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4元ポテンシャルに対する相対論的マックスウェル方程式 (1)

今度は、以前に求めた電磁ポテンシャルに対するマックスウェル方程式
\[
-\nabla^2\phi - k_3\frac{\partial}{\partial t}(\nabla\cdot{\bf A}) = 4\pi k_1\rho
\tag{1.1}
\]\[
\Box {\bf A} + \nabla \left( \nabla\cdot{\bf A} + \frac{\alpha}{c^2}\frac{\partial\phi}{\partial t} \right)
= 4\pi k_2\alpha {\bf j}
\tag{1.2}
\]
を相対論形式に書き換えていきます。

これら2つの式を統合したいわけなので、
(1.1)を(1.2)の形に近づけるように変形してみます。
\[
\Box \left( \frac{\alpha}{c}\phi \right)
- \frac{\partial}{\partial(ct)}
\left[ \nabla\cdot{\bf A} + \frac{\partial}{\partial(ct)}\left( \frac{\alpha}{c} \phi \right) \right]
= 4\pi k_2\alpha c\rho
\tag{2}
\]

ここで、電磁ポテンシャルをまとめて、4元ポテンシャルとして
\[
A^\mu \equiv \left( \frac{\alpha}{c}\phi, {\bf A} \right)
\tag{3}
\]
のように定義し、さらに、前回導入した4元電流ベクトル
\[
j^\mu = ( c\rho, {\bf j} )
\tag{4}
\]
を用いると、(3)と(1.2)は以下のようにまとめることができます。
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = 4\pi k_2\alpha j^\mu
\tag{5}
\]
これがポテンシャルに対して記述した相対論的なマックスウェル方程式となります。

ダランベール演算子は、
\[
\Box = \partial^\mu \partial_\mu
\tag{6}
\]
と表せるので、ローレンツ変換に対して不変のスカラーとなることに注意すると、
4元ポテンシャルが反変であることを仮定すれば、
マックスウェル方程式は、ローレンツ共変性を示すことがわかります。

というわけで、
マックスウェル方程式がすべての慣性系から同一に見えるという
マイケルソン・モーリーの実験結果が相対論によってうまく説明できたわけですね!

よく、こんなにうまくいくものだなあ・・・と思ってしまうのですが、
きっと、もともと、こちらの形の方が自然の本質を表していて、
それをスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルに
分けてしまったので、複雑になってしまうということなんでしょうね。

最後に、各種単位系におけるマックスウェル方程式を書いておきます。
MKSA(SI)
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \mu_0 j^\mu
\tag{7.1}
\]
CGSガウス
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \frac{4\pi}{c} j^\mu
\tag{7.2}
\]
HL
\[
\Box A^\mu - \partial^\mu ( \partial_\nu A^\nu ) = \frac{j^\mu}{c}
\tag{7.3}
\]

次回は、ローレンツゲージに対するマックスウェル方程式を見ていこうと思います。

参考文献
[1] J.J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
[2] EMANの物理学
  http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/maxwell.html
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2013/10/21 12:39
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