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フェルミ粒子 (3)

個数演算子 $N_k$ を対角化した表示(N表示)を考える。
簡単のために、k で表される状態が一つだけの場合を考え、添え字を省略する。
\[
N = a^\dagger a
\tag{1}
\]
反交換関係から、
\[
a^\dagger a + aa^\dagger = 1
\tag{2.1}
\]\[
a^2 = a^\dagger{}^2 = 0
\tag{2.2}
\]
N の固有値は、0と1のみであるから、
演算子 N の N表示は、
\[
N = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]この時、それぞれの固有状態は
\[
|0\rangle = \left[
\begin{array}{c}
1 \\ 0
\end{array}
\right],
\hspace{2cm}
|1\rangle = \left[
\begin{array}{c}
0 \\ 1
\end{array}
\right]
\tag{4}
\]
次に、$a$ や $a^\dagger$ の N表示を求めたい。

どうやるのかな・・・と思っていたら、
これは、シッフ[1]上巻の演習問題になっていて、[2]に解答が掲載されていました。
成分計算して、力技でやるようです(笑)
\[
a = \left[
\begin{array}{cc}
p & q \\
r & s
\end{array}
\right]
\hspace{2cm}
a^\dagger = a^*{}^T = \left[
\begin{array}{cc}
p^* & r^* \\
q^* & s^*
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]とおくと、(1)、(3) より
\[
\left[
\begin{array}{cc}
p^* & r^* \\
q^* & s^*
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{cc}
p & q \\
r & s
\end{array}
\right]
=
\left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{6}
\]\[
|p|^2 + |r|^2 = 0
\tag{7.1}
\]\[
|q|^2 + |s|^2 = 1
\tag{7.2}
\]\[
p^*q + r^*s = 0
\tag{7.3}
\]
(7.1) より、 $ p = r = 0 $ で、(7.3) は自動的に満たされる。
(7.2) の条件付きで、
\[
a = \left[
\begin{array}{cc}
0 & q \\
0 & s
\end{array}
\right]
\hspace{2cm}
a^\dagger = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
q^* & s^*
\end{array}
\right]
\tag{8}
\]となる。これらに冪零の条件 (2.2) を適用すると、
$qs = 0$ かつ $s = 0$ となり、結局、$s=0$ でなければならない。
\[
a = \left[
\begin{array}{cc}
0 & q \\
0 & 0
\end{array}
\right]
\hspace{2cm}
a^\dagger = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
q^* & 0
\end{array}
\right]
\tag{9}
\]
これと、(7.2) の条件\[
|q|^2 = 1
\tag{10}
\]を用いると、(2.1) の条件式は自動的に満たされることが分かる。
最終的に、$a$ と $a^\dagger$ のN表示は、
\[
a = \left[
\begin{array}{cc}
0 & e^{i\theta} \\
0 & 0
\end{array}
\right]
\hspace{2cm}
a^\dagger = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
e^{-i\theta} & 0
\end{array}
\right]
\tag{11}
\]
となり、位相因子を1とすると、
\[
a = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 1\\
0 & 0
\end{array}
\right]
\hspace{2cm}
a^\dagger = \left[
\begin{array}{cc}
0 & 0 \\
1 & 0
\end{array}
\right]
\tag{12}
\]となる。
ゼロでない成分は、
\[
\langle 0|a|1 \rangle = \langle 1|a^\dagger|0 \rangle = 1
\tag{13}
\]のみであり、フェルミ粒子においても、
$a$ が $|1\rangle \rightarrow |0\rangle$ を表す消滅演算子
$a^\dagger$ が $|0\rangle \rightarrow |1\rangle$ を表す生成演算子
になっていることが分かる。
この関係は、
\[
a|n\rangle = n|1-n\rangle
\tag{14.1}
\]\[
a^\dagger|n\rangle = (1-n)|1-n\rangle
\tag{14.2}
\]と書くこともできる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」
[2] 三枝 寿勝・瀬藤 憲昭 「量子力学演習―シッフの問題解説 」
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物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/08/28 12:50

フェルミ粒子 (2)

