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球面調和関数 (4)

漸化式

\[
e^{i\phi} (\partial_\theta + i\cot\theta \partial_\phi) Y_{lm} = \sqrt{(l-m)(l+m+1)} Y_{l,m+1}
\tag{1}
\]\[
e^{-i\phi} (-\partial_\theta + i\cot\theta \partial_\phi) Y_{lm} = \sqrt{(l+m)(l-m+1)} Y_{l,m-1}
\tag{2}
\]

(証明)ルジャンドルの陪関数の漸化式
\[
\left[ (1- x^2)\frac{d}{dx} + mx \right] P_l^m(x) = \sqrt{1-x^2} P_l^{m+1}(x)
\tag{3}
\]\[
\left[ (1- x^2)\frac{d}{dx} - mx \right] P_l^m(x) = -(l+m)(l-m+1) \sqrt{1-x^2} P_l^{m-1}(x)
\tag{4}
\]を用いる。
簡単のために、$Y_{lm}$ の係数を $a_{lm}$ と書くことにして、
(1) の左辺の微分を計算していく。\[
\partial_\theta Y_{lm} = - a_{lm} {P_l^m}'(\cos\theta) \sin\theta e^{im\phi}
\]\[
\partial_\phi Y_{lm} = im a_{lm} P_l^m(\cos\theta) e^{im\phi}
\](1) の左辺は、\[
- a_{lm} [ \sin\theta {P_l^m}'(\cos\theta) + m\cot\theta P_l^m(\cos\theta) ] e^{i(m+1)\phi}
\tag{5}
\]となる。一方、(3) において、$x=\cos\theta (0\leq\theta\leq\pi)$ とおくと、\[
\sin^2\theta {P_l^m}'(\cos\theta) + m\cos\theta P_l^m(\cos\theta) = \sin\theta P_l^{m+1}(\cos\theta)
\]であるから、(5) は、\[
- a_{lm} P_l^{m+1}(\cos\theta) e^{i(m+1)\phi}
\]となり、\[
a_{lm} = -\sqrt{(l-m)(l+m+1)} a_{l,m+1}
\]であるから、(1) の右辺に帰する。

同様に、(2) の左辺は、\[
a_{lm} [ \sin\theta {P_l^m}'(\cos\theta) - m\cot\theta P_l^m(\cos\theta) ] e^{i(m-1)\phi}
\tag{6}
\]となり、(4) からは\[
\sin^2\theta {P_l^m}'(\cos\theta) - m\cos\theta P_l^m(\cos\theta) = -(l+m)(l-m+1)\sin\theta P_l^{m-1}(\cos\theta)
\]が得られるから、(6) は\[
-a_{lm} (l+m)(l-m+1) P_l^{m-1}(\cos\theta) e^{i(m-1)\phi}
\]となる。ここで、\[
a_{lm} = -\frac{a_{l,m-1}}{\sqrt{(l+m)(l-m+1)}}
\]であるから、(2) の右辺を得る。
(証明終了)

参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
球面調和関数 | コメント(0) | 2016/04/24 23:12

球面調和関数 (3)

直交性

全立体角にわたる積分において直交性を示す。\[
\int Y_{lm}(\theta,\phi)^* Y_{l'm'}(\theta,\phi) d\Omega \\
= \int_0^\pi \sin\theta d\theta \int_0^{2\pi} d\phi Y_{lm}(\theta,\phi)^* Y_{l'm'}(\theta,\phi) = \delta_{ll'}\delta_{mm'}
\tag{1}
\]

(証明)まず、Φに依存する因子は、$e^{im\phi}$ のみであるから、
Φについての積分の因子だけを取り出すと、\[
\int_0^{2\pi} e^{i(m'-m)\phi} d\phi = 2\pi\delta_{mm'}
\tag{2}
\]となり、$m\neq m'$ の時は、l の値によらずに、全体の積分も 0 になる。
以降、m = m' の時のみを考えればよい。
θに関しては、$\cos\theta = x$ とおくと、\[
\int_0^\pi \sin\theta d\theta = \int_{-1}^1 dx
\tag{3}
\]と置き換えられる。ここで、ルジャンドル陪関数の l に対する直交性\[
\int_{-1}^1 P_l^m(x) P_{l'}^m(x) dx = \frac{2}{2l+1} \frac{(l+m)!}{(l-m)!} \delta_{l l'}
\tag{4}
\]を用いると、m=m' の時の積分の値は $\delta_{ll'}$ となる。
$m \neq m'$ の場合と合わせて、(1) となる。
(証明終了)

参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
球面調和関数 | コメント(0) | 2016/04/21 00:00

球面調和関数 (2)

