スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --:--

テンソルの行列表記

テンソルと行列はまったく別概念ですが、
2階のテンソルを行列で、1階のテンソル(ベクトル)を列ベクトルで表記
して計算することがよくありますよね。

そこで、この表記法をまとめてみました。

・・・といっても、どこかの本にまとめて掲載されていたのではなく、
我流で導出しているので、正しい保証はありません!
ご注意ください^^;

以下、青字がテンソル表記、赤字が行列表記、緑字が定義。


座標変換
\[
x'^\mu = \frac{\partial x'^\mu}{\partial x^m} x^m
\]
\[
x' = A x
\]
ただし、\[
(A)_{\mu m} \equiv \frac{\partial x'^\mu}{\partial x^m} \\
(x)_m \equiv x^m \\
(x')_\mu \equiv x'^\mu
\]


逆変換
xm = (∂'μ xm) xμ
x = A-1 x'
ただし、
(A-1) ≡ ∂'μ xm  

反変ベクトル
p'μ = (∂m x'μ) pm
p' = A p
ただし、
(p)m ≡ pm, (p')μ ≡ p'μ

共変ベクトル
p'μ = (∂'μ xm) pm
p' = (A-1)T p
ただし、
(p)m ≡ pm, (p')μ ≡ p'μ

反変テンソル
P'μν = (∂m x'μ) (∂n x'ν) Pmn
P' = A P AT
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

共変テンソル
P'μν = (∂'μ xm) (∂'ν xn) Pmn
P' = (A-1)T P A-1
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

混合テンソル
P'μν = (∂m x'μ) (∂'ν x'n) Pmn
P' = A P A-1
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

この計算法を使うと、簡単な縮約を行列で考えることも可能。

たとえば、
Pmn Qnk = Rmk

のような操作は、

P' = A P AT   (反変テンソル)
Q' = (A-1)T Q A-1  (共変テンソル)

R' = P' Q'
= (A P AT) ((A-1)T Q A-1)
= A P Q A-1
= A R A-1


と計算でき、混合2階テンソルの変換則を満たすことが分かります。
スポンサーサイト
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>テンソル | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/05/14 23:35

内積が不変という意味

ローレンツ変換は、ミンコフスキー内積を不変にする変換なので、
「内積が不変」とはどういうことかということをずっと考えていて、
この意味に2通りあることに気づきました。
それで、ちょっと混乱していたようで、そこが整理できると、すっきりしました!

まず、計量テンソル gmn を定義して、
その計量を用いた場合の内積 (x, y) というものを
\[
(x,y) = x^m g_{mn} y^n = x^m y_m
\tag{1}
\]
で定義します。
最後の等式には、計量テンソルによる降階を使っています。

これを別の座標系に座標変換したとすると、
(つまり、別の基底で見たとすると)
\[
(x',y') = x'^\mu g'_{\mu\nu} y'^\nu = x'^\mu y'_\mu
\tag{2}
\]
となります。

(1),(2)どちらの式もテンソルの縮約を使うと、スカラーになるので、
内積は、座標変換によらず不変ということになります。
\[
x^m g_{mn} y^n = x'^\mu g'_{\mu\nu} y'^\nu
\tag{3}
\]

これは、一般的なテンソルの性質だから、どんな座標変換に対しても、成立します。

どうなっているかというと、
座標変換をすると、x も y も成分が反変的に変化しますが、
それに対して、計量テンソルが共変的に変化してくれるように作られていて、
それぞれの変化が相殺して、内積は変化しないというわけです。

つまり、 g が g' に変化しているというところがミソなんですね!

