
\tag{7}
\]となり、予想通り、固有値が n となる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/07/08 12:45

調和振動子の行列理論 (4)

上昇演算子
\[
a^\dagger = -\frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} ( p + im\omega_c x)
\tag{1.1}
\]下降演算子
\[
a = \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} ( p - im\omega_c x)
\tag{1.2}
\]
の積を考える。交換関係 $[x,p] = i\hbar$ を使って計算すると、
\[
a^\dagger a = \frac{H}{\hbar\omega_c} - \frac{1}{2}
\tag{2.1}
\]\[
a a^\dagger = \frac{H}{\hbar\omega_c} + \frac{1}{2}
\tag{2.2}
\]
となる。ここで、ハミルトニアンは
\[
H = \frac{p^2}{2m} + \frac{m\omega_c^2}{2}x^2
\tag{3}
\]である。
$a$ と $a^\dagger$ の交換関係は(2)より明らかに、
\[
[a, a^\dagger] = 1
\tag{4}
\]
また、(2.1)より
\[
H = \left( a^\dagger a + \frac{1}{2} \right) \hbar\omega_c
\tag{5}
\]となり、$|n\rangle$ のエネルギー固有値は
\[
E_n = \left( n + \frac{1}{2} \right) \hbar\omega_c
\tag{6}
\]であったから、$a^\dagger a$ の固有値は $n$ となる。
\[
a^\dagger a |n\rangle = n |n\rangle
\tag{7}
\]このため、$a^\dagger a$ は個数演算子と呼ばれる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/07/08 12:34

調和振動子の行列理論 (3)

だいぶ間が空いてしまいましたが、
調和振動子の行列理論の続き。

前回のこの式から
\[
\left[
\begin{array}{cc}
E_l - E_k & -i\hbar/m \\
i\hbar K & E_l -E_k
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
\langle k|x|l \rangle \\
\langle k|p|l \rangle
\end{array}
\right] = 0
\tag{1}
\]
今度は、1行目に $-im\omega_c$ を乗じて、2行目を加えると、
\[
(E_l - E_k - \hbar\omega_c) \langle k |(p - im\omega_c x)| l \rangle = 0
\tag{2}
\]
この式変形じたいはいたって簡単なのですが、
数学的にはいったい何をやってるんだろう???
ということが分からずに時間がかかっていました。

つまり、前記事の変形では、
非自明な解が存在するために、行列式がゼロという条件を置いたわけですが、
今回は、線形代数的にどういう操作をやってるのかが分かりません。

まあ、結局分からずじまいですが、
とりあえず、あまりこだわるのはやめて、先に進むことにします。

式(2)を見ると、この行列要素が非零になりうるのは、
\[
E_k = E_l - \hbar\omega_c
\tag{3}
\]
の場合だけである。
つまり、演算子 $p-im\omega_c x$ は、エネルギー固有状態を 
$\hbar\omega_c$ だけ低いエネルギー固有状態にする働きをもつ。


ところで、調和振動子のエネルギー固有値は必ず正であったから、
ある最低エネルギー固有状態 $|0\rangle$ が存在して、
\[
(p - im\omega_c x)|0\rangle = 0
\tag{4}
\]とならなければ、矛盾が生じる。
この両辺に演算子 $p+im\omega_c x$ を施して、
\[
(p + im\omega_c x)(p - im\omega_c x)|0\rangle = 0
\tag{5}
\]
交換関係 $[x,p] = i\hbar$ を用いて整理すると、
\[
\left( H - \frac{1}{2}\hbar\omega_c \right) |0\rangle = 0
\tag{6}
\]となり、
\[
H |0\rangle = \frac{1}{2}\hbar\omega_c |0\rangle
\tag{7}
\]となる。つまり、基底状態 $|0\rangle$ のエネルギーは $\hbar\omega_c/2$ である。

今度は、(2)を導いたのと同様の手法で、1行目に $+im\omega_c$ を乗じて、2行目を加えることにより、
\[
(E_l - E_k + \hbar\omega_c) \langle k |(p + im\omega_c x)| l \rangle = 0
\tag{8}
\]という結果を得、行列要素が非零となるのは、
\[
E_k = E_l + \hbar\omega_c
\tag{9}
\]の場合に限るから、演算子 $p+im\omega_cx$ は、エネルギー固有状態を 
$\hbar\omega_c$ だけ高いエネルギー固有状態にする働きをもつ。

