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一般のローレンツ変換

相対論的電磁気学に入る前に、
特殊相対論の基本となる一般のローレンツ変換の基礎事項をまとめておきたいと思います。

前には、x軸方向の特殊なローレンツ変換に関する式しか書いてませんしたので・・・
と言っても、一般方向に対するローレンツ変換の具体的な式を導くのは面倒なので、やりません。
抽象的な一般論的な式だけを書いておきたいと思います。


まずは、4元座標の定義から。

時間 t と空間 (x, y, z) をまとめて、以下のように表します。

\[
x^\mu = ( x^0, x^1, x^2, x^3 ) = ( ct, x, y, z )
\tag{1}
\]
時空上の一点(世界点)をこの座標で表すわけですね。
添字が上付きなのは、テンソルの記事(数式で書いた記事イメージを描いた記事)でやったように、
反変ベクトルであることを表しています。

これを別の慣性系から見た場合の座標に変換したものを
\[
x'^\mu = ( x'^0, x'^1, x'^2, x'^3 ) = ( ct', x', y', z' )
\tag{2}
\]
と書くことにして、座標変換を
\[
x'^\mu = a^\mu{}_\nu x^\nu
\tag{3}
\]
と書くことにします。
ここで、アインシュタインの記法を用いているので、
2度以上出てくる添え字νについては和を取ることに注意。

一般に、原点は一致するとは限りませんが、
簡単のために、一致するように原点を選ぶことにします。

特殊相対論によれば、光速度はどの慣性系から見ても同じであるから、
一致した原点から放射された光は、どちらの慣性系から見ても、
半径 ct の球面となって進むことになります。

というわけで、以下の量
\[
s^2 \equiv (ct)^2 - x^2 - y^2 - z^2
\tag{4}
\]
が等しくなるはず。

ここで、以下のように定義されるミンコフスキー計量$G = [ g_{\mu\nu} ]$を導入すると、
\[
G = \left[
\begin{array}{cccc}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]

式(4)の量は、
\[
s^2 = g_{\mu\nu} x^\mu x^\nu = x^\mu x_\mu
\tag{6}
\]
と表されます。

つまり、ローレンツ変換とは、このミンコフスキー計量が保存される変換ということになります。
(内積の不変性に関する以前の記事を参照)

再度、丁寧にやってみると、(6)の量が不変ということは、
\[
g_{\mu\nu} x'^\mu x'^\nu = g_{\rho\lambda} x^\rho x^\lambda
\tag{7}
\]
と書き表せます(わざと左辺と右辺で添え字を変えてあります)

(3)を代入して、
\[
g_{\mu\nu} ( a^\mu{}_\rho x^\rho )( a^\nu{}_\lambda x^\lambda ) = g_{\rho\lambda} x^\rho x^\lambda
\tag{8}
\]
両辺の係数を比較すると、
\[
g_{\mu\nu} a^\mu{}_\rho a^\nu{}_\lambda = g_{\rho\lambda}
\tag{9}
\]

行列表記を用いると、$A = [ a^\mu{}_\nu ]$として、
\[
A^T G A = G
\tag{10}
\]

以前に、内積を保存する変換として求めた条件式と一致してますね。

最後に、ミンコフスキー計量を使った場合の共変成分と反変成分の関係を見ておきます。
\[
A_\mu = g_{\mu\nu} A^\nu
\tag{11}
\]
だから、
\[
A_0 = A^0 \\
A_i = - A^i \ (i=1,2,3)
\tag{12}
\]
時間成分はそのままで、空間成分は符号が変わるだけです。

というわけで、これで準備OK!
次回は、今度こそ本当に、相対論的電磁気学に入ります!

参考文献
[1] 内山龍雄「相対性理論」

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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/15 18:47
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