ここで、
ローレンツ変換がミンコフスキー内積を不変にするというのは、
そういう意味での内積不変ではなくて、

g を g'にせず、g のまま用いても内積が変化しない

という意味なんです。

すなわち、
\[
x^m g_{mn} y^n = x'^\mu g_{\mu\nu} y'^\nu
\tag{4}
\]

(3)式と比べると、単に、g のプライム記号が取れただけです。
たった、これだけの違いですが、ここが混乱していると、理解できないですよね。

言い方を変えれば、共変的に変化した計量テンソルがそのままの形を保っている
つまり、$G = [ g_{mn} ]$などという行列を考えた時に、
\[
G = G'
\tag{5}
\]
となっているとも言えます。

例えば、ミンコフスキー計量ならば、
\[
G = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{6}
\]
ですが、これが変換後も
\[
G' = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{7}
\]
のままで、形が変わらないということですね。


だから、「変換によって、計量(テンソル)が不変である」と言った方が分かりやすいのかなあ。
こういう言い方が合ってるかどうか分かりませんが・・・

そして、このような内積不変性は、ミンコフスキー内積に対しては、
ローレンツ変換でしか成立しないことになります。

ここのところが分かったことでだいぶ理解が深まりました。
・・・って、普通そんなに混乱しないものなんだろうか???
数学>テンソル | コメント(0) | 2013/05/07 20:19

n次元図形の表裏

一般のローレンツ変換(ローレンツ群)について、理解を深めたいと思い、
あれこれ考えているうちに、興味がどんどん飛び火してしまい、

n次元空間上の図形にも、表と裏があるか?

という疑問がわいて、このところずっと調べてました(笑)

「表と裏」という表現が正しいかどうかは分かりませんが、
ここに至った経緯は次の通り。

ローレンツ変換は、ミンコフスキー内積を不変にする変換だから、
まずは、ユークリッド内積を不変にする変換を考えて、
それとのアナロジーで理解しようと思ったわけです。

ユークリッド内積(通常の内積)を不変にする変換というのは、
ATA = 1 を満たす直交行列で表される直交変換です。

要するに、ベクトルの長さとベクトル間の角度を変えない変換だから、
回転とか鏡映とかのような変換でしょう。

2次元だと、簡単に計算できて、確かに、回転変換か鏡映変換になります。
この2つは行列式が1か-1かで決まるのですが、

そういえば、一般の一次変換の場合でも、
変換後の図形の面積は、行列式倍されて、
行列式の値が負の場合は、図形が裏返しになる(つまり、鏡映操作が含まれる)
・・・と、高校で習った記憶がありましたね。

実際、どうして、そのようになるんだっけ?
と思い出しながら、2次元の場合は簡単な計算で理解することができました。

それでは、n次元の時はどうなるんだろう?
ということが気になり始め、
そもそも、n次元でも表裏という概念があるんだろうか?
という疑問に発展(笑)

2次元の場合は、
たとえば、「さ」という図形に鏡映変換を施すと、
「ち」という図形になるといったイメージですね。

3次元の場合は、「右手系」と「左手系」ということになるようです。
立体的に考えた場合、右手の形をいくら回転させても、
左手の形に一致させることはできないですよね。
一致させるには、必ず、鏡映変換が必要になります。
3次元の場合も、行列式が負の時に、右手系と左手系が入れ換わるようです。
(ちゃんとした計算はまだ追えてませんが・・・)

n次元の場合でも、「右手系」と「左手系」に相当するものがあるんだろうかと
調べてみたら、まだ断片的な知識しかありませんが、
どうやらありそうですね。

「有向体積」という概念があるらしく、
n次元体積にも向きがちゃんと定義できるようです。
その定義に、行列式が使用されているので、
やはり、行列式の正負でその向きが入れ換わりそうな感じです。

そういえば、n次元体積も変換によって、行列式倍されるというのは、
重積分の変数変換をする場合に、ヤコビ行列式として、出てきますよね。
そうそう、これもちゃんと理解したかったのでした。

それはそうと、この有向体積という概念、
3次元の場合は、ベクトル積に結び付けられますが、
ベクトル積は、行列式で表現できるんですよね。

そして、n次元の場合にも、ベクトル積は定義できるらしく、
それにも行列式が使われているようでした。

う~ん、この「有向体積」と「行列式」と「ベクトル積」の関係が
統一的に理解できると、すっきりするんだけどなあ・・・
と言いつつ、あんまり深みにはまってしまってもというのもあります^^;

