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輻射の吸収・放出 (2)

状態 k (上準位)と n (下準位)の離散的な2準位( $E_k > E_n$) が存在して、
その準位間のエネルギーに共鳴したスペクトル広がりのある輻射
与えた場合を考える。

前回の結果を利用して、
光子を吸収して、n → k へ遷移する確率は、
\[
w_a = \frac{\pi e^2}{m^2c\omega_{kn}^2} I(\omega_{kn})
\left| \int u_k^* e^{i{\bf k}\cdot{\bf r}} \nabla_A u_n d{\bf r} \right|^2
\tag{1}
\]

光子を放出(誘導放出)して、k → n へ遷移する確率は、
\[
w_e = \frac{\pi e^2}{m^2c\omega_{kn}^2} I(\omega_{kn})
\left| \int u_n^* e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}} \nabla_A u_k d{\bf r} \right|^2
\tag{2}
\]
前記事では、始状態が n 、終状態が k というお約束だったので、
今回は記号が入れ替わっていることに注意!

これを眺めると、違いは、|∫・・・|2 の部分だけ。
というわけで、この部分の違いを見ていくことにする。

(2)の方の積分を変形していく。部分積分を用いて、
\[
\int u_n^* e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}} \nabla_A u_k d{\bf r}
= \int \nabla_A (u_n^* e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}}) u_k d{\bf r}
\tag{3}
\]
無限遠境界で $u_n$, $u_k$ はゼロという条件を用いている。

ここで、
\[
\nabla e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}} = -i{\bf k} e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}}
\tag{4}
\]
で ${\bf k}\cdot{\bf A} = 0$ (横波の条件)だから、(3)は、
\[
\int (\nabla_A u_n^*) e^{-i{\bf k}\cdot{\bf r}} u_k d{\bf r}
\tag{5}
\]
となり、
\[
\left[ \int (\nabla_A u_n) e^{i{\bf k}\cdot{\bf r}} u_k^* d{\bf r} \right]^*
\tag{6}
\]
となる。

この絶対値の2乗を取ると、明らかに、(1) の|∫・・・|2の部分に一致する。 

つまり、
\[
w_a = w_e
\tag{7}
\]
となり、2準位間の吸収と誘導放出の確率は等しい。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
輻射場の半古典論 | コメント(0) | 2014/03/05 12:42
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