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古典場のラグランジュ形式 (3)

ここまでを簡単におさらい。

質点系のラグランジュ形式では、ラグランジアン
\[
L = L(q, \dot{q}, t)
\tag{1}
\]
に対して、オイラー・ラグランジュの方程式
\[
\frac{\partial L}{\partial q} - \frac{d}{dt} \frac{\partial L}{\partial \dot{q}} = 0
\tag{2}
\]
が運動を記述する。

場のラグランジュ形式では、ラグランジアン
\[
L = L(\psi, \dot{\psi}, t)
\tag{3}
\]
に対して、オイラー・ラグランジュの方程式
\[
\frac{\delta L}{\delta \psi} - \frac{\partial}{\partial t} \frac{\delta L}{\delta \dot{\psi}} = 0
\tag{4}
\]
が運動を記述する。

偏微分が汎関数微分に変わって、時間の全微分が偏微分に変わるだけで、
まったく同じ形になっている。

時間が全微分ではなく、偏微分に変わるのは、
質点のように粒子の位置の時間変化を追跡するわけではなく、
場では、空間と時間に独立に依存した形になっているから
と考えればいいんでしょうね。

さて、汎関数微分を使えば、このように質点系と全く同じ形で記述できるメリットはありますが、
サクライ[1]によると、相対論的な拡張を考えた場合は、汎関数微分ではなく、
ラグランジアン密度をあらわにした形で記述しておいた方がよいようです。

そうすると、空間と時間に関する依存性を同列に記述できるから。
上の汎関数微分による記述だと、時間微分だけ表に現れ、
空間微分だけ隠されてしまってます。

そこで、前回の汎関数微分の以下の表現を使って、
オイラー・ラグランジュ方程式をラグランジアン密度で表すことにする。
\[
\frac{\delta L}{\delta \psi} = \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \psi} - \sum_{x,y,z} \frac{\partial}{\partial x} \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial\psi/\partial x)}
\tag{5}
\]\[
\frac{\delta L}{\delta \dot{\psi}} = \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{\psi}}
\tag{6}
\]

すると、オイラー・ラグランジュ方程式は、
\[
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \psi}
- \sum_{x,y,z} \frac{\partial}{\partial x} \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial\psi/\partial x)}
- \frac{\partial}{\partial t} \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{\psi}} = 0
\tag{7}
\]
と記述でき、空間微分と時間微分が両方とも、表に現れました。

4元表記 $x^0 = ct$, $x^1 = x$, $x^2 = y$, $x^3 = z$ を用いて書き直すと、
\[
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \psi}
- \frac{\partial}{\partial x^{\mu}} \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial\psi/\partial x^{\mu})} = 0
\tag{8}
\]
と、すっきりした形に。
(μに関する和は、アインシュタイン記法に従って省略している)

この式は $\mathscr{L}$ がスカラー密度であると仮定すると、
ローレンツ共変形になっているらしいです。
(つまり、ローレンツ変換で式の形が変わらない、すなわち特殊相対論の枠組みで使える)

確かに、$\partial/\partial x^{\mu}$ は共変ベクトルであり、
$\partial/\partial(\partial\psi/\partial x^{\mu})$ は反変ベクトルとなるから、
縮約されて、左辺全体はスカラーになりそうですね。
こんな説明でいいのかな?


参考文献
[1] J.J.Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
[2] シッフ「量子力学」(下)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2013/09/10 12:24
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