とりあえず、n次元は置いておくことにして、
3次元の直交変換については、直交群として、
量子力学でも重要となってくるので、おさえておきたいなと思っているところです。

しかし、線形代数の幾何学的側面には、
今まで正直あんまり興味がわかなかったのですが、
結構、面白そうですね。
アフィン幾何学とかユークリッド幾何学、ちょっと勉強してみようかな・・・
って、結局ハマってるじゃないですか(笑)


この記事は、にわか勉強でかなりいい加減に雰囲気で書いていますので、内容注意です。

参考文献
岩堀 長慶 「線形代数学」(裳華房)
斉藤 正彦 「基礎数学1 線型代数入門」(東大出版会)
数学>テンソル | コメント(0) | 2013/05/01 00:12

計量テンソル

計量テンソルについて、まとめておきます。

定義

gmn = emen   共変
gmn = emen   反変
gmn = emen = δmn   混合

最後の混合形については、双対基底の定義から
必ず、クロネッカーのδになる。

対称性
実数ベクトルのみを考えると、
gmn = gnm
gmn = gnm
gmn = gnm

内積
計量テンソルが定義されると、
次のように、ベクトル同士の内積が計算できるようになる。

AB = Am em・ Bn en = Am gmn Bn
AB = Am em・ Bn en = Am gmn Bn
AB = Am em・ Bn en = Am δmn Bn = An Bn
AB = Am em・ Bn en = Am δmn Bn = An Bn

最後の2つは重要なので、再掲。
AB = An Bn = An Bn

昇階・降階
Am em = Ak ek
の両辺に、enを掛けると、
Am gmn = An   昇階

同様に、enを掛けると、
Am gmn = An   降階

というように、計量テンソルを使うと、添え字を自由に上げ下げできる。

また、上の2つの関係を見ると、昇階と降階は逆変換なので、
gmngmn は互いに逆行列の関係になっている。

・・・と、このぐらいで、
特殊相対論の範囲は大丈夫なんじゃないかと思っています。
一般相対論になると、共変微分とか曲率テンソルとか
いろいろややこしそうなのが出てきて、大変そうだけど・・・(汗)


参考文献
岡部洋一 講義資料「座標変換」
http://www.moge.org/okabe/temp/Riemann/index.html
数学>テンソル | コメント(0) | 2013/04/02 19:00

共変と反変 (2)

前回の記事で、「共変」と「反変」について、まとめてみましたが、
似たような数式だらけになってしまって、非常に見にくくなってしまったので(いつものこと・・・汗)、
もう一度、僕が理解している範囲で、エッセンスだけを抜き出してみたいと思います。
(あくまでも、僕の理解ですから、要注意・・・)

ベクトルの成分とは、基底で展開した係数のこと。

(ベクトル) = (成分1)×(基底1) + (成分2)×(基底2)+・・・

つまり、基底を決めてやれば、成分が決まる。

ここまではベクトルの一般的な話なので、よいとして・・・
ここで、基底を別の基底に変換することを考える。

例えば、基底を2倍に変換して、左辺のベクトルを保存するためには、
当然、成分を1/2にする必要があるであろう。

もっと一般的な場合でも、基底にある変換を施して、ベクトルを保存するためには、
成分にその逆変換を施す必要がある。

つまり、成分は、基底の逆の変換を受ける。
そこで、この成分をベクトルの「反変成分」と呼ぶ。



次に、もともとの基底に対して、新たに、双対基底という別の基底を導入する。

双対基底とは、このような条件を満足する基底。(・は内積を表す)

