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密度演算子の時間発展

密度演算子の時間発展について。

\[
\rho \sum_i w_i |\alpha^{(i)}\rangle \langle\alpha^{(i)}|
\tag{1}
\]
アンサンブル内のそれぞれの状態の混合割合 $w_i$ は変化せず、
各状態のみがシュレディンガー方程式に従って、時間発展する場合を考える。

\[
\frac{\partial \rho}{\partial t}
= \sum_i w_i \left[
\left( \frac{\partial}{\partial t}|\alpha^{(i)}\rangle \right) \langle\alpha^{(i)}|
+ |\alpha^{(i)}\rangle \frac{\partial}{\partial t} \langle\alpha^{(i)}|
\right]
\tag{2}
\]

時間依存シュレディンガー方程式を用いて、書き換えると、
\[
i\hbar\frac{\partial \rho}{\partial t}
= \sum_i w_i \left[
H|\alpha^{(i)}\rangle \langle\alpha^{(i)}|
- |\alpha^{(i)}\rangle \langle\alpha^{(i)}|H
\right]
\tag{3}
\]
すなわち、以下のフォン・ノイマンの式を得る。
\[
i\hbar \frac{\partial\rho}{\partial t} = -[\rho, H]
\tag{4}
\]
ハイゼンベルク描像における演算子の時間発展の式と似ているが、
マイナス符号がつく。

この符号の問題は、ρは観測量の演算子ではなく、
時間発展するシュレディンガー描像的な状態ベクトルから作られることに起因している。

また、(4)式は、古典論におけるリウヴィルの定理と全く同じ形をしているので、
量子リウヴィル方程式とも呼ばれる。

リウヴィルの定理は、まだちゃんと勉強してないので、
またいずれ勉強したいと思います。

参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」

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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/22 01:12

密度演算子 (3)

サクライ[1]には載ってないのですが、
少し偏ったスピンの混合アンサンブルの例についても考えてみます。

|+> が 3/4, |-> が 1/4 混合されている場合。

密度行列は、
\[
\rho = \frac{3}{4} |+\rangle \langle+|
+ \frac{1}{4} |-\rangle \langle-|
= \frac{1}{4} \left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{1}
\]

Sz の統計平均は、
\[
[S_z] = \frac{3}{4}\times \frac{\hbar}{2}
+ \frac{1}{4} \times \left( -\frac{\hbar}{2} \right)
= \frac{\hbar}{4}
\tag{2}
\]
となるはずであるが、そうなるかどうか確認してみる。
\[
\rho S_z = \frac{1}{4} \cdot \frac{\hbar}{2}
\left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
= \frac{\hbar}{8}
\left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]
\[
[S_z] = {\rm tr}(\rho S_z) = \frac{\hbar}{4}
\tag{4}
\]

上の例では、
基底に取った固有状態の混合アンサンブルに対して、
その固有状態に関する演算子の統計平均を求めるケースですが、
この場合は、直感的に分かりやすいですね。

一般化すると、密度行列は、
\[
\rho = \left[
\begin{array}{ccc}
w_1 & & 0 \\
& w_2 & \\
0 & & \ddots
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]
演算子は、
\[
A = \left[
\begin{array}{ccc}
a_1 & & 0 \\
& a_2 & \\
0 & & \ddots
\end{array}
\right]
\tag{6}
\]
と、どちらも対角化された形になるので、
\[
{\rm tr}(\rho A) = w_1a_1 + w_2a_2 + \cdots
\tag{7}
\]
となり、確かに統計平均になっています。

参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」

ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/21 22:59

密度演算子 (2)

密度演算子の例を考える。

スピン 1/2 系を考えて、
z 方向上向き |+> 、下向き |-> の固有状態を基底に取る。
\[
|+\rangle = \left[
\begin{array}{c}
1 \\
0
\end{array}
\right]
\tag{1.1}
\]\[
|-\rangle = \left[
\begin{array}{c}
0 \\
1
\end{array}
\right]
\tag{1.2}
\]

例1 z 方向上向き |+> の純粋アンサンブル。
基底となる固有状態の一つだけからなる純粋アンサンブルの例。
\[
\rho = |+\rangle \langle+|
= \left[
\begin{array}{c}
1 \\
0
\end{array}
\right]
[1 0]
= \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 0
\end{array}
\right]
\tag{2}
\]
その固有状態に対応する対角成分だけが1になっている。

例2 x 方向上向きまたは下向き |Sx±> の純粋アンサンブル。
基底となる固有状態でない状態の純粋アンサンブルの例。
\[
|S_x\pm\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}(|+\rangle \pm |-\rangle)
= \frac{1}{\sqrt{2}} \left[
\begin{array}{c}
1 \\
\pm 1
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]
\[
\rho = |S_x\pm\rangle \langle S_x\pm|
= \frac{1}{2}
\left[
\begin{array}{c}
1 \\
\pm 1
\end{array}
\right]
[ 1 \pm 1 ]
= \frac{1}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & \pm 1 \\
\pm 1 & 1
\end{array}
\right]
\tag{4}
\]
今度は、非対角成分も現れてきている。

例3 z 方向上向き・下向き 50% ずつの混合アンサンブル。
基底となる複数の固有状態の混合アンサンブルの例。
\[
\rho = \frac{1}{2}|+\rangle \langle+|
+ \frac{1}{2}|-\rangle \langle-|
= \frac{1}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]

