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位相空間

ユークリッド空間 $R^n$ でのウォーミングアップを終えて、
いよいよ一般の位相空間に入ります!

$R^n$ での開集合の性質を抽出しておいて、
逆にその性質から一般的な「開集合」を定義して、
それを使って、「位相」なるものを定義するという論理。
なるほど、考えましたね!って感じですね。
脳みそ使いまくりますが、面白いです。

まず初めに定義をいろいろ。

位相空間(定義)

集合 S (空でない)の部分集合系 $\mathfrak{O}$ が以下の3条件を満たすとき、
$\mathfrak{O}$ は S に1つの位相構造を定めるという。
$\mathfrak{O}$ は S の1つの位相であるという。
$(S,\mathfrak{O})$ を位相空間と呼ぶ(略して、単に S とも書く)。
S を位相空間の台(台集合)という。

(O1) S 自身と空集合 $\phi$ は $\mathfrak{O}$ に属する。
(O2) $\mathfrak{O}$ の有限個の元の共通部分は$\mathfrak{O}$ に属する。
(O3) $\mathfrak{O}$ の元からなる集合族(無限でもよい)の和集合は $\mathfrak{O}$ に属する。


開集合(定義)

位相空間 $(S,\mathfrak{O})$ に対して、$\mathfrak{O}$ に属する集合を S の開集合と呼ぶ。


開核(内部)(定義)

位相空間 S の任意の部分集合 M に対して、
M に含まれる開集合全体の和集合を M の開核(内部) と呼び、
$M^\circ$ または $M^i$ と書く。
M に含まれる最大の開集合とも表現できる。

すなわち、以下の条件を満たすような集合である。
(1) $M^\circ \subset M$
(2) $M^\circ \in \mathfrak{O}$
(3) $O \subset M, O \in \mathfrak{O} \Rightarrow O \subset M^\circ$


開核の性質

(1) $M \in \mathfrak{O} \Leftrightarrow M^\circ = M$
(2) $M \subset N \Rightarrow M^\circ \subset N^\circ$


(証明概略)
(1) M が開集合であれば、M は M に含まれる最大の開集合である。
逆に、M が M の開核であれば、開核の定義より M は開集合である。
(2) M に含まれる最大の開集合は N にも含まれるので、
N に含まれる最大の開集合に含まれる。
(証明終了)

参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
位相空間 | コメント(0) | 2015/11/14 21:14

開核・閉包の特徴づけ

また、多様体の本が読みたくなり、再び位相を始めました。
まだ、位相空間を導入する準備として、
n 次元ユークリッド空間 $R^n$ を考えているところです。

開核、閉包は以下のように特徴づけることができる。

$M \subset R^n$ とすると、
(1) 開核 $M^\circ$ は M に含まれる最大の開集合である。
(2) 閉包 $\bar{M}$ は M を含む最小の閉集合である。


(証明概略)
(1) まず、任意の $N_1, N_2 \subset R^n$ に対して、以下が成立することを確認しておく。\[
N_1 \subset N_2 \Rightarrow N_1^\circ \subset N_2^\circ
\tag{1}
\]なぜなら、$N_1^\circ$ の任意の点 a は、$U(a,\varepsilon) \subset N_1 \subset N_2$ より $N_2$ の内点でもあるから。

$M^\circ$ の点は M の内点であるから、明らかに $M^\circ$ は M に含まれる。

$M^\circ$ の任意の点 a は M の内点であるから、$U(a,\varepsilon) \subset M$。
式 (1) より $U(a,\varepsilon)^\circ \subset M^\circ$ であるが、U は開集合であるから、
$U(a,\varepsilon) \subset M^\circ$ となり、a は $M^\circ$ の内点である。
すなわち、$M^\circ$ は開集合である。

また、M に含まれる任意の開集合 $N \subset M$ に対して、式 (1) より
$N = N^\circ \subset M^\circ$ である。

(2) $\bar{M}$ は $M^\circ$ の補集合であるから、(1) より
M を含む最小の閉集合である。
(証明終了)


参考文献
[1] 松坂和夫 「集合・位相入門」(岩波書店)
ユークリッド空間 | コメント(0) | 2015/11/12 00:23

電磁場の量子化 (8)

前回、導入した演算子 q, p を用いて、ハミルトニアンを書き表す。

ハミルトニアンは以下の通り。

\[
H = \frac{1}{2} \int \left[ c^2 {\bf P}^2 + (\nabla \times {\bf A})^2 \right] d^3r
\tag{1}
\]


