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ルジャンドル陪関数 (1)

しばらく、ルジャンドル多項式を深めようと思っていましたが、
ちょっと先を急ぎますので、ルジャンドル陪関数に入ることにします。

定義
\[
P_l^m(x) \equiv \frac{1}{2^ll!}(1-x^2)^{m/2} \frac{d^{l+m}}{dx^{l+m}}(x^2-1)^l
\tag{1}
\]

$(x^2-1)^l$ は 2l 次の多項式だから、m の範囲は、$-l\leq m \leq l$

m = 0 の時は、ルジャンドル多項式のロドリグ公式に一致するので、
\[
P_l^0(x) = P_l(x)
\tag{2}
\]

m ≧ 0 の時は、
\[
P_l^m(x) = (1-x^2)^{m/2} \frac{d^m}{dx^m}P_l(x)
\tag{3}
\]
x に -x を入れると、微分のところだけ符号が反転するので、l+m のパリティを持つ。
\[
P_l^m(-x) = (-1)^{l+m}P_l^m(x)
\tag{4}
\]

l, m の小さいものを具体的に書く。
\[
P_0^0(x) = P_0(x) = 1
\]\[
P_1^0(x) = P_1(x) = x
\]\[
P_1^1(x) = \sqrt{1-x^2}
\]\[
P_1^{-1}(x) = -\frac{1}{2}\sqrt{1-x^2}
\]\[
P_2^0(x) = P_2(x) = \frac{1}{2}(3x^2-1)
\]\[
P_2^1(x) = 3x\sqrt{1-x^2}
\]\[
P_2^2(x) = 3(1-x^2)
\]\[
P_2^{-1}(x) = -\frac{1}{2}x\sqrt{1-x^2}
\]\[
P_2^{-2}(x) = \frac{1}{8}(1-x^2)
\]

m が負のものを具体的に例示している文献があまりなくて、
計算結果をチェックできなかったので、間違っているかもしれません。

ちなみに、Wikipedia[2]では、$P_1^1(x)$ などにマイナスがついているのですが、
どうやら、$(-1)^m$ の係数をつけて定義しているようです。


参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
[2] Associated Legendre polynomials - Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Associated_Legendre_polynomials
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
ルジャンドル陪関数 | コメント(0) | 2014/03/20 12:29

隕石の威力

先日、ニュースで・・・
恐竜絶滅の原因が隕石衝突による酸性雨と海洋酸性化であることを
千葉工業大のチームが実験で確かめることに成功したと報道していました。

隕石落下による寒冷化が原因という説は昔から有名ですが、
隕石が落下したとされるユカタン半島の硫黄成分による
硫酸の酸性雨によって、海洋生物も死滅したという説のようです。
レーザーを使って、疑似的な環境を実験室で作り出して、確かめたようですね。

非常に興味深いニュースですね。
詳しくは、千葉工大のプレスリリース[1]を参照。

で、そのニュースでは、
隕石の衝突によるエネルギーは原爆の10億倍と言っていて、
そんなに莫大なエネルギーなのかと驚きました。
(はじめ、16倍と聞き違えておりましたが・・・^^;)

というわけで、簡単に計算できそうなので、計算してみました。

隕石の直径は d = 10 (km) 半径は r = 5 (km)
落下速度は v = 20 (km/s)

隕石の密度は、参考文献[2]のサイトによると、
隕石の種類によって、4 g/cm3 か 8 g/cm3 程度だそうです。
ユカタン半島に落ちた隕石の材質は分からないので、
とりあえずは、ρ = 4 (g/cm3) としておきます。

これをもとに、隕石の質量を計算すると、
\[
m = \frac{4\pi}{3}r^3\rho \simeq 2 \times 10^{15} ({\rm kg})
\]

運動エネルギーは、
\[
E = \frac{m}{2}v^2 = 10^{23} ({\rm J})
\]

一方、参考文献[3]によると、
広島の原爆で 55 TJ、長崎の原爆で 84 TJ ですから、
オーダーとして、100 TJ = 1014 J とすると、
隕石のエネルギーは、原爆の 109倍、すなわち10億倍。

なるほど・・・
そんなに莫大なエネルギーだったのですね。
それならば、生物が絶滅してもおかしくないですね・・・


参考文献
[1] 千葉工業大 プレスリリース
http://www.it-chiba.ac.jp/topics/press24.pdf
[2] 流星物理教室
http://www5e.biglobe.ne.jp/~shibaya/fireballs/physics/dencity.htm
[3] エネルギーの比較 (Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83

ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>古典力学 | コメント(0) | 2014/03/16 16:50

ルジャンドル多項式 (6)

また、ルジャンドル多項式の続き。

もともと、輻射場による遷移の選択則を見ておこうという目的で、
ルジャンドル多項式の復習を始めたのですが、
乗り掛かった舟なので、もう少しつっこんでみたいと思います。