この状況は、x 方向においても、上向き・下向きが 50% ずつ混合されている
とも考えられる。
すなわち、
\[
\rho = \frac{1}{2}|S_x+\rangle \langle S_x+|
+ \frac{1}{2}|S_x-\rangle \langle S_x-|
\tag{6}
\]
を計算すると、同じ密度行列が得られると予想されるが、
実際に、(4)の計算結果を利用して上式を計算すると、
(5)と同じ行列が得られる。

$\rho = I/2$ ( I は単位行列)だから、Sz の統計平均
\[
[ S_z ] = {\rm tr}(\rho S_z) = \frac{1}{2}{\rm tr}S_z = 0
\tag{7}
\]
ここで、
\[
S_z = \frac{\hbar}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{8}
\]
を用いた。

スピン上向き、下向きが 50% ずつ含まれるので、Sz の統計平均は0となる。

Sx, Sy についても同様に、
\[
[ S_x ] = [ S_y ] = 0
\tag{9}
\]
となる。
これについては、スピン演算子 Sx, Sy の行列表現を忘れてしまったので、
思い出してから確認しようと思います。


参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/21 01:23

密度演算子 (1)

純粋状態 $\{|\alpha^{(i)}\rangle\}$ の混合アンサンブルを考える。
これらの状態は、規格化されているものとするが、
直交していなくてもよいし、完全系である必要もない。

アンサンブル中の $|\alpha^{(i)}\rangle$ の占める割合を $w_i$ とする。
\[
\sum_i w_i = 1
\tag{1}
\]

演算子 A による測定を行った時の統計平均値 $[ A ]$ は、
\[
[ A ] = \sum_i w_i \langle A \rangle
= \sum_i w_i \langle \alpha^{(i)} |A| \alpha^{(i)}\rangle
\tag{2}
\]
状態 $|\alpha^{(i)}\rangle$ における期待値は、
\[
\langle \alpha^{(i)} |A| \alpha^{(i)}\rangle
= |\langle a'|\alpha^{(i)}\rangle|^2 a'
\tag{3}
\]
と表されるから、
\[
[ A ] = \sum_i w_i |\langle a'|\alpha^{(i)}\rangle|^2 a'
\tag{4}
\]

(2)を一般の基底系 $\{|b'\rangle\}$ で表現すると、
\[
[ A ]
= \sum_i w_i \sum_{b'} \sum_{b''}
\langle \alpha^{(i)} | b' \rangle
\langle b'| A | b'' \rangle
\langle b'' | \alpha^{(i)}\rangle
\]

順番を入れ替えると、
\[
[ A ]
= \sum_{b'} \sum_{b''}
\left( \sum_i w_i
\langle b'' | \alpha^{(i)}\rangle
\langle \alpha^{(i)} | b' \rangle
\right)
\langle b'| A | b'' \rangle
\tag{5}
\]

ここで、以下で定義された密度演算子を導入する。
\[
\rho \equiv \sum_i w_i |\alpha^{(i)}\rangle \langle \alpha^{(i)}|
\tag{6}
\]
そうすると、(5)は、
\[
[ A ]
= \sum_{b'} \sum_{b''}
\langle b'' | \rho | b' \rangle
\langle b'| A | b'' \rangle
\tag{7}
\]
となり、
\[
[ A ] = {\rm tr} (\rho A)
\tag{8}
\]
と表される。

\[
\rho^\dagger = \sum_i w_i |\alpha^{(i)}\rangle \langle \alpha^{(i)}| = \rho
\tag{9}
\]
であるから、密度演算子はエルミートである。
また、
\[
\begin{array}{lll}
{\rm tr}\rho &=& \sum_{b'} \sum_i
w_i \langle b'| \alpha^{(i)} \rangle
\langle \alpha^{(i)} | b' \rangle \\
&=& \sum_{b'} \sum_i
w_i \langle \alpha^{(i)} | b' \rangle
\langle b'| \alpha^{(i)} \rangle \\
&=& \sum_i w_i \langle \alpha^{(i)} | \alpha^{(i)} \rangle \\
&=& 1
\end{array}
\tag{10}
\]

参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/20 19:50

量子論的アンサンブル

量子論的なアンサンブル密度演算子について勉強中。

サクライ[1]のスピンの例を使った説明がすごく分かりやすいです!

たとえば、
スピンの方向がランダムに分布したような集団を考える。
これに対して、z方向にスピンを測定すると、
50%の確率でスピン上向き、
50%の確率でスピン下向き

と測定されるであろう。

しかし、この状態は、
\[
|\alpha\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}|+\rangle +\frac{1}{\sqrt{2}}|-\rangle
\tag{1}
\]
とは明確に異なる。なぜなら、(1)は、
x 方向のスピン演算子 $S_x$ の一つの固有状態を表しているので、
すべてのスピンが完全に x 方向に揃った状態を表しているのであって、
決して、統計的にランダムに分布していることを表しているわけではない。

このようなもの(純粋アンサンブル)と区別するために、
いろいろな量子状態が古典的に重ね合わされた
混合アンサンブルという概念を導入する。

古典的な混合なので、位相という概念もなく、
インコヒーレントな混合である。

サクライ先生の例が分かりやすくて、
学生をランダムに選ぶとき、
男子である確率が50%、女子である確率が50%
といったようなイメージである。

これに対して、

Whoever heard of a student referred to as
a coherent linear superposition of male and female
with a particular phase relation?


と書かれていて、やっぱり、サクライ先生おもろいですね(笑)

次回は、この概念をもとに、密度演算子を導入していきます。

参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/20 19:16
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