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生成元・巡回群・元の位数

(定義)

群 G の部分集合 S の元 $x_1, x_2, \cdots, x_n$ を用いて、
以下の形で表された G の元を S の元によるという。\[
x_1^{\pm 1} x_2^{\pm 2} \cdots x_n^{\pm 1}
\]$x_i$ は重複していてもよい。
$\pm 1$ は +1 か -1 のいずれかを選択する。
n = 0 の場合も含み、その場合は、単位元 1 を表すものとする。


生成された部分群

S の元による語全体の集合を < S > と書く。
< S > は G の部分群となる。
このとき、< S > を S によって生成された部分群と呼び、
S を生成系、S の元を生成元と呼ぶ。

(証明)
閉性と結合法則は明らか。語の定義より、単位元 1 を含む。
逆元は、$x_n^{\mp 1} \cdots x_1^{\mp 1}$ である。
(証明終了)

巡回群(定義)

一つの元で生成された群。
ある元 a が存在して、すべての元が $a^n (n\in \mathbb{Z})$ の形で表される。


元の位数(定義)

群 G の元 a に対して、$a^n = 1$ となる最小の正の整数。
n が存在しなければ、∞とする。



参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2016/04/15 12:00

剰余類

群・環・体の基本的定義は理解できましたので、剰余類に進みますが、
実はまだちゃんと理解できていません。
書きながら、考えていこうと思いますので、途中で混乱して、書き直す可能性も大です。

雪江 [1] は説明が非常に丁寧ですが、証明がよく理解できないところがあり、
森田 [2] は説明がエレガントだけど、簡潔すぎて、
行間を自分で埋めなければならないので、
(というより、ほとんど行間しかない気さえする・・・^^;)
本記事はほとんど我流の展開です。ご注意ください!

H を群 G の部分群とする。
G の任意の元 a, b に対して、$a^{-1}b \in H$ の時、$a \sim b$ と書くことにすると、
$\sim$ は同値関係となる。
また、$ba^{-1} \in H$ の時も同様である。
(証明)
$a^{-1}b \in H$ の場合について示す。 $ba^{-1} \in H$ の場合についても同様。
(1) 反射律。$a^{-1} a = 1 \in H$ より $a \sim a$。
(2) 対称律。$a \sim b$ とすると、$a^{-1} b \in H$。
  H は群であるから、$(a^{-1} b)^{-1} = b^{-1}a \in H$。よって、$b \sim a$。
(3) 推移律。$a \sim b$、$b \sim c$ とすると、$a^{-1}b \in H$, $b^{-1}c \in H$。
  よって、$a^{-1}c = (a^{-1}b)(b^{-1}c) \in H$ より、$a \sim c$。
(証明終了)

上記の条件は、\[
b \in aH = \{ ah | h \in H \}
\]または、\[
b \in Ha = \{ ha | h \in H \}
\]と書くこともできる。個人的には、こちらの方が分かりやすい!



この同値関係によって、同値類が作られる。(「同値類」の記事を参照)
これらを類別する集合(C(a) に相当するもの)は、明らかに aH (または Ha )である。

G は以下のような直和分割で表される。\[
G = \coprod_{i\in I} a_i H
\]または\[
G = \coprod_{j\in J} Ha_j
\tag{1}
\]


$a, b \in G$ に対して、\[
b \in aH \Leftrightarrow aH = bH \\
b \in Ha \Leftrightarrow Ha = Hb
\tag{2}
\]


aH による類別を左剰余類、Ha による類別を右剰余類と呼び、
これらの商集合をそれぞれ、 $G/H$、$H \backslash G$ と表記する。

$a, b \in G$ に対して、\[
aH = bH \Leftrightarrow Ha^{-1} = Hb^{-1}
\tag{3}
\]

(証明)
$aH = bH$ ならば、$b \in aH$ であるから、ある $h \in H$ を用いて、$b = ah$ となる。
$b^{-1} = h^{-1}a^{-1}$ となり、$b^{-1} \in Ha^{-1}$。よって、$Ha^{-1} = Hb^{-1}$。
逆も同様に証明可能。
(証明終了)

