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特殊直交群(回転群)

直交行列の条件
\[
A^TA = E
\]
の行列式を取ると、行列式の転置不変性から、
\[
{\rm det}A = \pm 1
\]

直交行列のうち、
det A = +1 のものが特殊直交行列
特殊直交群(回転群) SO(n)をなす。

やはり、群をなすことを確認。

(1)積が閉じている。
\[
{\rm det}(AB) = {\rm det}A\cdot {\rm det}B = 1
\]
より ABも特殊直交行列。

(2)結合律は自明。

(3)単位元は、単位行列 E。
\[
{\rm det}E = 1
\]

(4)逆元は、逆行列 A-1
\[
{\rm det}A^{-1} = ({\rm det}A)^{-1} = 1
\]

以前の記事でちょっと触れましたが、
n次元体積の向きが行列式の正負で決まるみたいなので、
det A = 1 は、向きが変わらない回転に相当して、
det A = -1 は、向きが変わる鏡映に相当するということなんでしょうね。

向きの話はいずれ、ちゃんと理解してみたいけど・・・


参考文献
岩堀 長慶 「線形代数学」(裳華房)
斉藤 正彦 「基礎数学1 線型代数入門」(東大出版会)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2013/05/15 19:14

直交群

「内積を不変にする変換」ということで、最も簡単なケースである
実空間におけるユークリッド内積を不変にする変換
すなわち直交変換をまず、考えてみようと思います。

ユークリッド内積は、
\[
(x,y) = x^Ty
\]
と書けるので、

内積を不変にする変換
\[
(Ax, Ay) = (x,y)
\]
は、
\[
(Ax)^T(Ay) = x^TA^TAy = x^Ty
\]
より、
行列Aに課せられる条件は、
\[
A^TA = E
\]
となる(直交行列)。

これが群をなすことを確かめてみます。

(1) 積が閉じている。
A, Bが直交行列ならば、
\[
(AB)^T(AB) = B^TA^TAB = B^TB = E
\]
となり、AB も直交行列。

(2) 結合律は、自明。

(3) 単位元は、単位行列 E。

(4) 逆元の存在。
\[
A^T = A^{-1}
\]
\[
((A^{-1})^T A^{-1} = (A^T)^T A^{-1} = AA^{-1} = E
\]
A-1も直交行列。

ということで、n次直交行列は直交群 O(n)をなす
ことが確認できました。


参考文献
岩堀 長慶 「線形代数学」(裳華房)
斉藤 正彦 「基礎数学1 線型代数入門」(東大出版会)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2013/05/15 00:21

テンソルの行列表記

テンソルと行列はまったく別概念ですが、
2階のテンソルを行列で、1階のテンソル(ベクトル)を列ベクトルで表記
して計算することがよくありますよね。

そこで、この表記法をまとめてみました。

・・・といっても、どこかの本にまとめて掲載されていたのではなく、
我流で導出しているので、正しい保証はありません!
ご注意ください^^;

以下、青字がテンソル表記、赤字が行列表記、緑字が定義。


座標変換
\[
x'^\mu = \frac{\partial x'^\mu}{\partial x^m} x^m
\]
\[
x' = A x
\]
ただし、\[
(A)_{\mu m} \equiv \frac{\partial x'^\mu}{\partial x^m} \\
(x)_m \equiv x^m \\
(x')_\mu \equiv x'^\mu
\]


逆変換
xm = (∂'μ xm) xμ
x = A-1 x'
ただし、
(A-1) ≡ ∂'μ xm  

反変ベクトル
p'μ = (∂m x'μ) pm
p' = A p
ただし、
(p)m ≡ pm, (p')μ ≡ p'μ

共変ベクトル
p'μ = (∂'μ xm) pm
p' = (A-1)T p
ただし、
(p)m ≡ pm, (p')μ ≡ p'μ

反変テンソル
P'μν = (∂m x'μ) (∂n x'ν) Pmn
P' = A P AT
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

共変テンソル
P'μν = (∂'μ xm) (∂'ν xn) Pmn
P' = (A-1)T P A-1
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

混合テンソル
P'μν = (∂m x'μ) (∂'ν x'n) Pmn
P' = A P A-1
ただし、
(P)mn ≡ Pmn, (P')μν ≡ P'μν

この計算法を使うと、簡単な縮約を行列で考えることも可能。

たとえば、
Pmn Qnk = Rmk

のような操作は、

P' = A P AT   (反変テンソル)
Q' = (A-1)T Q A-1  (共変テンソル)

R' = P' Q'
= (A P AT) ((A-1)T Q A-1)
= A P Q A-1
= A R A-1


と計算でき、混合2階テンソルの変換則を満たすことが分かります。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>テンソル | コメント(0) | トラックバック(0) | 2013/05/14 23:35

内積が不変という意味

ローレンツ変換は、ミンコフスキー内積を不変にする変換なので、
「内積が不変」とはどういうことかということをずっと考えていて、
この意味に2通りあることに気づきました。
それで、ちょっと混乱していたようで、そこが整理できると、すっきりしました!

まず、計量テンソル gmn を定義して、
その計量を用いた場合の内積 (x, y) というものを
\[
(x,y) = x^m g_{mn} y^n = x^m y_m
\tag{1}
\]
で定義します。
最後の等式には、計量テンソルによる降階を使っています。

これを別の座標系に座標変換したとすると、
(つまり、別の基底で見たとすると)
\[
(x',y') = x'^\mu g'_{\mu\nu} y'^\nu = x'^\mu y'_\mu
\tag{2}
\]
となります。

(1),(2)どちらの式もテンソルの縮約を使うと、スカラーになるので、
内積は、座標変換によらず不変ということになります。
\[
x^m g_{mn} y^n = x'^\mu g'_{\mu\nu} y'^\nu
\tag{3}
\]

これは、一般的なテンソルの性質だから、どんな座標変換に対しても、成立します。

どうなっているかというと、
座標変換をすると、x も y も成分が反変的に変化しますが、
それに対して、計量テンソルが共変的に変化してくれるように作られていて、
それぞれの変化が相殺して、内積は変化しないというわけです。

つまり、 g が g' に変化しているというところがミソなんですね!