A と P は演算子 q, p を用いて、以下のように表せる。

\[
{\bf A}(r,t) = \sum_{k\lambda} [ q_{k\lambda}(t) {\bf u}_{k\lambda}(r) + q_{k\lambda}^\dagger(t) {\bf u}_{k\lambda}^*(r) ]
\tag{2.1}
\]\[
{\bf P}(r,t) = \sum_{k\lambda} [ p_{k\lambda}(t) {\bf u}_{k\lambda}(r) + p_{k\lambda}^\dagger(t) {\bf u}_{k\lambda}^*(r) ]
\tag{2.2}
\]


これを (1) に代入していくわけであるが、
その前に、u や u* の積分を見ておく。

正規直交性を持つように定義していたので、\[
\int {\bf u}^*_{k\lambda} \cdot {\bf u}_{k'\lambda'} d^3r = \delta_{kk'} \delta_{\lambda\lambda'}
\tag{3}
\]
また、${\bf u}^*_{k\lambda} = {\bf u}_{-k\lambda}$ であるから、\[
\int {\bf u}_{k\lambda} \cdot {\bf u}_{k'\lambda'} d^3r
= \int {\bf u}^*_{k\lambda} \cdot {\bf u}^*_{k'\lambda'} d^3r
= \delta_{k,-k'} \delta_{\lambda\lambda'}
\tag{4}
\] であり、k の和は k 空間全体の半分で取るから、(4) の積分はすべてゼロになる。

(注) 波動的な電磁場のみを考えているから、k = 0 の成分はないと考えているのだと思う。

これを踏まえて、さらに、p と p+ が可換であることを考慮して、
$P^2$ の積分の項を計算すると、\[
\int {\bf P}^2 d^3r = 2 \sum_{k\lambda} p_{k\lambda} p^\dagger_{k\lambda}
\tag{5}
\]
次に、$\nabla\times{\bf A}$ の項を計算するには、
$(\nabla \times {\bf u}^*_{k\lambda}) \cdot (\nabla \times {\bf u}_{k'\lambda'})$ などの計算をしておく必要がある。\[
\nabla\times {\bf u}_{k\lambda}
= L^{-3/2} \nabla e^{ i {\bf k\cdot r}} \times \varepsilon_{k\lambda}
= i{\bf k} \times {\bf u}_{k\lambda}
\tag{6}
\]であり、${\bf u}^*_{k\lambda} = {\bf u}_{-k,\lambda}$ より、\[
\nabla\times {\bf u}^*_{k\lambda}
= -i{\bf k} \times {\bf u}^*_{k\lambda}
\tag{7} \]である。
ベクトル解析の公式\[
({\bf a}\times{\bf b})\cdot({\bf c}\times{\bf d})
= ({\bf a}\cdot{\bf c})({\bf b}\cdot{\bf d}) - ({\bf a}\cdot{\bf d})({\bf b}\cdot{\bf c})
\tag{8}
\]を用いると、\[
(\nabla\times{\bf u}^*)\cdot(\nabla\times{\bf u'})
= ({\bf k \cdot k'})({\bf u}^* \cdot {\bf u'}) - ({\bf k \cdot u'})({\bf k'} \cdot {\bf u}^*)
\tag{9}
\]となる。ただし、プライム記号は添え字が $k'\lambda'$ であることを示すこととする。
上記第一項は、空間積分すると、正規直交性 (3) と (4) より、\[
\int ({\bf k \cdot k'})({\bf u}^* \cdot {\bf u'}) d^3r
= k^2\delta_{kk'}\delta_{\lambda\lambda'}
\tag{9}
\]第二項については、\[
({\bf k \cdot u'})({\bf k'} \cdot {\bf u}^*)
= L^{-3} e^{i({\bf k}-{\bf k'})\cdot{\bf r}} ({\bf k} \cdot \varepsilon')({\bf k'}\cdot \varepsilon)
\tag{10}
\]として、exp 部分を空間積分すると、周期的境界条件より $\delta_{kk'}$ となり、
和を取ると、k = k' の部分しか残らない。
しかし、その場合は、k・ε = 0 であるから、結局、第二項の寄与はゼロとなる。

$(\nabla \times {\bf u})\cdot(\nabla \times {\bf u'})$ や$(\nabla \times {\bf u}^*)\cdot(\nabla \times {\bf u'}^*)$ の項については、
前述したとおり、$\delta_{k,-k'}$ となり、kの和を半空間で取っていることからゼロとなる。