(基底1)・(双対基底1) =(基底2)・(双対基底2)=・・・= 1

(基底1)・(双対基底2)=(基底2)・(双対基底1)=・・・= 0

たとえば、(双対基底1)は、
(基底1)以外のすべての基底(基底2)、(基底3)・・・と直交する方向を持ち、
(基底1)との内積が1になるような大きさを持つ。


同様にして、(双対基底2)、(双対基底3)、・・・を順次作ることができる。



このような双対基底を作っておいて、
基底を別の基底に変換したら、双対基底はどのように変換されるかを考える。

(基底1)・(双対基底1) =(基底2)・(双対基底2)=・・・= 1

の内積の値が保たれなければならないから、
基底が2倍されたら、双対基底は1/2になるというように、

双対基底は、基底とは逆の変換を受けることが分かる。



ここで、今度は、双対基底に対して、ベクトルを展開してみる。

(ベクトル)= (成分1)×(双対基底1)+(成分2)×(双対基底2)+・・・

そして、基底の変換によって、この成分はどのような変換を受けるかを考えてみる。

前述の議論から、

成分は、双対基底の変換と逆の変換を受け・・・

その双対基底はというと、基底の変換と逆の変換を受けるので、

結局、この成分は、「逆の逆」ということで、
基底の変換と同じ変換を受けることになる。

そこで、この成分を「共変成分」と呼ぶ。



ここまでをまとめると・・・

基底に対して展開した成分   ・・・ 基底と逆の変換を受ける → 反変成分
双対基底に対して展開した成分 ・・・ 基底と同じ変換を受ける → 共変成分


なぜ、このところ、「共変」と「反変」のことばかり書いているのかというと・・・

実は、内山先生の「相対性理論」にあるこの記述、

或る物理量Aを反変ベクトルにより表すか、共変ベクトルを用いて表すかは、
そのときの都合で、どうでもよい。

(第II章 8節 テンソルの等式、和、差、積と縮約)

がよく理解できなかったからなのです。

ランダウ・リフシッツの「場の古典論」にも似たような記述があり、
結局、共変で表しても、反変で表しても、
どっちでもお好きなように・・・ってことのようなのです。

お好きなようにと言われても、
変換が真逆なんだから、本当にどっちでもいいんかいな?
と思って、まったく腑に落ちなかったわけなのですが、
ようやく、意味が分かりました。

基底で展開した成分で考えるのか、
それに双対な基底で展開した成分で考えるのか

の違いってことですね!
どっちで考えても、もとのベクトルは同じ。

そして、双対基底も基底の一つなのだから、
こちらを主たる基底と考えてしまえば、
もともとの基底は、それに双対な基底になります。

「双対」というのは、「相方」みたいな関係で、
相方は、自分にとっての相方だけど、
自分は、実は、相方にとっての相方ってことです(笑)

というわけで、双対基底の方を主たる基底にとってしまえば、
共変成分と呼んでいたものが反変成分になり、
反変成分と呼んでいたものが共変成分になる。


ってことで、どっちでもよいということになります!

というのが僕の理解したところ。

共変成分から反変成分、反変成分から共変成分へ変換するのは、
「計量テンソル」というものを導入すると、自在にできるようです。

次回は、計量テンソルについて。


参考文献
岡部洋一 講義資料「座標変換」
http://www.moge.org/okabe/temp/Riemann/index.html
数学>テンソル | コメント(0) | 2012/12/03 19:42

共変と反変

以前、「特殊相対論における共変と反変」の記事を書いた時に、
共変と反変について、少し勉強しましたが、
理解したことを冷めないうちにまとめておきます。。。

内容は主に、放送大学長の岡部洋一先生のページの「座標変換」の講義資料を参考にしています。
http://www.moge.org/okabe/temp/Riemann/index.html

座標変換を考える。
xm → xμ

以前の記事でも書いたように、
旧座標系を英文字、新座標系をギリシャ文字で表すことにする。

位置ベクトルの全微分 dx を新旧座標系の基底で表すと、
dx = dxm em = dxμ eμ   (1)

注1:基底は正規直交基底である必要はない。
注2:なぜ、微分を考えるかというと、
   一般相対論のような曲線座標では局所でしか考えられないから。

成分の変換則は、微分則から、
dxμ = ∂m xμ dxm
dxm = ∂μ xm dxμ  (2)

ここで、
m xμ ≡ ∂xμ / ∂xm
と定義する。

(2)を(1)に代入すると、
eμ = ∂μ xm em
em = ∂m xμ eμ   (3)

