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∫ マックスウェルの変位電流

古典電磁気学の続き。

前回得られた静磁場の回転(rot)の式からスタート。
\[
\nabla \times {\bf B} = 4\pi k_2 \alpha {\bf j} \tag{1}
\]
この両辺の発散(div)を取ると、左辺は0になり、
\[
0 = 4\pi k_2 \alpha \nabla \cdot {\bf j} \tag{2}
\]

これは、前回の導出過程で、
定常電流 $\nabla \cdot {\bf j} = 0$ を仮定していたので、当然の結果である。

しかし、定常電流でない場合には、

電荷保存則
\[
\nabla \cdot {\bf j} + \frac{\partial \rho}{\partial t} = 0 \tag{3}
\]
を満たさなければならないので、(2)は、
\[
0 = 4\pi k_2 \alpha \left\{
\nabla \cdot {\bf j} + \frac{\partial \rho}{\partial t} \right\}
\tag{4}
\]
というように修正される必要がある。

ここで、以前に静電場の記事で得られた最終結果
\[
\nabla \cdot {\bf E} = 4\pi k_1 \rho \tag{5}
\]
を思い出すと、(4)は、
\[
0 = 4\pi k_2\alpha \nabla \cdot \left\{
{\bf j} + \frac{1}{4\pi k_1} \frac{\partial {\bf E}}{\partial t} \right\} \tag{6}
\]
と書きなおされるので、もとの(1)式は、
\[
\nabla \times {\bf B} = 4\pi k_2 \alpha {\bf j}
+ \frac{k_2\alpha}{k_1} \frac{\partial {\bf E}}{\partial t} \tag{7}
\]
と修正される。

この新たに追加された $\partial {\bf E}/\partial t$ の項は、マックスウェルの変位電流と呼ばれる。

あと3回ぐらいで、単位系に依存しないマックスウェル方程式が完成しそうかな。

参考文献
砂川重信 岩波物理テキストシリーズ「電磁気学」
J.D.Jackson Classical Electrodynamics
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物理>電磁気学 | コメント(0) | 2013/02/28 00:20

∫ 演算子の行列表現 (2)

前回の記事において、演算子 X として、
基底 |a> を固有ケットにもつエルミート演算子 A 自身を考えることにする。

行列要素は、
\[
\langle a'|A|a''\rangle = a' \delta_{a'a''} \tag{1}
\]
となるから、
演算子AをA自身の固有ケットで表現した表現行列は、対角行列となる。

ここで、
正規直交基底の完全性の式
\[
\sum_{a'} |a'\rangle\langle a'| = 1 \tag{2}
\]
を用いると、任意の演算子 X は、
\[
X = \sum_{a'} \sum_{a''} |a'\rangle\langle a'|X|a''\rangle\langle a''| \tag{3}
\]
と表せることが分かる。


演算子 X を A 自身とした場合は、(1)を代入すると、
\[
A = \sum_{a'} a' |a'\rangle \langle a'| \tag{4}
\]
となる。

この形は、結構便利!!!

参考文献
J.J. Sakurai "Modern Quantum Mechanics"
物理>量子力学 | コメント(0) | 2013/02/28 00:03

∫ 演算子の行列表現

半年ぶりですが、量子力学の続き。

「線形写像の行列表現」で書いた数学的手法を応用して、
量子力学における演算子を行列で表現します。

前記事の結論だけをもう一度書くと、

基底として正規直交基底を選んでおけば、線形写像Tは、
\[
a_{ij} = ( {\bf e'}_i, T{\bf e}_j )
\]
で定義される行列で表現できる。

ということでした。

エルミート演算子の固有ケットは、正規直交系をなすので、
これらの固有ケットを基底に取れば、上記の結果が使えるってわけです。

たとえば、エルミート演算子Aの固有ケット |a'>, |a''>,・・・ を用いて、
別の演算子 X を行列で表現することを考えると、

e'j → |a'>
ej → |a''>
T → X
に対応させてやると、
\[
x_{a'a''} = \langle a'|X|a'' \rangle
\]
という成分を持つ行列 X = [ xa'a'' ] で表現できることになる。


サクライ先生は、このことを正規直交基底の完全性の式だけを使って、
非常にシンプルに導出しています。
\[
\sum_{a'} |a'\rangle\langle a'| = 1
\]
は、恒等演算子だから、任意の場所に挿入できるので、
< α | X | β > という式に挿入してみると・・・
\[
\langle \alpha|X|\beta\rangle
= \sum_{a'} \sum_{a''} \langle \alpha | a' \rangle \langle a'|X|a'' \rangle\langle a''|\beta \rangle
\]

この式を・・・
\[
\langle \alpha|X|\beta\rangle
= \sum_{a'} \sum_{a''}
\left[ \langle \alpha | a' \rangle \right] \cdot
\left[ \langle a'|X|a'' \rangle \right] \cdot
\left[\langle a''|\beta \rangle \right]
\]
というように見てやると、

< α | a' >は、ベクトル<α| の a' 成分。
< a'' | β >は、ベクトル|β> の a'' 成分。

と見ることができて、

< a' | X | a'' >を行列 X の a'a''成分とみなすことにすると、

式全体は、
[行ベクトル α] × [行列 X] × [列ベクトル β]
と見ることができる!

なんてエレガントな導出法なんでしょう!!!

基底の完全性の式は、ほんとに魔法のようですね!
ディラックのブラケット表示がそれだけ素晴らしいということなんでしょうけど・・・

ところで、サクライ先生の教科書「現代の量子力学」には、
一言、こんな注釈が書かれています。

The operator is different from a representation of the operator
just as the actress is different from a poster of the actress.

「演算子」と「演算子の行列表現」とは別物である。
「女優」が「女優のポスター」とは別物であるように・・・

この例えがあまりにも分かりやすくて、思わず笑ってしまいましたよ(笑)

まあ、今どきなら・・・

2Dの女の子と3Dの女の子は違うんだよ!!!

と言った方が伝わるかもしれませんね!
・・・って、何の話だ、いったい!?(爆)



参考文献
J.J. Sakurai "Modern Quantum Mechanics"
物理>量子力学 | コメント(2) | 2013/02/05 23:43
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