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積分公式 ∫ x^n exp(-ax) dx

この記事で用いた積分公式の証明です。

公式
Re a > 0 とする。
\[
\int_0^\infty x^n e^{-ax} dx = \frac{n!}{a^{n+1}}
\tag{1}
\]

証明
部分積分を使うのも一案ですが、別の方法で証明してみます。

まずは、以下の積分を考える。
\[
\int_0^\infty e^{-ax} dx
= \left[\frac{e^{-ax}}{-a} \right]_0^\infty
= \frac{1}{a}
\tag{2}
\]
両辺を a で n 回微分する。
\[
\int_0^\infty (-x)^n e^{-ax} dx
= \frac{(-n)(-n+1)\cdots(-1)}{a^{n+1}}
\]
よって、
\[
(-1)^n \int_0^\infty x^n e^{-ax} dx
= (-1)^n \frac{n!}{a^{n+1}}
\]
となり、証明したい式が得られる。

(証明終了)


ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>公式 | コメント(0) | 2014/02/26 19:16

電磁場中の荷電粒子の正準運動量

電磁場中の荷電粒子の正準運動量
\[
{\bf p} = m{\bf v} + \frac{e}{c}{\bf A}
\tag{1}
\]
の物理的意味について考察します。

完全に我流な解釈なので、ご注意ください!

一見、eA/c という妙な付加項がついていて、何だろう?と思うのですが、
電磁場が空間的に一様である場合を仮定すると、
意味が分かりやすくなります。

すなわち、静電場は存在しないとして、
さらに、磁場も存在しないとします。

通常の強度の電磁波で、通常の速度の電荷が磁場から受ける力は弱く、
さらに、長波長の電磁波だと、空間的な電場の変化も無視できるので、
わりと妥当な想定だと思われます。

電磁場が一様であると仮定して、EL方程式を立ててみると、
\[
\frac{d{\bf p}}{dt} = m\frac{d{\bf v}}{dt} + \frac{e}{c}\frac{d{\bf A}}{dt} = 0
\tag{2}
\]
ここで、
\[
\frac{d\bf A}{dt} = \frac{\partial {\bf A}}{\partial t}
\tag{3}
\]
だから、(2)式は、
\[
\frac{d{\bf p}}{dt} = m\frac{d{\bf v}}{dt} - e{\bf E} = 0
\tag{4}
\]
となります。この電場の項を右辺に移せば、
\[
m\frac{d{\bf v}}{dt} = e{\bf E}
\tag{5}
\]
単純に、電場から力を受けている状態を示す運動方程式ですね。

つまり、(4)式は、
「電場の影響を織り込んだ運動量」が
電場以外の外力がないため、保存している

という様子を表しているように読めます。

ここでいう正準運動量とは、
「電場の効果が織り込まれた運動量」のようなイメージになりそうです。

もちろん、「正準運動量」という概念は、正準変換や正準量子化との関係で
もっと深い抽象的な概念であることは承知していますが、
今回のケース限定では、具体的にこういうイメージを持つとイメージしやすいかなと思っています。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2014/02/26 12:29

電磁場中の荷電粒子のハミルトニアン

前回のラグランジアンからハミルトニアンを作っていきます。

ラグランジアンからハミルトニアンを作るには、
こちらの記事でみたとおり、
\[
H = {\bf p}\cdot{\bf v} - L
\tag{1}
\]
とすればよい。

ラグランジアンは、
\[
L = \frac{m}{2}{\bf v}^2 - e\phi + \frac{e}{c}{\bf v}\cdot{\bf A}
\tag{2}
\]

一般化運動量は、
\[
{\bf p} = m{\bf v} + \frac{e}{c}{\bf A}
\tag{3}
\]
これを v について逆に解いて、
\[
{\bf v} = \frac{1}{m}\left( {\bf p} - \frac{e}{c}{\bf A} \right)
\tag{4}
\]
(2)と(4)を(1)に代入して、整理すると、ハミルトニアンの表式ができあがる。
\[
H = \frac{1}{2m}\left({\bf p}-\frac{e}{c}{\bf A}\right)^2 + e\phi
\tag{5}
\]

このハミルトニアンに、再び(4)を代入してみると、
\[
H = \frac{m}{2}{\bf v}^2 + e\phi
\tag{6}
\]
となるから、期待通り、
「運動エネルギー+位置エネルギー」となっていることが分かる。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2014/02/26 00:48

電磁場中の荷電粒子のラグランジアン

「電磁場のラグランジアン」ではありません。
厳密にいうと・・・
電磁場中を運動する荷電粒子の古典的運動を支配するラグランジアンです。

比較的最近まで、この両者を混同してました^^;

「電磁場のラグランジアン」というのは、
場の理論で出てくるのですが、
オイラー・ラグランジュ(EL)方程式を立てた時に、
それがマックスウェル方程式になるようなもの。


このラグランジアンから
ハミルトニアンを作ると、
電磁場自体のエネルギーが出てきます。

(真空中でも存在するエネルギー)

・・・というのが今のところの僕の理解。
(ちゃんと理解してないので、間違ってるかもしれません)

一方、今回扱おうとしているラグランジアンは、
EL方程式を立てると、ローレンツ力による運動方程式になるようなもの。
ハミルトニアンを作ると、荷電粒子の持つエネルギーが出てきます。