この演算子を順次、$|0\rangle$ に施していくことにより、$|1\rangle, |2\rangle, \cdots, |n\rangle, \cdots$ と、
エネルギー固有値が $\hbar\omega_c$ 間隔のエネルギー固有状態を作ることができる。
この時、$|n\rangle$ に対するエネルギー固有値は、
\[
E_n = \left( n + \frac{1}{2} \right) \hbar\omega_c
\tag{10}
\]である。

これらの演算子に係数をかけて無次元化したものを上昇演算子・下降演算子と呼ぶ。

上昇演算子
\[
a^\dagger = -\frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} ( p + im\omega_c x)
= \sqrt{\frac{m\omega_c}{2\hbar}} x - \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} p
\tag{11.1}
\]
下降演算子
\[
a = \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} ( p - im\omega_c x)
= \sqrt{\frac{m\omega_c}{2\hbar}} x + \frac{i}{\sqrt{2m\hbar\omega_c}} p
\tag{11.2}
\]
x と p はエルミートであるから、$a$ と $a^\dagger$ はエルミート共役の関係にあることが分かる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/06/19 12:43

調和振動子の行列理論 (2)

x と H, p と H の交換関係を考える。
\[
[ x, H] = \frac{1}{2m}[x, p^2] = \frac{i\hbar}{m}p
\tag{1}
\]\[
[p, H] = \frac{K}{2}[p, x^2] = -i\hbar Kx
\tag{2}
\]
ちなみに、$[x, p^2]$ などは、公式
\[
[A, BC] = B[A,C] + [A,B]C
\]を用いて、
\[
[x, p^2] = p [x, p] + [x,p] p
\]
と計算している。

ここで、シッフ先生いわく、
このタイプの式が利用価値があるのは、
交換関係のいずれかの因子に対して対角型になるような表示
選ばれている時だそうです。

ここでは、H に対して対角型となるエネルギー表示で見ていくことにする。
(1) のエネルギー表示を見ると、
\[
\langle k|x|j \rangle \langle j|H|l \rangle
- \langle k|H|j \rangle \langle j|x|l \rangle
= \frac{i\hbar}{m} \langle k|p|l \rangle
\]\[
(E_l - E_k) \langle k|x|l \rangle = \frac{i\hbar}{m} \langle k|p|l \rangle
\tag{3}
\]
(2) からも同様に、
\[
(E_l - E_k) \langle k|p|l \rangle = -i\hbar K \langle k|x|l \rangle
\tag{4}
\]
(3) と (4) を合わせて、行列表記してみると、
\[
\left[
\begin{array}{cc}
E_l - E_k & -i\hbar/m \\
i\hbar K & E_l -E_k
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
\langle k|x|l \rangle \\
\langle k|p|l \rangle
\end{array}
\right]
= 0
\tag{5}
\]
ある k を固定した時、すべての l に対して、$\langle k|x|l \rangle = \langle k|p|l \rangle = 0$ という解は、
前記事で見た x と p の交換関係に反するので、不適。

そこで、k を固定した時、必ずある l に対しては、(5) 式の行列式はゼロとならなければならず、
\[
E_l - E_k = \pm \hbar \omega_c
\tag{6}
\]
とならなければならないことが分かる。
ただし、ωc は調和振動子の古典的振動数 $\omega_c = \sqrt{K/m}$。

これより、調和振動子のエネルギー準位は、$\hbar\omega_c$ 間隔になっている
ことが分かる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/05/15 12:12

調和振動子の行列理論 (1)

この後の話で必要なので、調和振動子の行列理論について見ておきます。
行列理論というのはブラケットを使った定式化という意味ですね。

調和振動子については、ずっと昔に、
波動関数を使った定式化について書いてましたが、
エルミート多項式が登場したところで、中途半端に終わっていました(汗)
そちらも気になってますが、先を急ぎますので、
とりあえず、行列理論を先にやります。

調和振動子のハミルトニアンは、
\[
H = \frac{p^2}{2m} + \frac{K}{2}x^2
\tag{1}
\]
H を対角化するエネルギー表示を用いると、
\[
\langle k|H|l \rangle = E_k \langle k|l \rangle
\tag{2}
\]
一方、
\[
\langle k|H|l \rangle
= \frac{1}{2m}\langle k|p|j \rangle \langle j|p|l \rangle
+ \frac{K}{2} \langle k|x|j \rangle \langle j|x|l \rangle
\tag{3}
\]
j についての和の記号は省略している。
ここで、p や x はエルミート演算子だから、
\[
\langle k|p|j \rangle = \langle j|p|k \rangle^*
\]
などとなることに注意すれば、(3) の対角成分を考えると、
\[
E_k = \langle k|H|k \rangle
= \sum_j \left[
\frac{1}{2m} |\langle k|p|j \rangle|^2
+ \frac{K}{2} |\langle k|x|j \rangle|^2
\right]
\tag{4}
\]
となるから、$E_k \geq 0$ である。

