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連立方程式

最近、お固い記事が続いているので、
久しぶりに、「高校+α」カテゴリの記事でちょっとお遊びを!(笑)

さて、問題です。
次の連立方程式の解を求めよ。

\[
\begin{array}{ccccccccccccccc}
& & b & + & c & + & d & + & e & + & f & = & 5 & \hspace{2cm} & (1) \\
a & & & + & c & + & d & + & e & + & f & = & 5 & \hspace{2cm} & (2) \\
a & + & b & & & + & d & + & e & + & f & = & 5 & \hspace{2cm} & (3) \\
a & + & b & + & c & & & + & e & + & f & = & 5 & \hspace{2cm} & (4) \\
a & + & b & + & c & + & d & & & + & f & = & 5 & \hspace{2cm} & (5) \\
a & + & b & + & c & + & d & + & e & & & = & 5 & \hspace{2cm} & (6)
\end{array}
\]

ひょっとしたら考えたい方がいらっしゃるかもしれないので、
一応、折りたたんでおきますね。





ちゃんと解くには、以下のようにすればOK!
(1)~(6)を全部足して、
\[
5( a + b + c + d + e + f ) = 5 \times 6
\]
より、
\[
a + b + c + d + e + f = 6
\]
この式から(1)を引くと、 a = 1
(2)を引くと、 b = 1
というようにして、順々にすべての解が求まって、解は
\[
a = b = c = d = e = f = 1
\]
となります。

で、実はここからが本題なのですが・・・
この問題は、5秒で解けるでしょうか?

この式をよく見ると、
a, b, c, d, e, f のどの2つの文字を入れ替えても、
連立方程式全体としては変わりません。

数学用語でいえば、a, b, c, d, e, f について対称になっています。

ということは、a, b, c, d, e, f はすべて等価なのだから、
\[
a = b = c = d = e = f
\]
(1)に代入すれば、値が1であることが瞬時に分かります。

という論理は正しいでしょうか?

僕の考えでは、
No です!

たとえば、次の連立方程式を考えてみます。

\[
x + y = 3
\]\[
xy = 2
\]

この方程式は、明らかに x, y について対称ですが、
x = 1, y = 2 という x ≠ y の解が存在します。

これはなぜかというと、x, y を入れ替えた
x = 2, y = 1 というのももうひとつの解であるからなんですね。

この方程式は、片方の文字を消去すると、2次方程式になるので、
解が2つ存在できるわけです。

これから分かることは、
解が複数存在する場合には、x, y について対称であっても、x = y とは限らない!
ってことですね!

逆に、解が唯一であれば、入れ替えても変わらない以上、
同じ値でなければならないので、
解が一意であれば、x, y について対称ならば、x = y である。
と言ってよさそうです。

そこで、初めの連立方程式について、解が一意かどうか確かめてみましょう。

この連立方程式を行列で表してみます。
\[
A = \left[
\begin{array}{cccccc}
0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0
\end{array}
\right]
\]
\[
{\bf x} = [ a, b, c, d, e, f ]^T
\]
\[
{\bf b} = [ 5, 5, 5, 5, 5, 5 ]^T
\]
と定義すると、問題の連立方程式は
\[
A {\bf x} = {\bf b}
\]
と書けます。

線形代数学の連立方程式論によると、
A が正則であれば、解は一意に存在します。
実際、 逆行列 A-1 が存在すれば、解は
\[
{\bf x} = A^{-1} {\bf b}
\]
が唯一の解になります。

正則でない場合には、ベクトル b の値によって、
解が無限に存在するかもしれないし、解がまったく存在しないかもしれません。

ということで、少なくとも
正則であれば、上記の対称性の論理が使えますね!

で、この行列が正則であるかどうか、見ただけで判断できればよいのですが、
僕には、見ただけでは、分かりません・・・(笑)

0と1が反転していれば、単位行列だから、明らかに正則なので、
この行列も持っている情報量としては同じもののように見えます。
(ビットとして考えれば、正論理から負論理に変えるだけですもんね)

そういうわけで、6個の行列はすべて線形独立に見えるんですよね。
でも、それをサクッと示す方法が見つかりません。
(どなたか分かりましたら、ご教示下さい^^)

そこで、泥臭いですが、基本変形をしていこうと思います。
基本変形を行っても、正則性は変化しないので、
正則性を判断しやすい形に変形していこうってわけです。

まず、2~6行目をすべて1行目に加えます。
\[
\left[
\begin{array}{cccccc}
5 & 5 & 5 & 5 & 5 & 5 \\
1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0
\end{array}
\right]
\]

次に、1行目に -1/5 をかけます。
\[
\left[
\begin{array}{cccccc}
-1 & -1 & -1 & -1 & -1 & -1 \\
1 & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1 \\
1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 0
\end{array}
\right]
\]

最後に、2~6行目の各々に、1行目を加えます。
\[
\left[
\begin{array}{cccccc}
-1 & -1 & -1 & -1 & -1 & -1 \\
0 & -1 & 0 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & -1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & -1 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 0 & 0 & -1
\end{array}
\right]
\]

すると、上三角行列になります。
上三角行列の行列式は、対角成分の積だから、
この行列は正則!

というわけで、もとの行列も正則となり、
連立方程式の解は一意的に決まることになり、
上の対称性の論理が使えるということになります。

ただ、この基本変形は上のきちんとした解法と同じことを
行列にしてやってるだけなので、
これが5秒でできれば、5秒で解けるわけですけど、
もっと瞬時に正則と分からないと難しいですよね。。。

結局、5秒で解くのは難しいのでしょうか?(笑)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>高校+α | コメント(0) | 2013/12/25 12:24
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