FC2ブログ

電磁場テンソルに対するマックスウェル方程式 (2)

前回得られたマックスウェル方程式
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = 4\pi k_2\alpha j^\nu
\tag{1}
\]
は、当然と言えば当然ですが、
電磁ポテンシャルに関するマックスウェル方程式からも簡単に導けます。

電磁ポテンシャルと電磁場テンソルの関係は、
\[
f_{\mu\nu} = \partial_\mu A_\nu - \partial_\nu A_\mu
\tag{2}
\]

反変で表現すると、
\[
f^{\mu\nu} = \partial^\mu A^\nu - \partial^\nu A^\mu
\tag{3}
\]

(1)の左辺は、
\[
\begin{array}{lll}
\partial_\mu f^{\mu\nu}
&=& \partial_\mu \partial^\mu A^\nu
- \partial_\mu \partial^\nu A^\mu \\
&=& \Box A^\nu - \partial^\nu (\partial_\mu A^\mu)
\end{array}
\]

電磁ポテンシャルで記述したマックスウェル方程式
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{4}
\]
を思い出すと、(1)式が導かれます。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/12/13 13:40

電磁場テンソルに対するマックスウェル方程式 (1)

久しぶりに、相対論の続きを・・・

以前、4元ポテンシャルに対するマックスウェル方程式
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{1}
\]
を導きましたが、今度は、電磁場テンソル
\[
f^{\mu\nu} = \left[
\begin{array}{cccc}
0 & -\alpha E_x/c & -\alpha E_y/c & -\alpha E_z/c \\
\alpha E_x/c & 0 & -B_z & B_y \\
\alpha E_y/c & B_z & 0 & -B_x \\
\alpha E_z/c & -B_y & B_x & 0
\end{array}
\right]
\tag{2}
\]
で表現したマックスウェル方程式を導いていきます。

つまり、非相対論でいうところの一般的なマックスウェル方程式
\[
\nabla \cdot {\bf E} = 4\pi k_1 \rho
\tag{3.1}
\]\[
\nabla \times {\bf B} - \frac{k_2\alpha}{k_1} \frac{\partial {\bf E}}{\partial t}
= 4\pi k_2\alpha {\bf j}
\tag{3.2}
\]\[
\nabla \cdot {\bf B} = 0
\tag{3.3}
\]\[
\nabla \times {\bf E} + k_3\frac{\partial {\bf B}}{\partial t} = 0
\tag{3.4}
\]
を相対論形式で書き改めようという話です。

まず、(3.1)式から料理してみます。
\[
\partial_x E_x + \partial_y E_y + \partial_z E_z = 4\pi k_1 \rho
\]
両辺に、α/c を乗ずると、
\[
\partial_x \frac{\alpha E_x}{c}
+ \partial_y \frac{\alpha E_y}{c}
+ \partial_z \frac{\alpha E_z}{c}
= \frac{4\pi k_1\alpha}{c} \rho
\]

4元電流ベクトルと電磁場テンソルの成分で表記すると、
\[
\partial_1 f^{10} + \partial_2 f^{20} + \partial_3 f^{30}
= \frac{4\pi k_1\alpha}{c^2} j^0
\]
となります。
ここで、$f^{00} = 0$ であることと、$k_1 = c^2 k_2$ を使うと、
\[
\partial_\mu f^{\mu 0} = 4\pi k_2\alpha j^0
\tag{4}
\]
と書けます。

とすると、添字0の時だけではなくて、ひょっとしたら、他の成分についても
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = 4\pi k_2\alpha j^\nu
\tag{5}
\]
って感じに書けるのではないかと・・・想像できるわけです。

たとえば、$\nu = 1$の時に、この式がどういうことを意味するのか、
書き下してみることにします。
\[
\partial_\mu f^{\mu 1} = 4\pi k_2\alpha j^1
\tag{6}
\]
\[
-\partial_{ct} \frac{\alpha E_x}{c}
+ \partial_y B_z - \partial_z B_y
= 4\pi k_2 \alpha j_x
\]
\[
(\nabla\times{\bf B})_x - \frac{\alpha}{c^2} \frac{\partial E_x}{\partial t}
= 4\pi k_2\alpha j_x
\]

同様に、$ν=2,3$の場合からは、y,z成分が出てきて、(3.2)式に一致する。

結局、まとめると、
(3.1)(3.2)式を相対論的に表記したものが(5)式
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = 4\pi k_2\alpha j^\nu
\tag{5}
\]
といういこと。

各種単位系で記述すると、
SI
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = \mu_0 j^\nu
\]
CGS Gauss
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = \frac{4\pi}{c} j^\nu
\]
H-L
\[
\partial_\mu f^{\mu \nu} = \frac{j^\nu}{c}
\]
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/12/11 12:43

フーリエ級数展開

続いて、フーリエ級数展開の式を導きます。

まず、区分的に滑らかで、2πの周期性を持つ関数
\[
f(x) = f(x+2\pi)
\tag{1}
\]
を考えます。

これが、フーリエ基底を用いて、無限級数で展開できると仮定します。
\[
f(x) \sim \sum_{n=-\infty}^\infty a_n u_n(x)
\tag{2}
\]
すなわち、
\[
f(x) \sim \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \sum_{n=-\infty}^\infty a_n e^{inx}
\tag{2'}
\]

ここで、フーリエ基底が完全系をなすかどうかは分からないし、
無限級数が収束するかどうかも現時点では分からないので、
あくまでも展開可能だと仮定しただけという意味で、
「=」ではなく、「~」を用いています。