小野寺先生の本[1]では、下図のように、
母関数からスタートして諸性質を示していくスタイルですが、
他の道筋もいろいろあるようです。

LegnedreScheme01.png

他の本を参考に、いろいろな道筋を見てみると、
理解が深まるかなと思っています。

今回は、参考文献[2]を参考に、
微分方程式からロドリグの公式を導きます。

微分方程式
\[
(1-x^2) \frac{d^2y}{dx^2} - 2x \frac{dy}{dx} + n(n+1)y = 0
\tag{1}
\]
関数
\[
v(x) \equiv (x^2-1)^n
\tag{2}
\]
を定義して、一回微分すると、
\[
v'(x) = 2nx(x^2-1)^{n-1}
\tag{3}
\]
となるから、v は微分方程式
\[
(1-x^2)v' + 2nxv = 0
\tag{4}
\]
の解である。
これをライプニッツ則を用いて、さらに n+1 回微分する。
第一項の微分が
\[
(1-x^2)v^{(n+2)} - 2(n+1)xv^{(n+1)} - 2\frac{n(n+1)}{2}v^{(n)}
\]
第二項の微分が
\[
2nxv^{(n+1)} + 2n(n+1)v^{(n)}
\]
であるから、整理すると、
\[
(1-x^2)v^{(n+2)} - 2xv^{(n+1)} + n(n+1)v^{(n)} = 0
\tag{5}
\]
となり、$v^{(n)}$ は、微分方程式 (1) の解である。

つまり、
\[
y = a \frac{d^n}{dx^n}(1-x^2)^n
\tag{6}
\]
(1)は線形な方程式なので、任意の係数 a がかかる。

係数は微分方程式からは決められないが、
ロドリグの公式が導かれた。


参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
[2] 神部 勉「偏微分方程式」(理工学者が書いた数学の本シリーズ)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
ルジャンドル多項式 | コメント(0) | 2014/03/16 15:12

E = mc^2

めんどくさい計算ばかりやってて、少々疲れたので、
久しぶりに、特殊相対論の続きを。

えっと、どこまでやったかな?
頭がなかなか切り替わりませんね(笑)

相対論的な運動方程式を導いたところでしたね。
\[
\frac{dp^i}{dt} = F^i
\tag{1}
\]

ここから、おなじみの $E=mc^2$ へと進もうと思います。

まず、4元加速度と4元速度は直交するというところから。
(これは、4元速度のノルムが一定であるという性質からくる)
\[
a^\mu u_\mu = 0
\tag{2}
\]
書き直すと、
\[
\frac{du^\mu}{d\tau} \frac{dx_\mu}{d\tau} = 0
\tag{3}
\]
m を乗じると、
\[
\frac{dp^\mu}{d\tau} \frac{dx_\mu}{d\tau} = 0
\tag{4}
\]
この式は微小時刻(固有時で) dτ だけ経過後の微小変化が
\[
dp^\mu dx_\mu = 0
\tag{5}
\]
となっていることを意味する。
時間成分と空間成分に分離して表記すると、
\[
c dp^0 dt = \sum_i dp^i dx^i
\tag{6}
\]
(時間と空間を分けた時点で、 i の上下に意味はない)
さらに、
\[
d(cp^0) = \sum_i \frac{dp^i}{dt} dx^i
\tag{7}
\]
と変形して、ここで、運動方程式 (1) を用いる。
\[
d(cp^0) = \sum_i F^i dx^i
\tag{8}
\]
ここまでくると、式の意味が分かりやすくなって、
右辺は、外力 F によって与えられた仕事を表す。

ということは、左辺はエネルギーの変化と見ることができて、
\[
E = cp^0 + {\rm Const.}
\tag{9}
\]
と考えることができる。

4元運動量の成分は、
\[
p^\mu = ( \gamma mc, \gamma m{\bf v})
\tag{10}
\]
だったから、
\[
E = \gamma mc^2 + {\rm Const.}
\tag{11}
\]
となる。

ここで、ニュートン的な運動エネルギーとの関係を調べるために、
光速に比べてゆっくりな場合 (v << c) を考えてみる。
\[
\gamma = \left( 1 - \frac{v^2}{c^2} \right)^{-1/2} \sim 1 + \frac{1}{2}\frac{v^2}{c^2}
\tag{12}
\]
と近似できるから、
\[
E = mc^2 + \frac{1}{2}mv^2 + {\rm Const.}
\tag{13}
\]
となる。

第2項に、ニュートン的な運動エネルギーの項が現れている。

一方、第1項は、静止していても現れる項であり、静止エネルギーと呼ばれる。

エネルギー原点の Const.の部分は、ゼロとおけば、(9)より
\[
p^0 = \frac{E}{c}
\tag{14}
\]
となり、エネルギーを c で割ったものが4元運動量の時間成分になり、
エネルギーを運動量と合わせて、ローレンツ共変な4元ベクトルとして表せるので、
大変、都合がよい。
そこで、Const.=0 とおくと、
\[
E = \gamma mc^2
\tag{15}
\]
となる。
光速に比べてゆっくりな場合は、
\[
E = mc^2 + \frac{1}{2}mv^2
\tag{16}
\]
となり、静止していても、
\[
E = mc^2
\tag{17}
\]
の静止エネルギーが存在することになる。
というわけで、おなじみの式が導けました!

