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古典場のハミルトン形式

質点系のハミルトン形式とのアナロジーで、
場の考えに基づいたハミルトン形式を作っていきます。

質点系の場合の正準運動量
\[
p = \frac{\partial L}{\partial \dot{q}}
\tag{1}
\]
になぞらえて、場の場合の正準運動量を以下のように定義する。
\[
\pi = \frac{\delta L}{\delta \dot{\psi}} = \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{\psi}}
\tag{2}
\]
そして、質点系と同じように、独立変数を $\dot{\psi}$ から新変数 $\pi$ に置き換えるように
ルジャンドル変換をする。
\[
\mathscr{H} = \pi \dot{\psi} - \mathscr{L}
\tag{3}
\]
でも、ここで出てくるのは、ハミルトニアンではなく、ハミルトニアン密度
ハミルトニアンは、これを空間で積分した
\[
H = \int \mathscr{H} d{\bf r}
\tag{4}
\]
となる。

ψとψ'を変化させた時のハミルトニアンの変分を考えると、
\[
\delta H = \int \left[
\dot{\psi}\delta\pi + \pi\delta\dot{\psi}
- \frac{\delta L}{\delta\psi} \delta\psi
- \frac{\delta L}{\delta\dot{\psi}} \delta\dot{\psi}
\right] d{\bf r}
\tag{5}
\]

第2項と第4項は、正準運動量の定義から、打ち消しあって消える。
\[
\delta H = \int \left[
\dot{\psi}\delta\pi
- \frac{\delta L}{\delta\psi} \delta\psi
\right] d{\bf r}
\tag{6}
\]

物理的に実現される場は、オイラー・ラグランジュの方程式を満たすから、
\[
\dot{\pi} = \frac{\delta L}{\delta \psi}
\tag{7}
\]
これを(7)に代入して、
\[
\delta H = \int \left[
\dot{\psi}\delta\pi - \dot{\pi} \delta\psi
\right] d{\bf r}
\tag{8}
\]

一方、ハミルトニアンの変分を汎関数微分で表示すると、
\[
\delta H = \int \left[
\frac{\delta H}{\delta \psi} \delta\psi
+ \frac{\delta H}{\delta \pi} \delta\pi
\right] d{\bf r}
\tag{9}
\]

(8)と(9)を比較すると、以下の正準方程式が導かれる。

\[
\dot{\psi} = \frac{\delta H}{\delta \pi}
\tag{10.1}
\]\[
\dot{\pi} = -\frac{\delta H}{\delta \psi}
\tag{10.2}
\]

質点系の正準方程式
\[
\dot{q} = \frac{\partial H}{\partial p}
\tag{11.1}
\]\[
\dot{p} = -\frac{\partial H}{\partial q}
\tag{11.2}
\]
と見比べると、汎関数微分が偏微分になってることを除けば、形は全く同じ。
導出手順がまったく同じなので、当然と言えば当然ですね。

最後に、ハミルトニアンの汎関数微分の表現もラグランジアンの時とまったく同じ手順で得られる。

\[
\frac{\delta H}{\delta \psi} = \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial \psi} - \sum_{x,y,z} \frac{\partial}{\partial x} \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial (\partial\psi/\partial x)}
\tag{12.1}
\]\[
\frac{\delta H}{\delta \pi} = \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial \pi} - \sum_{x,y,z} \frac{\partial}{\partial x} \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial (\partial\pi/\partial x)}
\tag{12.2}
\]

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2013/09/10 19:10
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