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4元ポテンシャルに対する相対論的マックスウェル方程式 (2)

前回に求めた4元ポテンシャルに対するマックスウェル方程式にローレンツ条件を加えて、
ローレンツゲージにおけるマックスウェル方程式を記述してみます。

クーロンゲージは、ローレンツ共変ではないので、
4元形式では記述できません(たぶん)

まずは、前回の式。
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{1}
\]

ローレンツ条件は、
\[
\nabla \cdot {\bf A} + \frac{\alpha}{c^2}\frac{\partial\phi}{\partial t} = 0
\tag{2}
\]
でしたので、これを4元形式に書き換えます。

\[
A^\mu \equiv \left( \frac{\alpha}{c}\phi, {\bf A} \right)
\tag{3}
\]
を用いて書き直すと、ローレンツ条件(2)は、
\[
\partial_\mu A^\mu = 0
\tag{4}
\]
となります。

これを(1)に適用すると、マックスウェル方程式は、
\[
\Box A^\mu = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{5}
\]
という非常にすっきりした形に書き換えられます。

各種単位系を見ておきます。
MKSA(SI)
\[
\Box A^\mu = \mu_0 j^\mu
\tag{6.1}
\]
CGSガウス
\[
\Box A^\mu = \frac{4\pi}{c} j^\mu
\tag{6.2}
\]
HL
\[
\Box A^\mu = \frac{j^\mu}{c}
\tag{6.3}
\]

重要なことを書き忘れそうになりましたが、
ローレンツ条件の式(4)を見ると、
これ自身がローレンツ共変(スカラーだから、ローレンツ不変というべきでしょうか)に
なっていることがわかります。

このことは重要で、もし、そうなっていなければ、
他の座標系から見ると、ローレンツ条件が満足されないことになってしまい、
ローレンツ共変形のマックスウェル方程式は得られなくなってしまいますね。

クーロンゲージでも、電荷と電流がなければ、一般性を失わずに、
$\nabla\cdot{\bf A} = 0$ かつ $\phi = 0$ という条件をつけることができて、
ローレンツ条件 (2)も満足していることになりますが、
座標変換しても、この条件が保たれている保証はありません。
そこが、大きなポイントなんだなあと最近、気づきました。
(これは、我流の理解なので、間違っているかもしれませんが・・・)

参考文献
[1] 内山龍雄 「相対性理論」
[2] J.J.Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"

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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/24 13:13

いろもの物理学者 前野昌弘先生のページ

分かりやすい本をたくさん出版されている有名な先生ですが、
ネットで公開されている相対論の講義録がすごくわかりやすくて、
以前から参考にさせていただいてます。

琉球大学 前野昌弘 講義録のページ
にある2010年度版講義テキストです。

まだ、全部読めていませんが、何が本質かをきちんと文章で説明してくれているので、
とても分かりやすく、そして楽しく読めます!
範囲は特殊相対論だけですが、啓蒙書と違って、大学の講義資料なので、
きちんと数式も使って説明されており、相対論を理解したい人にお勧めだと思います。

今、相対論的力学の理解を深めようとして、いろいろな本をつまみ読みしているのですが、
どれもしっくりと来ていなくて、この講義録の説明が一番分かりやすいかなという気がします。

両面印刷される場合には、注意点が!
1ページ目の表紙だけは片面で独立に印刷して、
2ページ目から両面印刷しないと、左右のマージンが逆になってしまい、
ファイルに閉じたときに非常に見づらくなります。

同じサイトにある量子論の講義録も分かりやすそうなので、
時間があれば、拝読してみたいですね。
出版されている著書にも面白そうなものが多数あります。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/22 13:06

4元ポテンシャルに対する相対論的マックスウェル方程式 (1)

今度は、以前に求めた電磁ポテンシャルに対するマックスウェル方程式
\[
-\nabla^2\phi - k_3\frac{\partial}{\partial t}(\nabla\cdot{\bf A}) = 4\pi k_1\rho
\tag{1.1}
\]\[
\Box {\bf A} + \nabla \left( \nabla\cdot{\bf A} + \frac{\alpha}{c^2}\frac{\partial\phi}{\partial t} \right)
= 4\pi k_2\alpha {\bf j}
\tag{1.2}
\]
を相対論形式に書き換えていきます。