ただし、前野先生のテキスト[2]によれば、ここまでは単に、
エネルギー原点をかさ上げしただけのことで、
本当に面白いのは、「どんなエネルギーも質量と関係してくる」
というところなんだそうです。

確かに、エネルギーの原点なんて任意に決められるわけで、
位置エネルギーの原点を地表面に決めたら、
我々のエネルギーはほぼゼロだけど、
モホロビチッチ不連続面(地殻とマントルの境界)に決めれば、
地表面にいるだけで、莫大な位置エネルギーを有することになるわけで、
エネルギー原点をどこに取るかはそんなに意味がないですね。

むしろ、エネルギーが増えれば、質量も増える
エネルギーが減れば、質量も減る
というところが面白いんですね。

このことは、前野先生のテキストに従って、
非弾性衝突の思考実験を考えると、分かりやすいので、
次回、これについて考えてみたいと思います。

ところで、なんとなく、久しぶりに特殊相対論の記事を書きましたが、
これを書いていた3月14日は、奇しくもアインシュタインの誕生日でしたね!


参考文献
[1] 内山龍雄「相対性理論」(岩波物理テキストシリーズ)
[2] 前野昌弘 相対論2010年度講義録
  http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel2010/tokushu.pdf
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2014/03/13 19:29

ルジャンドル多項式 (5)

こういう計算はあんまり面白くないし、
飽きてきて、疲れますね!はあ・・・
まあ、思い出す意味でもう少し頑張ります。。。

直交性
\[
\int_{-1}^1 P_m(x) P_n(x) dx = \frac{2}{2n+1} \delta_{mn}
\tag{1}
\]

証明
母関数を使って、
\[
\sum_m\sum_n t^m s^n
\int_{-1}^1 P_m(x) P_n(x) dx \\
= \int_{-1}^1
\frac{1}{\sqrt{1-2tx+t^2}}
\frac{1}{\sqrt{1-2sx+s^2}} dx
\tag{2}
\]

右辺を計算するのに、
\[
\int \frac{dx}{\sqrt{a-x}\sqrt{b-x}}
= -2 \log(\sqrt{a-x} + \sqrt{b-x})
\tag{3}
\]
という公式を使うとのこと(積分定数は省略)

これをきちんと左から右へはどう積分したらいいのか分かりません。
右を微分したら、左になることは確認できました。
(ここでは省略しますが)

この公式で、
\[
a = \frac{1+t^2}{2t}
\tag{4}
\]\[
b = \frac{1+s^2}{2s}
\]
とおけば、(2)が計算できる。
右辺は、
\[
\frac{1}{\sqrt{ts}} \log
\frac{\sqrt{a+1}+\sqrt{b+1}}{\sqrt{a-1}+\sqrt{b-1}}
\]
(4)を代入すると、
\[
\frac{1}{\sqrt{ts}} \log
\frac{(1+t)/\sqrt{2t} + (1+s)/\sqrt{2s}}
{(1-t)/\sqrt{2t} + (1-s)/\sqrt{2s}} \\
= \frac{1}{\sqrt{ts}} \log
\frac{(1+t)\sqrt{s} + (1+s)\sqrt{t}}
{(1-t)\sqrt{s} + (1-s)\sqrt{t}} \\
= \frac{1}{\sqrt{ts}} \log
\frac{1+\sqrt{ts}}{1-\sqrt{ts}}
\tag{5}
\]

これをべき級数に展開する・・・んだそうで、
めんどくさいですが・・・
\[
\log\frac{1+x}{1-x} = \log(1+x) - \log(1-x)
\tag{6}
\]
より、それぞれをテイラー展開して、
\[
\log(1+x) = \sum_{n=1}^\infty (-1)^{n-1}\frac{x^n}{n}
\tag{7}
\]\[
\log(1-x) = -\sum_{n=1}^\infty \frac{x^n}{n}
\]
となるから、
\[
\log\frac{1+x}{1-x} = \sum_{n=1}^\infty \{(-1)^{n-1}+1\} \frac{x^n}{n}
\tag{8}
\]
奇数項だけが残り、
\[
\log\frac{1+x}{1-x} = 2 \sum_{n=0}^\infty \frac{x^{2n+1}}{2n+1}
\tag{9}
\]
となる。
これを (5) に適用すると、結局、(2)の右辺は、
\[
\sum_{n=0}^\infty \frac{2}{2n+1} t^ns^n
\tag{10}
\]
となるから、(2)の左辺と比較することにより、(1)が得られる。

(証明終了)

いやあ、直交多項式や特殊関数関係の計算は、
計算力維持のためのよい訓練になりますね(^^;


参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
ルジャンドル多項式 | コメント(0) | 2014/03/12 19:44
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