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初等関数

このところ、数学が面白すぎて、完全に数学病です(笑)

さて、これまで整級数を見てきたのは、
指数関数や三角関数などの初等関数を整級数で解析的に定義したいから。

たとえば、三角関数を三角比からの類推で幾何学的に定義してしまうと、
解析性を調べる際にうまくいかないようです。

[1] に載っている例として、たとえば、
sin x の導関数が cos x であることを示すためには、\[
\lim_{x\rightarrow 0} \frac{\sin x}{x} = 1
\]を示す必要があるが、
これは弧長が弦の長さに近づいていくことを表していて、
弧長を正しく定義しなくてはならない。
そのためには、積分が必要となり、
sin x の導関数が cos x であることが分かっていないといけない。

・・・というような循環論法が生じてしまいます。

そこで、解析的な定義をしなければならないということになるようです。

非常に納得ですが、高校生の時はそんなこと考えもしなかったなあ・・・
そのあたりが数学者になる人と僕のような凡人との違いですね^^;

で、[1] では初等関数を一つ一つ整級数で定義して、
指数関数や三角関数などのよく見慣れた性質を一つ一つ
解析的に導いていきます。

ここがすごく面白かったのですが、一つ一つ書いてると大変なので、
基本的に詳細記事は省略します。
導関数を調べるために、
「整級数が収束円板内で正則である」という証明もあったのですが、
これも一様収束とかをやってからの方が分かりやすいと思ったので、
省略したいと思います。

少し気になったことだけを次回、備忘録的に書いておこうと思います。


参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
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数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/30 07:40

整級数の収束半径 (2)

以下の極限が存在すれば、整級数の収束半径である。\[
\lim_{n\rightarrow\infty} \left| \frac{a_n}{a_{n+1}} \right| = R \in [0, +\infty]
\]


(証明概略)
絶対値の級数 $\sum |a_n(z-a)^n|$ に ratio test を適用する。\[
l = \lim_{n\rightarrow\infty} \left| \frac{a_{n+1}(z-a)^{n+1}}{a_n(z-a)^n} \right| = \frac{|z-a|}{R}
\]|z-a| < R ならば、l < 1 となり、絶対値の数列は収束(つまり絶対収束)。
収束半径を R' とすると、R ≦ R'。

|z-a| > R ならば、l > 1 となり、絶対値の数列は発散(つまり絶対収束しない)。
よって、R ≧ R'。
(証明終了)

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/28 19:49

整級数の収束半径 (1)

というわけで、複素数体 C 上の整級数について勉強しています。

整級数(べき級数)

\[
\sum_{n=0}^\infty a_n (z-a)^n \hspace{5em} z, a, a_n \in C
\tag{1}
\]


収束半径

以下を満たす 0 ≦ R ≦ +∞ が一意に存在する。
(1) |z-a| < R ならば、整級数は絶対収束する。
(2) |z-a| > R ならば、整級数は発散する。

ただし、z = a では必ず収束するから、
それ以外すべての z で発散する場合は R = 0 とし、
C 全体で収束する場合は R = +∞ と約束する。


(証明概略)
(1) 収束するすべての点 z に関する |z-a| の値の集合を A とする。
A が上に有界ならば、R = sup A とおく。有界でなければ、R = +∞ とする。

R > 0 ならば、上限の定義より、$|z-a| < R$ となる任意の z に対して、
$|z-a| < |z_0-a| \leq R$ かつ整級数が収束する点 $z_0$ が存在する。

注:[1] では$|z-a| < |z_0-a| < R$ となっていますが、
$\leq R$ でないと存在しない場合があるような気が・・・


$\sum a_n (z_0 - a)^n$ は収束し、数列 $|a_n(z_0-a)^n|$ は有界(≦ M)である。\[
|a_n(z-a)^n| \leq M \left|\frac{z-a}{z_0-a} \right|^n
\]となり、$0 < |(z-a)/(z_0-a)| < 1$ であるから、
この級数は z で絶対収束する。

R = 0 ならば、収束するのはz = a のみである。

(2) |z-a| > R ならば、上限の定義より、収束する点の集合に属さない、すなわち発散する。

一意性については、もし、R < R' なる2つの収束半径が存在するならば、
R < |z-a| < R' なる z に対して、収束かつ発散することになり矛盾。
(証明終了)

以上は、参考文献 [1] に従った証明です。
せっかく前記事でやった収束判定法を使って、\[
|a_n (z-a)^n| \leq |a_n (z_0-a)^n|
\]で右辺の級数は収束するから、左辺も収束する
と言ってもいいのではないかと思ったのですが、
$z_0$ では「絶対収束」するとは仮定してないから、
右辺も収束するかどうか分からないんですね。

逆に集合Aを決める時に、絶対収束する集合と仮定してしまうと、
(2) の証明で絶対収束しないとしか言えなくなってしまうので、それも困る。
というわけで、このような証明法になったのでしょうね。

こういう薄氷を踏むように進むところが数学の醍醐味であり、
どこで足元をすくわれるか分からない怖さでもあったりするんですよね(^^;

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/28 07:25

級数の収束判定

複素の整級数の勉強をするために、
まず級数の収束判定について、まとめておきます。

絶対収束

絶対収束する級数は必ず収束する。
つまり、$\sum_n |a_n|$ が収束する時は、$\sum_n a_n$ は必ず収束する。
(逆は成り立たない)