これら2つの式を統合したいわけなので、
(1.1)を(1.2)の形に近づけるように変形してみます。
\[
\Box \left( \frac{\alpha}{c}\phi \right)
- \frac{\partial}{\partial(ct)}
\left[ \nabla\cdot{\bf A} + \frac{\partial}{\partial(ct)}\left( \frac{\alpha}{c} \phi \right) \right]
= 4\pi k_2\alpha c\rho
\tag{2}
\]

ここで、電磁ポテンシャルをまとめて、4元ポテンシャルとして
\[
A^\mu \equiv \left( \frac{\alpha}{c}\phi, {\bf A} \right)
\tag{3}
\]
のように定義し、さらに、前回導入した4元電流ベクトル
\[
j^\mu = ( c\rho, {\bf j} )
\tag{4}
\]
を用いると、(3)と(1.2)は以下のようにまとめることができます。
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{5}
\]
これがポテンシャルに対して記述した相対論的なマックスウェル方程式となります。

ダランベール演算子は、
\[
\Box = \partial^\mu \partial_\mu
\tag{6}
\]
と表せるので、ローレンツ変換に対して不変のスカラーとなることに注意すると、
4元ポテンシャルが反変であることを仮定すれば、
マックスウェル方程式は、ローレンツ共変性を示すことがわかります。

というわけで、
マックスウェル方程式がすべての慣性系から同一に見えるという
マイケルソン・モーリーの実験結果が相対論によってうまく説明できたわけですね!

よく、こんなにうまくいくものだなあ・・・と思ってしまうのですが、
きっと、もともと、こちらの形の方が自然の本質を表していて、
それをスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルに
分けてしまったので、複雑になってしまうということなんでしょうね。

最後に、各種単位系におけるマックスウェル方程式を書いておきます。
MKSA(SI)
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \mu_0 j^\mu
\tag{7.1}
\]
CGSガウス
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \frac{4\pi}{c} j^\mu
\tag{7.2}
\]
HL
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \frac{j^\mu}{c}
\tag{7.3}
\]

次回は、ローレンツゲージに対するマックスウェル方程式を見ていこうと思います。

参考文献
[1] J.J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
[2] EMANの物理学
  http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/maxwell.html
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/21 12:39

4元電流

ようやく、相対論的電磁気学に入ります!

相対論的電磁気学は、相対論的力学より分かりやすいですね。
というのも、マックスウェル方程式は相対論でもそのまま成り立つから、
そのまま、4元形式に書き直していけばよいだけなので、
分かりやすいんです。
一方で、ニュートン力学はそのままでは成り立たないから、
どこかで考え方を修正しなければいけないので、難しく感じますね。
(いまいち、力学の方はまだちゃんと理解できないでいます・・・汗)

せっかくなので、単位系に依存しない形式で係数を残したまま、
相対論形式に書き換えていこうと思っていますが、
係数を残したバージョンは、どの教科書にも載っていないので、
正しい保証はまったくありません!

(それはおろか、できるかどうかも分かりませんが・・・)

まずは、マックスウェル方程式の電荷と電流に関する2式。
\[
\nabla \cdot {\bf E} = 4\pi k_1 \rho
\tag{1.1}
\]\[
\nabla \times {\bf B} - \frac{k_2\alpha}{k_1} \frac{\partial {\bf E}}{\partial t} = 4\pi k_2\alpha {\bf j}
\tag{1.2}
\]

(1.2)の発散を取って、(1.1)を使うと、以下の電荷保存則(連続の方程式)が出ます。
\[
\frac{\partial \rho}{\partial t} + \nabla\cdot{\bf j} = 0
\tag{2}
\]

電荷保存は、マックスウェル方程式の中に内在しているんですね。
もともと、そうなるように、マックスウェルの変位電流の項が追加されたのでしたが・・・

この電荷保存則を4元形式に書き換えます。
\[
\partial_{ct}(c\rho) + \partial_x j_x + \partial_y j_y + \partial_z j_z = 0
\tag{3}
\]

ここで、4元電流を以下のように定義すると(厳密には電流密度)
\[
j^\mu = ( c\rho, {\bf j} )
\tag{4}
\]
電荷保存則は、
\[
\partial_\mu j^\mu = 0
\tag{5}
\]
と表せます。