次に、このフーリエ係数 an の具体的な形を求めていきます。

そのために、さらに、無限級数は項別積分可能であると仮定します。
この仮定は、発見法的に、係数の形を見つけるために用いるだけで、
最終的に、この展開係数で級数展開可能かどうかという証明には用いません。

つまり、とりあえず素性のよい関数の場合は、
どんな係数になるかというあたりを付けておこうという話です。

f(x) と un(x) の内積を取ると、項別積分可能性を用いて、
\[
(u_n, f) \sim \left(u_n, \sum_k a_k u_k \right) = \sum_k a_k (u_n, u_k)
\tag{3}
\]
となります。

前記事で、フーリエ基底は正規直交性を示すことを確認したので、
\[
(u_n, u_k) = \delta_{nk}
\tag{4}
\]
であるから、(3)式の右辺は、an となり、
結局、フーリエ係数は、
\[
a_n \sim (u_n, f) = \int_{-\pi}^\pi u_n^*(x) f(x) dx
\tag{5}
\]
すなわち、
\[
a_n \sim \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \int_{-\pi}^\pi f(x) e^{-inx} dx
\tag{5'}
\]
となることが分かります。

ただし、現時点では、これは上記の仮定が成立した場合の話。

そこで、今度は、フーリエ係数(5')を
\[
a_n \equiv \frac{1}{\sqrt{2\pi}} \int_{-\pi}^\pi f(x) e^{-inx} dx
\tag{6}
\]
というように定義として考えて、これによるフーリエ級数
\[
S_n(x) = \sum_{k=-n}^n a_k u_k(x)
\tag{7}
\]
が$n\rightarrow \infty$の時に、
\[
S_n(x) \rightarrow \frac{1}{2}\{ f(x+0) + f(x-0) \}
\tag{8}
\]
に収束することを証明していくことにします。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>フーリエ解析 | コメント(0) | 2013/12/06 12:56

フーリエ基底

いもむしさんに有意義なコメントをいただいたおかげで、
フーリエ級数の論理の流れがだいぶ明確になってきましたので
さっそく、始めてみたいと思います。

とりあえず、フーリエ級数展開の基底について。

\[
u_n(x) = \frac{1}{\sqrt{2\pi}} e^{inx}
\tag{1}
\]
で表される基底 { un } (n=0,±1,2,...,∞) が正規直交基底となることを確認します。

内積は、以下で定義します。
\[
( f, g ) = \int_{-\pi}^\pi f^*(x) g(x) dx
\tag{2}
\]

基底同士の内積を取ると、
\[
(u_m, u_n) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^\pi e^{i(n-m)x} dx
\tag{3}
\]

m≠n ならば、
\[
( u_m, u_n )
= \frac{1}{2\pi} \left[ \frac{e^{i(n-m)x}}{i(n-m)} \right]_{-\pi}^\pi
= 0
\]

m=n ならば、
\[
(u_m, u_n) = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^\pi dx = 1
\]

以上より、
\[
(u_m, u_n) = \delta_{mn}
\tag{4}
\]
となり、正規直交性を示すことが分かります。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>フーリエ解析 | コメント(0) | 2013/12/05 12:53

フーリエ級数の証明手順

フーリエ級数が正しく元の関数を再現するという証明の手順が
おおよそ分かってきたので、まず、その流れを概観しておこうと思います。

まず、証明に入る前に、任意の周期的関数 f(x) を
フーリエ級数展開で表すところについて。

フーリエ基底が正規直交系をなすことを確認。

正規直交性から、フーリエ級数展開の係数を求めます。

この時、級数の項別積分をすることになるので、
一様収束性が前提されていなければならないのですが、
ここでは仮に前提しておいて、係数を求めます。

こうして、与えられたf(x)に対するフーリエ級数展開が求められます。

ここまでが証明以前の準備。
ここからが証明の本編。

仮に求めた係数を使ったフーリエ級数が元の関数に正しく収束するか
証明することになります。

元の関数としては、「区分的になめらか」という条件をつけます。
有限個の点で不連続であっても構わないが、
そこでの片側微分が発散しないという条件。

証明に必要な準備として・・・

区分的連続な関数に対して、リーマン・ルベーグの補題を証明。
ここが「区分的になめらか」でよければ少し楽なのですが、
フーリエ級数の証明に使うには、
「区分的に連続」という弱めの条件で証明しておくことが必要。

それから、ディリクレ核の概念を導入。
いくつかの性質を証明。
ディリクレ核は、級数の部分和の形をしていて、
N→∞でデルタ関数のふるまいをするようなもの。
つまり、積分値を一定に保ったまま、ピークが先鋭化していくというようなもの。

最後に、これらの準備をもとに、本丸である
元の関数からフーリエ級数を引き算したものがN→∞で、ゼロに収束する
ということを証明。

この時、元の関数に不連続点がある場合を考慮して、
\[
\frac{f(x+0) + f(x-0)}{2}
\]
に収束することを証明します。
(連続点においては、上記は明らかに、f(x)に等しい)

これが各点収束になるのか、
不連続点での値を上記のように置くことで、一様収束とみなせるのか、
そこのところは、まだよくわかりません・・・

いずれにせよ、初めに仮に係数を求めたときに、一様収束を仮定して求めましたが、
求めた係数から逆に収束することを証明できたので、
実際には一様収束でなくても、問題はないと思っています。

以上が証明の概観です。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>フーリエ解析 | コメント(6) | 2013/12/02 22:36
« Prev | HOME |