$E_k = 0$ となりうるのは、すべての j に対して、
\[
\langle k|p|j \rangle = \langle k|x|j \rangle = 0
\]
となるときのみであるが、これは交換関係
\[
xp - px = i\hbar
\tag{5}
\]
の対角成分
\[
\langle k|x|j \rangle \langle j|p|k \rangle
- \langle k|p|j \rangle \langle j|x|k \rangle
= i\hbar
\]
( j についてのみ和を取り、k については和を取らない)
に反してしまう。
したがって、$E_k > 0$ すなわち
この系におけるエネルギー固有値はすべて正である。

ここからは我流のイメージ。

ハミルトニアン (1) が x と p の二乗から構成されているから、
固有値は正または0だろう。

ところが、x と p の間には不確定性があるから、
x と p が同時に0に確定してしまうことはできない。

そこで、固有値は正になる。

といったイメージでしょうか。


参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)

ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/05/13 01:19

長さゲージと速度ゲージ (2)

長さゲージと速度ゲージがゲージ変換で結ばれていることを確認する。

まずは、速度ゲージで記述されたハミルトニアン
\[
H = -\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2 + \frac{ie\hbar}{mc}{\bf A}\cdot\nabla
+ \frac{e^2}{mc^2}{\bf A}^2 + e\phi + V
\tag{1}
\]
ここでは、自由輻射場を仮定して、$\phi = 0$ としているので、実質的にはφの項はない。

ゲージ変換
\[
\phi' = \phi - \frac{1}{c}\frac{\partial \chi}{\partial t}
\tag{2.1}
\]\[
{\bf A}' = {\bf A} + \nabla \chi
\tag{2.2}
\]
において、任意関数を
\[
\chi = -{\bf A}\cdot{\bf r}
\tag{3}
\]
とおく。
ここで、双極子近似を仮定しているので、A は空間に依存しないことに注意して、
ゲージ変換を行うと、
\[
\phi' = \frac{1}{c}\frac{\partial {\bf A}}{\partial t}\cdot{\bf r}
= -{\bf E}\cdot{\bf r}
\tag{4.1}
\]\[
{\bf A}' = {\bf A} - {\bf A} = 0
\tag{4.2}
\]
これらの変換を(1)に施すと、長さゲージのハミルトニアンが得られる。
\[
H = -\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2 - e{\bf E}\cdot{\bf r} + V
\tag{5}
\]

参考文献
[1] Faisal "Theory of multiphoton processes"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/04/29 19:27

長さゲージと速度ゲージ (1)

電磁場中の荷電粒子のハミルトニアンに関する
長さゲージ(length gauge)や速度ゲージ(velocity gauge)について。

ちゃんと書かれている文献やサイトをあまり見出せなくて、
とりあえず唯一、手元にあるのが Faisalの文献 [1] のみ(汗)

定義とかもよく分からないので、
かなり我流の展開でふくらませています。
(間違ってる可能性大!)

自由輻射場を考え、
\[
\nabla\cdot{\bf A} = \phi = 0
\tag{1}
\]
の条件を入れ、さらに、双極子近似を仮定しておき、A は空間的に一様であるとする。
(双極子近似を入れると、上記の$\nabla\cdot{\bf A} = 0$ は不要になるけど・・・)

輻射の半古典論で見たように、ハミルトニアンは、
\[
H = -\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2 + \frac{ie\hbar}{mc}{\bf A}\cdot\nabla + \frac{e^2}{mc^2}{\bf A}^2 + V
\tag{2}
\]
と表せる。
この表式は、速度ゲージと呼ばれるらしい。

一方、双極子近似を仮定して、電磁場は空間的に一様と考えているので、
輻射場をスカラーポテンシャルで
\[
\phi(t) = -{\bf E}(t)\cdot{\bf r}
\tag{3}
\]
と表すこともできる。
この考え方によって、ハミルトニアンを作ると、
\[
H = -\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2 - e{\bf E}\cdot{\bf r} + V
\tag{4}
\]
こちらは、長さゲージと呼ばれる。

この2つの表記は、実は単純に、ゲージ変換で結ばれている。
それについては、次回。

参考文献
[1] Faisal "Theory of multiphoton processes"
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/04/29 14:21
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