全然、違いますよね!
でも、これ混同していた人、僕だけじゃないんじゃないかな?
結構分かりにくいんですよね。

これ区別しておかないと、
場の量子論で、光と物質の相互作用を考える時に、
粒子のハミルトニアンと電磁場のハミルトニアンが両方合わさったものが出てきて、
なんのこっちゃ?となるんですよ(汗)

前置きが長くなりました。

今回は、いきなり天下りで恐縮なのですが、
電荷 +e の荷電粒子の電磁場(φ, A)中のラグランジアンは以下のようになります。
\[
L = \frac{m}{2}{\bf v}^2 - e\phi + \frac{e}{c}{\bf v}\cdot{\bf A}
\tag{1}
\]
単位系はへヴィサイド・ローレンツです(CGSでも同じ)。

ローレンツ力のニュートン方程式から変形を重ねて、
ラグランジアンを推測していく方法もあるんだとは思いますが、
面倒なので、天下りで与えたラグランジアンからEL方程式を立てて、
ニュートン方程式になることを確認することにします。

こういうラグランジアンを初めに考える人は偉いですね!(笑)

まずは、一般化(正準)運動量を求める。
\[
p_x = \frac{\partial L}{\partial v_x} = mv_x + \frac{e}{c}A_x
\]
などから、
\[
{\bf p} = m{\bf v} + \frac{e}{c}{\bf A}
\tag{2}
\]
となる。
力学的運動量 $m{\bf v}$ に対して、$e{\bf A}/c$ という付加項がつく。

次に、一般化力を計算。x 成分は・・・
\[
\frac{\partial L}{\partial x}
= -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
+ \frac{e}{c} \left[
v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_y}{\partial x}
+ v_z \frac{\partial A_z}{\partial x}
\right]
\tag{3}
\]

x 成分に対するEL方程式
\[
\frac{dp_x}{dt} = \frac{\partial L}{\partial x}
\tag{4}
\]
を立てると、
\[
\frac{d}{dt}\left( mv_x + \frac{e}{c}A_x \right)
= -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
+ \frac{e}{c} \left[
v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_y}{\partial x}
+ v_z \frac{\partial A_z}{\partial x}
\right]
\tag{5}
\]

ここで、右辺の d/dt は粒子の運動に沿った変化ということを考慮して、
粒子の位置が変化することによるポテンシャル A の変化も考えなければならない。
\[
\frac{dA_x}{dt}
= v_x \frac{\partial A_x}{\partial x}
+ v_y \frac{\partial A_x}{\partial y}
+ v_z \frac{\partial A_x}{\partial z}
+ \frac{\partial A_x}{\partial t}
\tag{6}
\]
これを用いると、(5)式は
\[
m\frac{dv_x}{dt} = -e\frac{\partial \phi}{\partial x}
- \frac{e}{c} \frac{\partial A_x}{\partial t}
+ \frac{e}{c} \left[
v_y \left(\frac{\partial A_y}{\partial x} - \frac{\partial A_x}{\partial y} \right)
- v_z \left(\frac{\partial A_x}{\partial z} - \frac{\partial A_z}{\partial x} \right)
\right]
\tag{7}
\]
と変形できる。
電磁場のポテンシャル表現
\[
{\bf E} = -\nabla\phi - \frac{1}{c} \frac{\partial {\bf A}}{\partial t}
\tag{8.1}
\]\[
{\bf B} = \nabla \times {\bf A}
\tag{8.2}
\]
を用いると、(7)式は、
\[
m\frac{dv_x}{dt} = e E_x + \frac{e}{c} ({\bf v}\times{\bf B})_x
\tag{9}
\]
他の成分についても同様に計算すると、
\[
m\frac{d{\bf v}}{dt} = e {\bf E} + \frac{e}{c}{\bf v}\times{\bf B}
\tag{10}
\]
となり、ローレンツ力によるニュートンの運動方程式が正しく得られることが確認できた。
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2014/02/25 18:51

水素原子の電離 (4)

これまでの結果。

束縛状態 m から連続状態 k への単位時間あたりの遷移確率
\[
w = \frac{2\pi}{\hbar}|\langle k|H'|m \rangle|^2 \rho(k)
\tag{1}
\]
終状態(自由電子)k の状態密度
\[
\rho(k) = \frac{\mu L^3}{8\pi^3\hbar^2} k\sin\theta d\theta d\phi
\tag{2}
\]
水素原子の基底状態 m から自由電子状態 k への遷移行列要素
\[
\langle k|H'|m \rangle = -\frac{32\pi ie E_0 k a_0^5 \cos\theta}{(\pi a_0^3 L^3)^{1/2}(1+k^2a_0^2)^3}
\tag{3}
\]

以上をまとめると、
水素原子から単位時間に(θ, φ)方向に電離する確率は、
\[
w = \frac{256\mu k^3 e^2 E_0^2 a_0^7}
{\pi\hbar^3(1+k^2a_0^2)^6} \cos^2\theta
\times \sin\theta d\theta d\phi
\tag{4}
\]

立体角は、 $\sin\theta d\theta d\phi$ であるから、
単位立体角あたりの電離確率は、cos2θに比例する。

電場のk方向成分は cosθとなるから、
遷移振幅が cosθに比例しているのは
自然な結果である。

というわけで、長々と計算してきましたが、
ようやく電場振動モデルによる水素原子の電離の計算はこれで終了。


参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
時間依存摂動論 | コメント(0) | 2014/02/25 17:33
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