久しぶりに、球面調和関数の続き。

\[
Y_{lm}(\theta,\phi) = (-1)^m \sqrt{\frac{2l+1}{4\pi} \frac{(l-m)!}{(l+m)!} } P_l^m(\cos\theta) e^{im\phi}
\tag{1}
\]


$Y_{lm}$ と $Y_{l,-m}$ の関係

\[
Y_{l,-m}(\theta,\phi) = (-1)^m Y_{lm}(\theta,\phi)^*
\tag{2}
\]

(証明)
(1) の定義式より\[
Y_{l,-m} = (-1)^m \sqrt{\frac{2l+1}{4\pi} \frac{(l+m)!}{(l-m)!} } P_l^{-m}(\cos\theta) e^{-im\phi}
\tag{3}
\]ルジャンドル陪関数の関係式\[
P_l^{-m}(x) = (-1)^m \frac{(l-m)!}{(l+m)!} P_l^m(x)
\tag{4}
\]を用いると、\[
Y_{l,-m} = (-1)^m(-1)^m \sqrt{\frac{2l+1}{4\pi} \frac{(l-m)!}{(l+m)!} } P_l^m(\cos\theta) e^{-im\phi}
\tag{5}
\]となり、(2) が得られる。
(証明終了)

空間反転のパリティ

\[
Y_{lm}(\pi-\theta, \phi+\pi) = (-1)^l Y_{lm}(\theta,\phi)
\tag{6}
\]

(証明)
ルジャンドル陪関数の性質から、$\cos\theta$ の符号反転に対して、
$P_l^m(\cos\theta)$ の部分は、$(-1)^{l+m}$ のパリティを持つ。
$e^{im\phi}$ の部分は、$(-1)^m$ のパリティを持つ。
以上より、全体では、$(-1)^l$ のパリティを持つ。
(証明終了)

参考文献
[1] 小野寺嘉孝「物理のための応用数学」
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
球面調和関数 | コメント(0) | 2016/04/19 22:11

正規部分群・剰余群

正規部分群(定義)

群 G の部分群 N が 任意の $a \in G$ に対して、$aNa^{-1} \subset N$ である時、
N を G の正規部分群であるといい、$N \lhd G$ と書く。


正規部分群の条件は、以下と同値である。
(1) $aNa^{-1} = N$
(2) $aN = Na$

(証明)
(1) 任意の $a \in G$ に対して、$aNa^{-1} \subset N$ であれば、
  $aNa^{-1} \supset N$ でもあることを示せばよい。
  $a^{-1}$ も G の元であるから、$a^{-1}Na \subset N$。
  左から a、右から $a^{-1}$ をかけて、$N \subset aNa^{-1}$。
(2) (1) に右から a をかければよい。
(証明終了)

以下は、明らかである。

可換群の部分群はすべて正規部分群である。

(証明) 可換であれば、$aNa^{-1} = aa^{-1}N = N$ (証明終了)

正規部分群に対する左右の剰余類は一致する。

(証明) $aN = Na$ より明らか。(証明終了)

剰余類の積(定義)
まず、aN と bN の部分集合としての積を考える。
$(aN)(bN) = a(Nb)N = a(bN)N = abNN = abN$

これにより、類 aN の元と 類 bN の元の積はすべて、類 abN の元となり、
代表元 a, b の選び方によらないことが分かる。

そこで、G/N の元としての $aN, bN \in G/N$ に対して、

\[
G/N \times G/N \ni (aN, bN) \mapsto (ab)N \in G/N
\]


なる写像を well-defined に定義することができ、
それにより剰余類における積を以下のように定義する。

\[
(aN)\cdot(bN) = (ab)N
\]


剰余群(定義)

上記のように定義された積により、G/N は群となる。これを剰余群と呼ぶ。

(証明)
(1) 閉性。群 G の閉性より明らか。
(2) 結合法則。$(aN\cdot bN)\cdot cN = abN\cdot cN = (ab)cN$
  $= a(bc)N = aN\cdot bcN = aN\cdot(bN\cdot cN)$
(3) 単位元は $1\cdot N = N$。
(4) aN に対する逆元は、$a^{-1}N$。
(証明終了)

整数の加法による群
例として、整数の群 $\mathbb{Z}$ を考える。
加法演算に対して、整数 $\mathbb{Z}$ は可換群となる。
単位元は 0 で、a に対する逆元は -a。

正の整数 n に対して、$n\mathbb{Z} = \{ nm | m \in \mathbb{Z} \}$ も可換群であり、
$\mathbb{Z}$ の正規部分群となる。
その結果、$\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}$ は加法に対して群となる。