この時、
\[
\partial_\mu \equiv \frac{\partial}{\partial x^\mu}
\tag{6}
\]
は共変ベクトルになるから、4元電流が反変ベクトルであれば、
(5)の左辺は縮約によりスカラーとなり、
座標変換しても、電荷保存則は成立することになります。
つまり、ローレンツ共変性を持つことになります。

どの系から見ても電荷は保存しなければならないという経験的要請から、
4元電流は反変ベクトルであると考えられます。


電流密度の時間成分に電荷密度が現れるというのは
奇妙に感じてしまうんですが、そうすると、うまくいくんですね・・・

[1] 内山龍雄 「相対性理論」

ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/18 12:50

一般のローレンツ変換

相対論的電磁気学に入る前に、
特殊相対論の基本となる一般のローレンツ変換の基礎事項をまとめておきたいと思います。

前には、x軸方向の特殊なローレンツ変換に関する式しか書いてませんしたので・・・
と言っても、一般方向に対するローレンツ変換の具体的な式を導くのは面倒なので、やりません。
抽象的な一般論的な式だけを書いておきたいと思います。


まずは、4元座標の定義から。

時間 t と空間 (x, y, z) をまとめて、以下のように表します。

\[
x^\mu = ( x^0, x^1, x^2, x^3 ) = ( ct, x, y, z )
\tag{1}
\]
時空上の一点(世界点)をこの座標で表すわけですね。
添字が上付きなのは、テンソルの記事(数式で書いた記事イメージを描いた記事)でやったように、
反変ベクトルであることを表しています。

これを別の慣性系から見た場合の座標に変換したものを
\[
x'^\mu = ( x'^0, x'^1, x'^2, x'^3 ) = ( ct', x', y', z' )
\tag{2}
\]
と書くことにして、座標変換を
\[
x'^\mu = a^\mu{}_\nu x^\nu
\tag{3}
\]
と書くことにします。
ここで、アインシュタインの記法を用いているので、
2度以上出てくる添え字νについては和を取ることに注意。

一般に、原点は一致するとは限りませんが、
簡単のために、一致するように原点を選ぶことにします。

特殊相対論によれば、光速度はどの慣性系から見ても同じであるから、
一致した原点から放射された光は、どちらの慣性系から見ても、
半径 ct の球面となって進むことになります。

というわけで、以下の量
\[
s^2 \equiv (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2
\tag{4}
\]
が等しくなるはず。

ここで、以下のように定義されるミンコフスキー計量$G = [ g_{\mu\nu} ]$を導入すると、
\[
G = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]

式(4)の量は、
\[
s^2 = g_{\mu\nu} x^\mu x^\nu = x^\mu x_\mu
\tag{6}
\]
と表されます。

つまり、ローレンツ変換とは、このミンコフスキー計量が保存される変換ということになります。
(内積の不変性に関する以前の記事を参照)

再度、丁寧にやってみると、(6)の量が不変ということは、
\[
g_{\mu\nu} x'^\mu x'^\nu = g_{\rho\lambda} x^\rho x^\lambda
\tag{7}
\]
と書き表せます(わざと左辺と右辺で添え字を変えてあります)

(3)を代入して、
\[
g_{\mu\nu} ( a^\mu{}_\rho x^\rho )( a^\nu{}_\lambda x^\lambda ) = g_{\rho\lambda} x^\rho x^\lambda
\tag{8}
\]
両辺の係数を比較すると、
\[
g_{\mu\nu} a^\mu{}_\rho a^\nu{}_\lambda = g_{\rho\lambda}
\tag{9}
\]

行列表記を用いると、$A = [ a^\mu{}_\nu ]$として、
\[
A^T G A = G
\tag{10}
\]

以前に、内積を保存する変換として求めた条件式と一致してますね。

最後に、ミンコフスキー計量を使った場合の共変成分と反変成分の関係を見ておきます。
\[
A_\mu = g_{\mu\nu} A^\nu
\tag{11}
\]
だから、
\[
A_0 = A^0 \\
A_i = - A^i \ (i=1,2,3)
\tag{12}
\]
時間成分はそのままで、空間成分は符号が変わるだけです。

というわけで、これで準備OK!
次回は、今度こそ本当に、相対論的電磁気学に入ります!

参考文献
[1] 内山龍雄「相対性理論」

ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/15 18:47
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