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密度演算子 (2)

密度演算子の例を考える。

スピン 1/2 系を考えて、
z 方向上向き |+> 、下向き |-> の固有状態を基底に取る。
\[
|+\rangle = \left[
\begin{array}{c}
1 \\
0
\end{array}
\right]
\tag{1.1}
\]\[
|-\rangle = \left[
\begin{array}{c}
0 \\
1
\end{array}
\right]
\tag{1.2}
\]

例1 z 方向上向き |+> の純粋アンサンブル。
基底となる固有状態の一つだけからなる純粋アンサンブルの例。
\[
\rho = |+\rangle \langle+|
= \left[
\begin{array}{c}
1 \\
0
\end{array}
\right]
[1 0]
= \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 0
\end{array}
\right]
\tag{2}
\]
その固有状態に対応する対角成分だけが1になっている。

例2 x 方向上向きまたは下向き |Sx±> の純粋アンサンブル。
基底となる固有状態でない状態の純粋アンサンブルの例。
\[
|S_x\pm\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}(|+\rangle \pm |-\rangle)
= \frac{1}{\sqrt{2}} \left[
\begin{array}{c}
1 \\
\pm 1
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]
\[
\rho = |S_x\pm\rangle \langle S_x\pm|
= \frac{1}{2}
\left[
\begin{array}{c}
1 \\
\pm 1
\end{array}
\right]
[ 1 \pm 1 ]
= \frac{1}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & \pm 1 \\
\pm 1 & 1
\end{array}
\right]
\tag{4}
\]
今度は、非対角成分も現れてきている。

例3 z 方向上向き・下向き 50% ずつの混合アンサンブル。
基底となる複数の固有状態の混合アンサンブルの例。
\[
\rho = \frac{1}{2}|+\rangle \langle+|
+ \frac{1}{2}|-\rangle \langle-|
= \frac{1}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]

この状況は、x 方向においても、上向き・下向きが 50% ずつ混合されている
とも考えられる。
すなわち、
\[
\rho = \frac{1}{2}|S_x+\rangle \langle S_x+|
+ \frac{1}{2}|S_x-\rangle \langle S_x-|
\tag{6}
\]
を計算すると、同じ密度行列が得られると予想されるが、
実際に、(4)の計算結果を利用して上式を計算すると、
(5)と同じ行列が得られる。

$\rho = I/2$ ( I は単位行列)だから、Sz の統計平均
\[
[ S_z ] = {\rm tr}(\rho S_z) = \frac{1}{2}{\rm tr}S_z = 0
\tag{7}
\]
ここで、
\[
S_z = \frac{\hbar}{2} \left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{8}
\]
を用いた。

スピン上向き、下向きが 50% ずつ含まれるので、Sz の統計平均は0となる。

Sx, Sy についても同様に、
\[
[ S_x ] = [ S_y ] = 0
\tag{9}
\]
となる。
これについては、スピン演算子 Sx, Sy の行列表現を忘れてしまったので、
思い出してから確認しようと思います。


参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/21 01:23
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