例として、n = 3 とすると、\[
3\mathbb{Z} = \{ \cdots, -6, -3, 0, 3, 6, \cdots \}
\]は、3の倍数の集合を表す正規部分群。
この正規部分群で分類した剰余類は、\[
3\mathbb{Z} = \{ \cdots, -6, -3, 0, 3, 6, \cdots \} = \bar{0} \\
1+3\mathbb{Z} = \{ \cdots, -5, -2, 1, 4, 7, \cdots \} = \bar{1} \\
2+3\mathbb{Z} = \{ \cdots, -4, -1, 2, 5, 8, \cdots \} = \bar{2} \\
\]の3種類となり、\[
\mathbb{Z}/3\mathbb{Z} = \{ \bar{0}, \bar{1}, \bar{2} \}
\]は群となる。

例えば、$\bar{0} + \bar{1} = \overline{0+1} = \bar{1}$ のようになるので、$\bar{0}$ は単位元である。
また、$\bar{1} + \bar{2} = \overline{1+2} = \bar{3} = \bar{0}$ なので、$\bar{2}$ は$\bar{1}$ の逆元である。


参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2016/04/18 23:25

群の準同型・同型

準同型・同型(定義)

群 G, G' に対して、写像 $\phi : G \rightarrow G'$ が定義されていて、
G の任意の元 $x, y \in G$ に対して、以下を満たす時、Φは準同型であるという。\[
\phi(xy) = \phi(x) \phi(y)
\]さらに、Φの逆写像が存在して、逆写像も準同型の場合、Φは同型であるといい、
G と G' は同型であるという。$G \simeq G'$ と書く。


準同型が全単射なら、同型である。

(証明)
準同型 $\phi : G \rightarrow G'$ が全単射とすると、逆写像 $\psi : G' \rightarrow G$ が存在。
任意の $x, y \in G'$ に対して、\[
\phi(\psi(x)\psi(y)) = \phi(\psi(x)) \phi(\psi(y)) = xy = \phi(\psi(xy))
\]Φは単射であるから、$\psi(x)\psi(y) = \psi(xy)$ となり、ψも準同型。
(証明終了)

$\phi : G\rightarrow G'$ を準同型とする。
(1) $\phi(1) = 1'$
(2) 任意の $x \in G$ に対して、$\phi(x^{-1}) = \phi(x)^{-1}$

(証明)
(1) $\phi(1) = \phi(1 \cdot 1) = \phi(1) \phi(1)$ より $\phi(1) = 1'$。
(2) $\phi(x) \phi(x^{-1}) = \phi(xx^{-1}) = \phi(1) = 1'$。同様に $\phi(x^{-1}) \phi(x) = 1'$。
(証明終了)

核・像(定義)

準同型 $\phi : G \rightarrow G'$ に対して、
以下の集合をと呼ぶ。\[
{\rm Ker}(\phi) = \{ x\in G | \phi(x) = 1 \}
\]また、以下の集合をと呼ぶ。\[
{\rm Im}(\phi) = \{ \phi(x) | x \in G \}
\]


核・像は部分群である。

(証明)
準同型 $\phi : G \rightarrow G'$ について、Ker(Φ)が群であることを示す。
(1) 閉性。$x,y \in {\rm Ker(\phi)}$ に対して、$\phi(xy) = \phi(x)\phi(y) = 1'1' = 1'$。
(2) 結合法則は明らか。
(3) 単位元。$\phi(1) = 1'$ より $1 \in {\rm Ker}(\phi)$。
(4) 逆元。$ x \in {\rm Ker}(\phi)$ に対して、$\phi(x^{-1}) = \phi(x)^{-1} = 1'$。

準同型 $\phi : G \rightarrow G'$ について、Im(Φ)が群であることを示す。
(1) 閉性。$x',y' \in {\rm Im(\phi)}$ に対して、$\phi(x) = x'$, $\phi(y) = y'$ なる x, y が G に存在。
  $\phi(xy) = \phi(x)\phi(y) = x'y'$ より、 $x'y' \in {\rm Im}(\phi)$。
(2) 結合法則は明らか。
(3) 単位元。$\phi(1) = 1'$ より $1' \in {\rm Im}(\phi)$。
(4) 逆元。$x' \in {\rm Im}(\phi)$ に対して、$x' = \phi(x)$ なる x が G に存在。
  $\phi(x^{-1}) = \phi(x)^{-1} = x'^{-1}$ より、$x'^{-1} \in {\rm Im}(\phi)$。
(証明終了)

参考文献
[1] 雪江明彦 「代数学1 群論入門」(日本評論社)
[2] 森田康夫 「数学選書9 代数概論」(裳華房)
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>代数系・群論 | コメント(0) | 2016/04/15 23:45
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