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2次元のローレンツ変換

「内積を保存する変換」の記事の内容をもとに、
ミンコフスキー内積の場合に適用して、
ローレンツ変換の行列を求めたいと思います。

ローレンツ変換は、ほんとは4次元ですが、
x軸方向のブーストの場合のように、
y, z軸方向の座標は変化しない
という制限を置いて、
x軸と ct軸の2次元で考えます。

そうすると、以前に「特殊ローレンツ変換」の記事
導出した行列が再び得られるはずですね。

第0成分をct、第1成分をxとすると、
ミンコフスキー計量は、
\[ g_{00} = 1 \]\[
g_{11} = -1 \] \[
g_{ij} = 0 \hspace{1cm} (i \neq j) \]
と定義できる(逆符号で定義する流儀もある)

ミンコフスキー内積が保存されるような変換
すなわちローレンツ変換の行列 A を
\[
A = \left[ \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right]
\]
と置いて、
列ベクトルを ${\bf a}_i$ と書くと、
前記事で得られた条件
\[
({\bf a}_i, {\bf a}_j) = g_{ij}
\]
が内積保存の条件を与えるので、
\[
a^2 - c^2 =1
\]\[
b^2 - d^2 = -1
\]\[
ab - cd = 0
\]
となる。

このあたりの手続きは、2次直交群O(2)と同様な手順を踏んでいる。

上の2つの式から、
\[
a = \pm\cosh\theta, \hspace{1cm} c = \sinh\theta
\]
\[
b = \sinh\phi, \hspace{1cm} d = \pm\cosh\phi
\]
とおける(複号は任意)。

残りの式に代入すると、
\[
\pm\cosh\theta \sinh\phi \mp\sinh\theta \cosh\phi = 0
\]

加法定理を用いて、
\[
\sinh(\theta\pm\phi) = 0
\]\[
\therefore \phi = \pm\theta
\]
ただし、複号は aとdが同符号ならプラス、異符号ならマイナス。

これを行列に代入すると、次の4種類が得られる。

(1)本義
\[
A =
\left[
\begin{array}{cc}
\cosh\theta & \sinh\theta \\
\sinh\theta & \cosh\theta
\end{array}
\right]
\rightarrow
\left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
(\theta \rightarrow 0)
\]

(2)空間反転
\[
A =
\left[
\begin{array}{cc}
\cosh\theta & -\sinh\theta \\
\sinh\theta & -\cosh\theta
\end{array}
\right]
\rightarrow
\left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
(\theta \rightarrow 0)
\]

(3)時間反転
\[
A =
\left[
\begin{array}{cc}
-\cosh\theta & -\sinh\theta \\
\sinh\theta & \cosh\theta
\end{array}
\right]
\rightarrow
\left[
\begin{array}{cc}
-1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
(\theta \rightarrow 0)
\]

(4)時間・空間反転
\[
A =
\left[
\begin{array}{cc}
-\cosh\theta & \sinh\theta \\
\sinh\theta & -\cosh\theta
\end{array}
\right]
\rightarrow
\left[
\begin{array}{cc}
-1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
(\theta \rightarrow 0)
\]

ここで、
\[
\cosh\theta = \gamma = \frac{1}{\sqrt{1-\beta^2}}
\]\[
\beta = \frac{v}{c}
\]
とおくと、
\[
\sinh\theta = \pm\sqrt{\cosh^2\theta - 1} = \pm\beta\gamma
\]
となり、
$\theta \rightarrow 0$ は、$v \rightarrow 0$ の場合に相当する。
このとき、系は何も変化しない(恒等変換)ことになるはずなので、
以前に「特殊ローレンツ変換」の記事で導出した
x軸方向のブースト時におけるローレンツ変換は、
(1)のタイプの本義ローレンツ変換である。

$\sinh\theta$は負号の方を取ってやると(でいいのかな?)
\[
A =
\left[
\begin{array}{cc}
\gamma & -\beta\gamma \\
-\beta\gamma & \gamma
\end{array}
\right]
\]
となって、以前の記事の式と一致!

つまり、ミンコフスキー内積が保存されるという条件だけを使って、
ローレンツ変換が数学的に導ける
というわけですね!

このあたりは、
以下の参考文献[1]のサイトを大変参考にさせていただきました。

それによると、本義ローレンツ変換は部分群をなすそうなのですが、
これは、いずれ確認してみようと思います。

参考文献:
[1] 岡村弘之 講義ノート「相対論」第6回
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~okamura/saitama-u/work/relativity/note-06.pdf
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/07/09 13:00
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