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4元速度

固有時を導入して、運動状態を記述できるようになったので、
次は速度を定義します。

速度は、位置を時間で微分する代わりに、固有時で微分して、
\[
u^\mu = \frac{dx^\mu}{d\tau}
\tag{1}
\]
と定義。

明らかに4元(反変)ベクトルで、4元速度と呼ぶ。

通常の3次元速度とどういう関係になってるかを調べる。
3次元速度は、
\[
v^i = \frac{dx^i}{dt}
\tag{2}
\]
ここで、i = 1,2,3 であり、vi は反変ベクトルではない。

前記事で見た通り、
\[
d\tau = dt / \gamma
\tag{3}
\]
であるから、(1)式の空間成分は、
\[
u^i = \gamma \frac{dx^i}{dt} = \gamma v^i
\tag{4}
\]
となる。
つまり、4元速度(空間成分)は、通常の3次元的な速度にγを乗じたもの。

この違いは、光速に近づくと、結構大きな違いになる。
光速に近づくと、γは無限大に発散するので、
3次元速度は光速を超えないが、4元速度の空間成分は限りなく大きくなる。

次に、時間成分を見てみる。
やはり、(3)式を利用すると、
\[
u^0 = c \frac{dt}{d\tau} = \gamma c
\tag{5}
\]

ということで、まとめると、
\[
u^\mu = (\gamma c, \gamma {\bf v} )
\tag{6}
\]
となる。

ここで、4元速度の大きさ(ノルム)を計算してみると、
\[
u^\mu u_\mu = \gamma^2 (c^2 - v^2) = c^2
\tag{7}
\]
となり、4元速度の大きさは定数となる。

3次元速度がいくら速くなっても、4元速度の大きさが一定というのは、
一見奇異に感じますが、実は、この「大きさ」というのが
ユークリッド内積で定義されたノルムではなく、
ミンコフスキー内積で定義されたノルムであることがポイント!

ミンコフスキー的なノルムは、
時間成分の2乗と空間成分の2乗の差の形になっているので、
空間成分である3次元速度がいくら大きくなっても、
時間成分の方も同じように大きくなっていけば、
差は一定というわけです。


参考文献
[1] 内山龍雄「相対性理論」(岩波物理テキストシリーズ)
[2] 前野昌弘 相対論2010年度講義録
  http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel2010/tokushu.pdf
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2014/01/30 12:43
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