剰余類の元の個数

\[
|G/H| = |H \backslash G|
\tag{4}
\]

上記の元の個数のことを (G : H) と表記する。

(証明)
(3) の関係と、$x \mapsto x^{-1}$ が全単射であることを考え合わせると、
左剰余類が\[
G/H = \{ a_i H | i \in I \}
\]ならば、右剰余類は\[
H\backslash G = \{ Ha_i^{-1} | i \in I \}
\]となることが分かり、その元の個数は一致する。
(証明終了)

$a\in G$ に対して、\[
|aH| = |Ha| = |H|
\tag{5}
\]

(証明)
写像 $\phi : H \ni h \mapsto ah \in aH$ を考える。
もし、$ah_1 = ah_2$ ならば、$a^{-1}$ を左から掛けて、$h_1 = h_2$ となるので、
Φは単射であり、明らかに全射でもあるので、全単射である。
よって、$|aH| = |H|$。Ha についても同様。
(証明終了)

ラグランジュの定理

\[
|G| = |H| (G:H)
\tag{6}
\]

(証明)
(1) の直和分割を考えると、$|G| = \sum_i |a_i H|$ となるが、(5) より $|a_i H| = |H|$ であるから、
上記定理が言える。
(証明終了)

これより、以下が言える。

部分群の位数は、もとの群の位数の約数である。
位数が素数である群は、真の部分群を持たない。


真の部分群とは、自明な部分群以外の部分群。
自明な部分群とは、その群自身と、単位元のみから成る群のこと。

参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2016/04/14 20:27

体の定義

(定義)

集合 K に加法・乗法の2つの演算が定義されていて、
以下の条件を満たす時、K はであるという。

(F1) 可換環である。

(F2) 0 以外のすべての元が単元である。


斜体(定義)
上記で環が非可換である場合、斜体と言う。

参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
群・環・体の定義 | コメント(0) | 2016/04/11 19:50

環の定義

(定義)

集合 A に加法・乗法の2つの演算が定義されていて、
以下の条件を満たす時、A はであるという。

(R1) 加法に関して、可換群をなす。
  単位元を 0 と書き、a の逆元を -a と書く。

(R2) 乗法に関して、結合法則が成り立つ。
  すべての $a,b,c \in A$ に対して、$(ab)c = a(bc)$。

(R3) 分配法則
  すべての $a,b,c \in A$ に対して、
  $a(b+c) = ab + ac$、$(a+b)c = ac + bc$。

(R4) 乗法に関して、単位元 1 が存在。
  すべての $a \in A$ に対して、$1a = a1 = a$。



可換環(定義)

上記に加えて、乗法に関しても交換法則を満たす。
(R5) 乗法に関する交換法則
   すべての $a,b \in A$ に対して、$ab = ba$。



0 の性質

任意の $a \in A$ に対して、$0a = a0 = 0$。

(証明)
$(0+0)a = 0a$ より、分配法則を用いて、$0a + 0a = 0a$。
両辺に -0a を加えると、$0a = 0$。
$a0 = 0$ に関しても同様。
(証明終了)

自明な環

$0=1$ ならば、元として、0 (=1) のみを持つ自明な環となる。

(証明)
任意の元 a に対して、$a = 1a = 0a = 0$。(証明終了)

単元・乗法群

乗法に関して逆元を持つ元を単元(可逆元・正則元)と呼び、
環 A の単元をすべて集めた集合を $A^\times$ と表記する。

$A^\times$ は乗法に関して群をなす。

(証明)
(G1) 閉性。任意の単元 a, b の積 $ab$ は逆元 $(ab)^{-1} = b^{-1}a^{-1}$ を持つから、単元。
(G2) 結合法則は、環の定義より成立。
(G3) 単位元 1 の逆元は1 であるから、1 は単元である。
(G4) 逆元。任意の単元 a に対して、逆元 $a^{-1}$ の逆元は a 自身であるので、$a^{-1}$ も単元である。
(証明終了)

参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
群・環・体の定義 | コメント(0) | 2016/04/10 23:20
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