フェルミ粒子の場合、
$N_k$ の固有値 $n_k$ が0か1に限られる
すなわち、同一状態には一個しか入れないというパウリの排他原理を導きます。
\[
N_k = a_k^\dagger a_k
\tag{1}
\]より、
\[
N_k^2 = a_k^\dagger a_k a_k^\dagger a_k
\tag{2}
\]反交換関係より、
\[
a_k a_k^\dagger = 1 - a_k^\dagger a_k
\tag{3}
\]\[
a_k^2 = a_k^\dagger{}^2 = 0
\tag{4}
\]であることに注意すると、
\[
N_k^2 = a_k^\dagger a_k = N_k
\tag{5}
\]となる。
$N_k$ と $N_k^2$ は明らかに可換だから、同時対角化可能であり、
同時固有状態を有する。その時の固有値を考えると、
\[
n_k^2 = n_k
\tag{6}
\]となり、この解は、
\[
n_k = 0, 1
\tag{7}
\]に限られる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/08/28 12:43

フェルミ粒子 (1)

続いて、フェルミ粒子を記述します。

フェルミ粒子の場合は、正準量子化の条件において、交換子を反交換子
\[
\{A, B\} = AB + BA
\tag{1}
\]
に置き換えることで記述できるそうです。
Jordan と Wigner という人が見つけたそうですが、よくこんなの見つけますね(笑)

正準量子化の条件は、
\[
\{ \psi(r), \psi(r') \} = \{ \psi^\dagger(r), \psi^\dagger(r') \} = 0
\tag{2.1}
\]\[
\{ \psi(r), \psi^\dagger(r') \} = \delta^3(r-r')
\tag{2.2}
\]となる。
ボーズ粒子の時と同じように、生成・消滅演算子で表して、まったく同じような計算を行うと、
生成・消滅演算子についても交換関係が反交換関係に置き換えられる。
\[
\{a_k, a_l \} = \{ a_k^\dagger, a_l^\dagger \} = 0
\tag{3.1}
\]\[
\{ a_k, a_l^\dagger \} = \delta_{kl}
\tag{3.2}
\]
ここで、同様に個数演算子を
\[
N_k = a_k^\dagger a_k
\tag{4}
\]と定義してやると、まず、$N_k$同士が可換であることが分かる。

実は、一瞬、
反交換関係を有しているのに、通常の交換において、ほんとに可換?
と疑ってしまいましたが、実際に計算してみると可換でした^^;

$N_k$ と $N_l$ について、$k = l$ の場合は自明なので、
$k \neq l$ の場合を考える。
細かくは書きませんが、
\[
[ N_k, N_l ] = a_k^\dagger a_k a_l^\dagger a_l - a_l^\dagger a_l a_k^\dagger a_k
\tag{5}
\]において、$a_k$、$a_k^\dagger$ 各々について、
$a_l$ 及び $a_l^\dagger$ と交換する時にそれぞれ符号が反転するものの、
計2回の交換で符号は元に戻るため、交換関係はゼロとなる。

というわけで、$N_k$ は同時に対角化可能であり、
ボーズ粒子と同様、各状態 k の粒子数が確定した状態
$|n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle$ といったものを考えることができる。

$N_k$ の固有値 $n_k$ が必ず、0か1に限られるということを次に示していく。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/08/27 12:30

ボーズ粒子

個数演算子
\[
N_k = a_k^\dagger a_k
\tag{1}
\]
の時間発展を与える運動方程式を考える。
\[
i\hbar \dot{N_k} = [ N_k, H ]
\tag{2}
\]
ハミルトニアンは、
\[
H = {\Large \int} \left( \frac{\hbar^2}{2m}\nabla\psi^\dagger \cdot \nabla\psi + V\psi^\dagger \psi \right) d^3r
\tag{3}
\]
であり、$\psi$や$\psi^\dagger$を生成・消滅演算子を用いた表式
\[
\psi(r,t) = \sum_k a_k(t) u_k(r)
\tag{4.1}
\]\[
\psi^\dagger(r,t) = \sum_k a_k^\dagger(t) u_k^*(r)
\tag{4.2}
\]
で置き換えると、
\[
H = \sum_j \sum_l a_j^\dagger a_l {\Large \int}
\left( \frac{\hbar^2}{2m} \nabla u_j^* \cdot \nabla u_l + V u_j^* u_l \right) d^3r
\tag{5}
\]
∇の項に部分積分を適用すると、
\[
H = \sum_j \sum_l a_j^\dagger a_l {\Large \int}
u_j^* \left( -\frac{\hbar^2}{2m} \nabla^2 + V \right) u_l d^3r
\tag{6}
\]
括弧の中は、一粒子ハミルトニアンであり、
状態 k との間の非対角要素がゼロである場合には、
\[
\dot{N_k} = 0
\tag{7}
\]
となる。
状態 k からの遷移確率がゼロであるから、
状態 k を占める粒子数 $N_k$ は保存する