ここで、
ローレンツ変換がミンコフスキー内積を不変にするというのは、
そういう意味での内積不変ではなくて、

g を g'にせず、g のまま用いても内積が変化しない

という意味なんです。

すなわち、
\[
x^m g_{mn} y^n = x'^\mu g_{\mu\nu} y'^\nu
\tag{4}
\]

(3)式と比べると、単に、g のプライム記号が取れただけです。
たった、これだけの違いですが、ここが混乱していると、理解できないですよね。

言い方を変えれば、共変的に変化した計量テンソルがそのままの形を保っている
つまり、$G = [ g_{mn} ]$などという行列を考えた時に、
\[
G = G'
\tag{5}
\]
となっているとも言えます。

例えば、ミンコフスキー計量ならば、
\[
G = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{6}
\]
ですが、これが変換後も
\[
G' = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{7}
\]
のままで、形が変わらないということですね。


だから、「変換によって、計量(テンソル)が不変である」と言った方が分かりやすいのかなあ。
こういう言い方が合ってるかどうか分かりませんが・・・

そして、このような内積不変性は、ミンコフスキー内積に対しては、
ローレンツ変換でしか成立しないことになります。

ここのところが分かったことでだいぶ理解が深まりました。
・・・って、普通そんなに混乱しないものなんだろうか???
数学>テンソル | コメント(0) | 2013/05/07 20:19

n次元図形の表裏

一般のローレンツ変換(ローレンツ群)について、理解を深めたいと思い、
あれこれ考えているうちに、興味がどんどん飛び火してしまい、

n次元空間上の図形にも、表と裏があるか?

という疑問がわいて、このところずっと調べてました(笑)

「表と裏」という表現が正しいかどうかは分かりませんが、
ここに至った経緯は次の通り。

ローレンツ変換は、ミンコフスキー内積を不変にする変換だから、
まずは、ユークリッド内積を不変にする変換を考えて、
それとのアナロジーで理解しようと思ったわけです。

ユークリッド内積(通常の内積)を不変にする変換というのは、
ATA = 1 を満たす直交行列で表される直交変換です。

要するに、ベクトルの長さとベクトル間の角度を変えない変換だから、
回転とか鏡映とかのような変換でしょう。

2次元だと、簡単に計算できて、確かに、回転変換か鏡映変換になります。
この2つは行列式が1か-1かで決まるのですが、

そういえば、一般の一次変換の場合でも、
変換後の図形の面積は、行列式倍されて、
行列式の値が負の場合は、図形が裏返しになる(つまり、鏡映操作が含まれる)
・・・と、高校で習った記憶がありましたね。

実際、どうして、そのようになるんだっけ?
と思い出しながら、2次元の場合は簡単な計算で理解することができました。

それでは、n次元の時はどうなるんだろう?
ということが気になり始め、
そもそも、n次元でも表裏という概念があるんだろうか?
という疑問に発展(笑)

2次元の場合は、
たとえば、「さ」という図形に鏡映変換を施すと、
「ち」という図形になるといったイメージですね。

3次元の場合は、「右手系」と「左手系」ということになるようです。
立体的に考えた場合、右手の形をいくら回転させても、
左手の形に一致させることはできないですよね。
一致させるには、必ず、鏡映変換が必要になります。
3次元の場合も、行列式が負の時に、右手系と左手系が入れ換わるようです。
(ちゃんとした計算はまだ追えてませんが・・・)

n次元の場合でも、「右手系」と「左手系」に相当するものがあるんだろうかと
調べてみたら、まだ断片的な知識しかありませんが、
どうやらありそうですね。

「有向体積」という概念があるらしく、
n次元体積にも向きがちゃんと定義できるようです。
その定義に、行列式が使用されているので、
やはり、行列式の正負でその向きが入れ換わりそうな感じです。

そういえば、n次元体積も変換によって、行列式倍されるというのは、
重積分の変数変換をする場合に、ヤコビ行列式として、出てきますよね。
そうそう、これもちゃんと理解したかったのでした。

それはそうと、この有向体積という概念、
3次元の場合は、ベクトル積に結び付けられますが、
ベクトル積は、行列式で表現できるんですよね。

そして、n次元の場合にも、ベクトル積は定義できるらしく、
それにも行列式が使われているようでした。

う~ん、この「有向体積」と「行列式」と「ベクトル積」の関係が
統一的に理解できると、すっきりするんだけどなあ・・・
と言いつつ、あんまり深みにはまってしまってもというのもあります^^;

とりあえず、n次元は置いておくことにして、
3次元の直交変換については、直交群として、
量子力学でも重要となってくるので、おさえておきたいなと思っているところです。

しかし、線形代数の幾何学的側面には、
今まで正直あんまり興味がわかなかったのですが、
結構、面白そうですね。
アフィン幾何学とかユークリッド幾何学、ちょっと勉強してみようかな・・・
って、結局ハマってるじゃないですか(笑)


この記事は、にわか勉強でかなりいい加減に雰囲気で書いていますので、内容注意です。

参考文献
岩堀 長慶 「線形代数学」(裳華房)
斉藤 正彦 「基礎数学1 線型代数入門」(東大出版会)
数学>テンソル | コメント(0) | 2013/05/01 00:12
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