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開核・閉包の特徴づけ

また、多様体の本が読みたくなり、再び位相を始めました。
まだ、位相空間を導入する準備として、
n 次元ユークリッド空間 $R^n$ を考えているところです。

開核、閉包は以下のように特徴づけることができる。

$M \subset R^n$ とすると、
(1) 開核 $M^\circ$ は M に含まれる最大の開集合である。
(2) 閉包 $\bar{M}$ は M を含む最小の閉集合である。


(証明概略)
(1) まず、任意の $N_1, N_2 \subset R^n$ に対して、以下が成立することを確認しておく。\[
N_1 \subset N_2 \Rightarrow N_1^\circ \subset N_2^\circ
\tag{1}
\]なぜなら、$N_1^\circ$ の任意の点 a は、$U(a,\varepsilon) \subset N_1 \subset N_2$ より $N_2$ の内点でもあるから。

$M^\circ$ の点は M の内点であるから、明らかに $M^\circ$ は M に含まれる。

$M^\circ$ の任意の点 a は M の内点であるから、$U(a,\varepsilon) \subset M$。
式 (1) より $U(a,\varepsilon)^\circ \subset M^\circ$ であるが、U は開集合であるから、
$U(a,\varepsilon) \subset M^\circ$ となり、a は $M^\circ$ の内点である。
すなわち、$M^\circ$ は開集合である。

また、M に含まれる任意の開集合 $N \subset M$ に対して、式 (1) より
$N = N^\circ \subset M^\circ$ である。

(2) $\bar{M}$ は $M^\circ$ の補集合であるから、(1) より
M を含む最小の閉集合である。
(証明終了)


参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
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ユークリッド空間 | コメント(0) | 2015/11/12 00:23

開集合・閉集合の性質

集合 M の内部は、補集合 $M^c$ にとっての外部であり、
集合 M の外部は、補集合 $M^c$ にとっての内部であり、
$R^n$ は、内部・外部・境界で直和分割されているから、

集合 M の境界は、補集合 $M^c$ にとっての境界でもある。

このことに注意すると、以下のことがほぼ自明に分かる。

(1) 開集合の補集合は、閉集合である。
なぜなら、開集合は内部だけからなるので、補集合は外部と境界。

(2) 閉集合の補集合は、開集合である。
なぜなら、閉集合は内部と境界からなるので、補集合は外部のみ。

開集合系(定義)
$R^n$ の開集合全体の集合。
$\mathfrak{O}(R^n)$ (以下、略して$\mathfrak{O}$)で表す。

閉集合系(定義)
$R^n$ の閉集合全体の集合。
$\mathfrak{A}(R^n)$ (以下、略して$\mathfrak{A}$)で表す。

開集合の性質
(1) $R^n$、$\phi$ は開集合である。\[
R^n \in \mathfrak{O}, \phi \in \mathfrak{O}
\]
(2) 有限個の開集合の共通部分は、開集合である。\[
O_1, \cdots, O_n \in \mathfrak{O} \Rightarrow O = O_1 \cap \cdots \cap O_n \in \mathfrak{O}
\](証明概略)
O の点は、各 $O_i$ の点であるから、各々について、あるε近傍が $O_i$ に含まれる。
このうち、εの最小値を選び出すと、ε近傍はすべての $O_i$ に含まれ、O に含まれる。
(最小値を選ぶところで、有限個でないとダメ)(証明終了)

(3) 無限個の開集合の和集合は、開集合である。\[
O_\lambda \in \mathfrak{O} \Rightarrow O = \bigcup_{\lambda \in \Lambda} \in \mathfrak{O}
\](証明概略)
O の点はいずれかの $O_\lambda$ の点であるから、あるε近傍が $O_\lambda$ に含まれ、その結果、O に含まれる。
(証明終了)