という基底の変換則が導かれる。

基底の変換則を基準に見ると、
dx の成分の変換則は基底の変換則と反対になっているので、
反変であるという。

一般のベクトル A についても、基底で分解すると、
A = Am em = Aμ eμ   (4)
となり、(1)と同様だから、Amは、反変成分となる。
Aμ = ∂m xμ Am
Am = ∂μ xm Aμ  (5)



では、共変とは何ぞやと言うと・・・
双対基底 em なるものを考える。

定義は、
emen = δnm  (6)
を満たすような em のこと。

双対基底の変換則はどうなるかというと・・・
変換後も、
eμeν = δνμ  (7)
が成立してなければならず、もとの基底の変換則(3)を用いると、
eμ = ∂m xμ em
em = ∂μ xm eμ   (8)
と、もとの基底の変換則と反対になっていることが分かる。

一般のベクトル A を双対基底で分解すると、
A = Am em = Aμ eμ   (9)

成分 Am の変換則は、
Aμ = ∂μ xm Am
Am = ∂m xμ Aμ  (10)

となり、元の基底の変換則(3)と同じになる。
そこで、これを共変であると呼ぶ。

ここまでをまとめると・・・

ある基底で表した成分は、基底の変換則と反対の変換則になる→反変成分

双対基底で表した成分は、基底の変換則と同じ変換則になる→共変成分


基底も「共変基底」、「反変基底」と呼ぶと分かりやすいと思うのですが、
教科書でそう呼んでいる例があまりないみたいです。
(ネットの記事ではよく使われているようなので、間違いではないと思うのですが・・・)

あともう一つ、便利な式(定義式(6)から直接導かれる)
Aem = Am
Aem = Am


それから、もともとの基底が正規直交基底の場合。
双対基底は、もとの基底と一致する!

というわけで、自分用にということで、
無駄をなるべく省いて、簡潔にまとめたかったのですが、
それでも、かなり長くなってしまいましたね。ふ~っ(汗)

計量テンソルについても、まとめておきたいのですが、次回。


参考文献
岡部洋一 講義資料「座標変換」
http://www.moge.org/okabe/temp/Riemann/index.html
数学>テンソル | コメント(0) | 2012/09/22 01:33

テンソルの縮約

テンソルについて、もう一つ押さえておきたいのが、縮約について。

上付きの添え字と下付きの添え字が同じになる成分の和を取ると、
その2つの添え字を消したテンソルと同じになる!


たとえば、Aμνλρというような4階の混合テンソルがあったとして、

μとλが同じになる成分の和を取ると・・・

Aμνμρ=Aνρ

というように、2階の混合テンソルとして扱える。
(μについて、和を取ることに注意!)

これは、すごく便利!

テンソルの変換則で確かめてみます。

もともとの4階テンソルの変換則は・・・
A’μνλρ = aμi aνj aλk aρl Aijkl

ブログで、あの偏微分記号を書くのは、分かりにくくてしかたがないので、
内山先生の教科書でローレンツ変換の係数に使っている記法を使いました。

aμi ≡ ∂xμ'/∂xi
aμi ≡ ∂xi/∂xμ'

(これらはテンソルではない)

λ=μにして和を取ると、

A’μνμρ = aμi aνj aμk aρl Aijkl

ここで、μのついているこの2つの係数だけを抜き出してみると、
aμi aμk = δki

となっていることが、偏微分表示に戻して計算してみるとすぐにわかる。
(偏微分書くのが面倒だから書かないけど・・・)

すると、
A’μνμρ = δki aνj aρl Aijkl

となり、
A’μνμρ = aνj aρl Aijil

となる。
この式は、下のような2階のテンソルの変換則と同等とみなせる。
A’νρ = aνj aρl Ajl

というわけで、縮約できることが示せました。

テンソルの積は、こんな感じで、やはりテンソルになることはすぐにわかるので、
Cμνλ ≡ Aμν Bλ

縮約を使って、ベクトルのスカラー積を定義できる。
C ≡ Aμ Aμ
数学>テンソル | コメント(0) | 2012/03/08 23:45

クロネッカーのデルタ

クロネッカーのデルタ

δμν = 1 (μ=ν) 
δμν = 0 (μ≠ν)