(証明概略)
絶対値の数列の部分和はコーシー列だから、ある $n_0$ 以上の任意の n, m に対して
$|a_n| + |a_{n+1}| + \cdots + |a_m| < \varepsilon$ であり、
この時、$|a_n + a_{n+1} + \cdots + a_m| < \varepsilon$ となるから、
元の数列の部分和もコーシー列である。
(証明終了)

正項級数(項がすべて非負の実数)の収束判定

正項級数が収束するためには、
部分和の数列が上に有界であることが必要かつ十分である。


(証明概略)
正項級数の部分和は単調増加であるから、上に有界であれば収束する。
逆に、級数が収束すれば、有界である。
(証明終了)

正項級数 $\sum a_n$, $\sum b_n$ に関して、

(1) $a_n \leq b_n$ で $\sum b_n$ が収束するならば、$\sum a_n$ も収束。

(2) $a_n \geq b_n$ で $\sum b_n$ が発散するならば、$\sum a_n$ も発散。

(3) $a_{n+1}/a_n \leq b_{n+1}/b_n$ で $\sum b_n$ が収束するならば、$\sum a_n$ も収束。

(4) $a_{n+1}/a_n \geq b_{n+1}/b_n$ で $\sum b_n$ が発散するならば、$\sum a_n$ も発散。

ただし、条件は初めの有限項を除く
ある $n_0$ 以上のすべての n に対して言えればよい。


(証明概略)
(1) $\sum b_n$ の部分和は上に有界であるから、$\sum a_n$ の部分和も上に有界で、級数は収束する。
(2) $\sum a_n$ が収束すると仮定すると、(1) より $\sum b_n$ も収束するので、矛盾。
(3) \[\frac{a_n}{b_n} \leq \frac{a_{n-1}}{b_{n-1}} \leq \cdots \leq \frac{a_0}{b_0}
\] より $a_n \leq (a_0/b_0) b_n$ だから、(1) から言える。
(4) $\sum a_n$ が収束すると仮定すると、(3) より $\sum b_n$ も収束するので、矛盾。
(証明終了)

正項級数 $\sum a_n$ に関して、

(1) $\sqrt[n]{a_n} \leq k \ ( 0 \leq k < 1 )$ ならば、$\sum a_n$ は収束。

(2) $\sqrt[n]{a_n} \geq k \ ( k > 1 )$ ならば、$\sum a_n$ は発散。

(3) $a_{n+1}/a_n \leq k \ ( 0 \leq k < 1 )$ ならば、$\sum a_n$ は収束。

(4) $a_{n+1}/a_n \geq k \ (k > 1 )$ ならば、$\sum a_n$ は発散。

ただし、条件は初めの有限項を除く
ある $n_0$ 以上のすべての n に対して言えればよい。


(証明概略)
$b_n = k^n$ として、上の性質を用いる。
(証明終了)

ratio test

正項級数 $\sum a_n$ に対して、\[
l = \lim_{n\rightarrow\infty} \frac{a_{n+1}}{a_n}
\]が存在する時、$l < 1$ ならば収束、$l > 1$ ならば発散する。


(証明概略)
$l < 1$ ならば、$l < k < 1$ なる k が存在し、
ある $n_0$ 以上のすべての n に対して、$a_{n+1}/a_n < k$。
$l > 1$ ならば、$l > k > 1$ なる k が存在し、
ある $n_0$ 以上のすべての n に対して、$a_{n+1}/a_n > k$。
(証明終了)

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/27 07:50

k^-2 の3D逆フーリエ変換

前記事で宿題にした
$k^{-2}$ の3D逆フーリエ変換の公式を証明しておきます。

\[
\frac{1}{(2\pi)^3} \int \frac{1}{k^2} e^{i{\bf k}\cdot{\bf r}} d^3k
= \frac{1}{4\pi r}
\tag{1}
\]


我流なので、正しいかどうかわかりませんし、もっと簡潔な証明があるかもしれません。

(証明)
k 空間での極座標を用いる。
極軸は任意に決められるから、r の方向を極軸に取ると、左辺の積分は\[
\int_0^\infty dk \int_0^\pi d\theta \frac{1}{k^2} e^{ikr\cos\theta} 2\pi k^2 \sin\theta
\tag{2}
\]となり、$\cos\theta = \xi$ とおくと、\[
2\pi \int_0^\infty dk \int_{-1}^1 d\xi e^{ikr\xi}
\tag{3}
\]と書き直せる。$\xi$ についての積分を実行して、\[
4\pi \int_0^\infty dk \frac{\sin kr}{kr}
\tag{4}
\]ここで、定積分の公式\[
\int_0^\infty \frac{\sin x}{x} dx = \frac{\pi}{2}
\tag{5}
\]を利用すると、(4) の値は $2\pi/r$ となり、
係数をつければ (1) を得る。
(証明終了)

結局、(5) の公式を証明しないと、単なる問題のすり替えですね(笑)

この公式は結構有名で、複素積分の留数定理を使えば示せるのですが、
少々面倒なので、また気が向いたときに書こうと思います^^;
数学>公式 | コメント(0) | 2015/10/25 21:01
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