以上の性質の補集合を取ると、同様に、閉集合の性質も得られる。
この際、和集合や共通部分の補集合には、ド・モルガンの法則を使う。

ところで、ド・モルガンって、無限個でも使えるんだっけ?
使えるっぽいですね・・・

というわけで、

閉集合の性質
(1) $R^n$、$\phi$ は閉集合である。\[
R^n \in \mathfrak{A}, \phi \in \mathfrak{A}
\]
(2) 無限個の閉集合の共通部分は、閉集合である。\[
A_\lambda \in \mathfrak{A} \Rightarrow A = \bigcap_{\lambda \in \Lambda} A_\lambda \in \mathfrak{A}
\]
(3) 有限個の閉集合の和集合は、閉集合である。\[
A_1, \cdots, A_n \in \mathfrak{A} \Rightarrow A = A_1 \cup \cdots \cup A_n \in \mathfrak{A}
\]

ここで、「有限個」と「無限個」の修飾語句が逆になっていることに注意!
(ド・モルガンを使うと、共通部分と和集合が逆になることに起因している)

それにしても、漢字で「開」と「閉」は、ほんと紛らわしいですね!
昔のエレベーターに乗ると、ボタンが漢字でとっさにどっち押していいか分からん!
って話ありますよね(笑)

参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
ユークリッド空間 | コメント(0) | 2014/11/18 19:41

開集合・閉集合再論 (2)

前記事の松坂 [1] の定義で、触点閉包を考えてみます。

閉包(または触集合)(定義)
M の内部と境界の和集合を M の閉包、または触集合と呼び、
$\bar{M}$ または $M^a$ で表す。\[
\bar{M} = M^a = M^\circ \cup M^f
\]

触点(定義)
M の閉包に属する点を M の触点と呼ぶ。

$R^n$ は、内部・外部・境界に直和分割されるから、
触点とは「外点ではない点」である。

つまり、「補集合の内点ではない点」ということであるから、
任意の正数εに対して、\[
U(a, \varepsilon) \cap M \neq \phi
\]が成り立つような点 a である。

この性質は、以前の杉浦 [2] による定義に一致している。

M の点は必ず、M の触点であるから、\[
M \subset \bar{M}
\]

ここで、開集合・閉集合を定義する。

開集合(定義)\[
M = M^\circ
\]を満たす集合。

閉集合(定義)\[
M = \bar{M}
\]を満たす集合。

参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
[2] 杉浦光夫 「解析入門I」(東大出版会)
ユークリッド空間 | コメント(0) | 2014/11/18 12:57

開集合・閉集合再論 (1)

再び、松坂 [1] で、「位相」に挑戦してみようと思っています。
以前に読んでみようとしたけど、難しくて、
とりあえず、杉浦 [2] の解析で基礎知識を蓄えていたのでした。

松坂 [1] の開集合・閉集合あたりの定義が以前、杉浦 [2] に基づいて
記事にしたものと少し異なるので、
[1] の定義でおさらいしておきたいと思います。

まずは、$R^n$ における話です。

内点(定義)
点 a のあるε近傍が 集合 M に含まれる時、a を M の内点という。
あるεに対して、$U(a,\varepsilon) \subset M$。

内部(または開核)(定義)
M の内点全部の集合を M の内部、または開核と呼び、
$M^\circ$ または $M^i$ と表す。

M の内点はかならず、M の点であるから、\[
M^\circ \subset M
\]

外点(定義)
M の補集合 $M^c$ の内点を M の外点という。

外部(定義)
M の外点全部の集合を M の外部と呼び、$M^e$ で表す。\[
M^e = (M^c)^\circ = M^{ci}
\]

$M^\circ \subset M$、$M^e \subset M^c$ であるから、内部と外部は交わらない。\[
M^\circ \cap M^e = \phi
\]

境界点(定義)
M の内点でも外点でもない点を M の境界点と呼ぶ。

境界(定義)
M の境界点全部の集合を M の境界と呼び、 $M^f$ で表す。\[
M^f = R^n - (M^\circ \cup M^e)
\]

以上より、$R^n$ は、内部、外部、境界の直和となる。\[
R^n = M^\circ \cup M^e \cup M^f (直和)
\]

とても分かりやすい定義ですね!
次回、この定義に基づいて、以前に述べた触点や閉包について考えていきます。

参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
[2] 杉浦光夫 「解析入門I」(東大出版会)
ユークリッド空間 | コメント(0) | 2014/11/16 18:58
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