以上より、ハミルトニアンは以下のように計算される。

\[
H = \sum_{k\lambda} \left[
c^2 p_{k\lambda} p^\dagger_{k\lambda} + k^2 q_{k\lambda} q^\dagger_{k\lambda}
\right]
\tag{11}
\]



・・・という式変形がシッフ [1] ではたった数行の言葉で書かれているだけなんですけど・・・(;д;)
(6) 以降の式変形は完全に我流です。

ちなみに、サクライ [2] では、(6) の置き換えを使わずに、
∇のまま、ガウスの定理を巧みに使って計算していてエレガントです。
サクライっぽい!(笑)


参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
[2] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
電磁場の量子化 | コメント(0) | 2015/11/06 19:34

積分へ!

初等関数の章はこれぐらいですっ飛ばします・・・

e や π が無理数であることの証明とか、
代数学の基本定理の証明とか・・・
興味深いものがたくさんあるのですが、
時間もないので、次へ行きます。

代数学の基本定理の証明については重要だし、
高校生の頃(ウン十年前)からの宿題の一つだったので(笑)、
一応、さらっとフォローはしておきました^^;
いずれ、記事にまとめようと思います。

というわけで・・・
ようやく積分に入れる!\(^o^)/

微分に飽きてきました・・・笑
積分といっても、ごく普通のリーマン積分ですよ。
それでも、難しそうですね(汗)

杉浦先生の「解析入門」も、これで第一巻の半分ぐらい(200頁)まで来たので、
ようやく4分の1終了という感じですね。
先は長いです・・・
数学>解析 | コメント(0) | 2015/11/05 19:44

オイラーの公式の証明

初等関数の記事の最後で気になっていたことというのは
オイラーの公式の証明の話。

項を足す順番を入れ替えても大丈夫なんだろうか?
と以前から思っていたのですが、
今回スッキリ理解できたので、備忘録的に書き留めておきます。

ちなみに、オイラーの公式については、
過去記事で高校レベルでおよそ理解できるような証明を
いくつか紹介していますので、よろしければご覧ください。
(注:厳密な証明ではありません)

オイラーの公式 (2)
オイラーの公式 (3)
オイラーの公式 (4)

指数関数・三角関数の定義

\[
\exp z = \sum_{n=0}^\infty \frac{z^n}{n!}
\tag{1}
\]\[
\cos z = \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n)!} z^{2n}
\tag{2}
\]\[
\sin z = \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} z^{2n+1}
\tag{3}
\]


どれも C 全体で絶対収束することは、前記事の式で収束半径を計算すると分かる。
たとえば、指数関数の場合、\[
R = \lim_{n\rightarrow\infty} \left| \frac{a_n}{a_{n+1}} \right|
= \lim_{n\rightarrow\infty} (n+1) = +\infty
\]
オイラーの公式

\[
\exp (iz) = \cos z + i\sin z
\tag{4}
\]


(証明)
左辺を定義 (1) を用いて書くと、\[
\exp(iz) = \sum_{n=0}^\infty \frac{(iz)^n}{n!}
\tag{5}
\]2個ずつ項をまとめると、\[
\exp(iz) = \sum_{n=0}^\infty \left[
\frac{(-1)^n}{(2n)!} z^{2n}
+ i \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} z^{2n+1}
\right]
\tag{6}
\]

気になる点その1
有限個の項をまとめてもよいのか?

部分和の数列で考えると、有限個の項をまとめるということは、
部分和の数列の部分列を取り出すことに相当する。
もとの数列が収束するならば、部分列も同じ値に収束するから問題ない。
(逆はダメだから、有限個に分解することはできない)



次に、級数を2つに分ければ、\[
\exp(iz) = \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n)!} z^{2n}
+ i \sum_{n=0}^\infty \frac{(-1)^n}{(2n+1)!} z^{2n+1}
\tag{7}
\]となり、(2)、(3) よりオイラーの公式 (4) を得る。

気になる点その2
級数を分けてもよいのか?(足す順番を変えてもよいのか?)

部分和を考えて、全体の級数の部分和を$S_n$、
それぞれの級数の部分和を$A_n$、$B_n$とおくと、\[
S_n = A_n + B_n
\]であり(有限項だから分けてよい)、
それぞれの級数の和を S, A, B とすると、
通常の数列の極限における\[
\lim S_n = \lim A_n + \lim B_n
\]が成立し、\[
S = A + B
\]が成立する。


(証明終了)

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
数学>解析 | コメント(0) | 2015/11/02 23:02
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