は、反変と共変の混合テンソルである。

なぜならば、ためしに、
S系におけるδik を1階共変・1階反変の混合テンソルの変換則で変換してみる。

つまり、
(∂xμ'/∂xi)(∂xk/∂xν')δik
を計算してみる。

(∂xμ'/∂xi)(∂xk/∂xν')δik
=(∂xμ'/∂xi)(∂xi/∂xν')
=(∂xμ'/∂xν')

となり、これは、明らかに、δ'μνであるから、
共変反変混合テンソルの変換則を満たす。

この性質は、ローレンツ変換に限らず、一般的な座標変換に対して、成り立つ。

それにしても、偏微分の式をブログで書くと、ほんとに見にくいですね。。。

参考文献:
内山龍雄「相対性理論」
数学>テンソル | コメント(0) | 2012/03/08 23:45

テンソル

相対論と言えば、テンソルですね!

やはり、初めはなかなかつかめず、難しかったです。
ようやく、少しずつつかめてきた気がしています。

ということで、まずはテンソルについて、自分なりに整理しておこうと思います。

とにかく、添え字がごちゃごちゃしてきて、混乱してしまうので、
かなり我流ですが・・・

座標系Sから座標系S’に変換することを考えるときに、

S系における添え字は、英文字(i, j, k, ...)
S’系における添え字は、ギリシャ文字(μ, ν, λ,...)

と決めてやることにしたところ、少し分かりやすくなった気がします。

このルールのもとに、テンソルの定義を書いてみます。

ある量Tを
S系(xi)からみたときの成分を ij...kl...
S’系(xμ')からみたときの成分を T’μν...λρ...
と書いたとき、

T’μν...λρ... 
= (∂xμ'/∂xi)(∂xν'/∂xj)・・・
   (∂xk/∂xλ')(∂xl/∂xρ')・・・Tij...kl...


という変換則で変換されるとき、Tをテンソルと呼ぶ。

上付きの添え字が反変成分、下付きの添え字が共変成分。

変換係数となっている微分の形が・・・
反変は、「新座標系/旧座標系」
共変は、「旧座標系/新座標系」

添え字が一つしかない場合がベクトルで、
Aμ反変ベクトル
Aμ共変ベクトル

と言っても、イメージがいまひとつわかない!

そこで、一般相対論に出てくるリーマン幾何学のような
非線形な変換はまだ理解できないので、置いておいて・・・

ここでは、特殊相対論のローレンツ変換を念頭において、
線形な座標変換に限ることにする。

そうすると、偏微分の形をした変換係数は、場所によらない定数になるので、
座標変換じたい

xμ' = (∂xμ'/∂xi) xi

と表せることになる。

こう書くと、反変ベクトルの変換則は、そもそも定義から
Aμ' = (∂xμ'/∂xi) Ai
のように書けるので、
座標成分自体が反変ベクトルになっていることが分かる。

つまり、座標成分そのものと同じように変換されるものが「反変」
と考えればいいってことになりそうですね。

これで、「反変」のイメージはわいたけど、「共変」のイメージがわかない!

共変は、微分演算がそうなるようです。

座標変換前後で変わらないスカラー量ξがあったとして、
iξ = ∂ξ/∂xi
と書くことにすると、

μ = ∂ξ / ∂xμ' 
= (∂xi / ∂xμ')(∂ξ / ∂xi
= (∂xi / ∂xμ')∂iξ


共変ベクトルの変換則は、
Aμ' = (∂xi/∂xμ') Ai
だから、確かに、微分の成分∂μは共変ベクトルになっていることが分かる。

というわけで、共変も反変も少しはイメージがつかめるようになりました。

参考文献:
内山龍雄「相対性理論」
数学>テンソル | コメント(0) | 2012/03/08 23:18
 | HOME | 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。