と解釈できる。

ここで、特に、$u_j$, $u_l$ がエネルギー固有状態である場合を考えると、
(6)の積分は、$E_j \delta_{jl}$ となるから、
\[
H = \sum_k a_k^\dagger a_k E_k = \sum_k N_k E_k
\tag{8}
\]
となり、$N_k$ と $H$ は同時に対角化できる。
この時、状態 $|n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle$ に対する全エネルギーは、
\[
E = \sum_k n_k E_k
\tag{9}
\]
となり、「各状態のエネルギー×状態を占める粒子数」を足し合わせたもの
という自然な結果になっている。

これで、ボーズ粒子に対しては記述できました。
次は、フェルミ粒子なのですが、ちょっとややこしそう・・・

参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/08/15 18:19

生成・消滅演算子

調和振動子の行列理論の復習を終えたので、
非相対論的シュレディンガー方程式の量子化の話に戻ります。

前回、粒子の総数を表す演算子
\[
N = \int \psi^\dagger \psi d^3r
\tag{1}
\]を定義して、これが保存することを確認しました。
これから、この粒子数の演算子を対角化するような表示について、考えていくようです。

まず、ψを空間的な正規直交関数系 $u_k(r)$ で展開する。
\[
\psi(r,t) = \sum_k a_k(t) u_k(r)
\tag{2}
\]ここで、$u_k(r)$ はただの関数で、展開係数 $a_k(t)$ は時間に依存した演算子となる。
エルミート共役な演算子は、
\[
\psi^\dagger(r,t) = \sum_k a_k^\dagger(t) u_k^*(r)
\tag{3}
\]となる。
逆に、$u_k$ の正規直交性から、$a_k$、$a_k^\dagger$ は、
\[
a_k(t) = \int u_k^*(r) \psi(r,t) d^3r
\]\[
a_k^\dagger(t) = \int u_k(r) \psi^\dagger(r,t) d^3r
\tag{4}
\] と表せる。
この新たに登場した演算子について交換関係を考えてみる。
\[
[a_k(t), a_l^\dagger(t)] = \iint u_k^*(r) u_l(r') [ \psi(r,t), \psi^\dagger(r',t) ] d^3rd^3r'
\]
ψに関する交換関係
\[
[ \psi(r,t), \psi^\dagger(r',t) ] = \delta(r-r')
\tag{5}
\]と $u_k$ の正規直交性
\[
\int u_k^*(r) u_l(r) d^3r = \delta_{kl}
\tag{6}
\]を用いて、
\[
[a_k(t), a_l^\dagger(t)] = \delta_{kl}
\tag{7}
\]という交換関係となることが分かる。また、ψの交換関係から明らかに、
\[
[a_k(t), a_l(t)] = [a_k^\dagger(t), a_l^\dagger(t)] = 0
\tag{8}
\]である。
さて、本題の粒子数演算子を計算してみる。(1) に (2)、(3) を代入すると、
\[
N = \sum_k \sum_l a_k^\dagger(t) a_l(t) \int u_k^*(r) u_l(r) d^3r
\tag{9}
\]再び、正規直交性 (6) を用いると、
\[
N = \sum_k a_k^\dagger a_k = \sum_k N_k
\tag{10}
\]となる。ただし、
\[
N_k = a_k^\dagger a_k
\tag{11}
\]
調和振動子の行列理論 (4) の内容と比較すると、
$N_k$ は状態 k にいる粒子の数を表すと解釈でき、
$a_k^\dagger$ と $a_k$ は、状態 k にいる粒子の生成・消滅を表すと考えることができる。

k の状態に $n_k$ 個の粒子がいるような粒子系の状態を $| n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle$ と書くことにすると、
調和振動子の行列理論 (5) の記事より、
\[
N_k | n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle = n_k | n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle
\tag{12}
\]\[
a_k | n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle = \sqrt{n_k} | n_1, \cdots, n_k-1, \cdots \rangle
\tag{13.1}
\]\[
a_k^\dagger | n_1, \cdots, n_k, \cdots \rangle = \sqrt{n_k+1} | n_1, \cdots, n_k+1, \cdots \rangle
\tag{13.2}
\]

同一の状態をいくつもの粒子が占有することができるので、
ボーズ粒子(ボゾン)を表していると考えられる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
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物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/08/15 12:27
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