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密度演算子 (3)

サクライ[1]には載ってないのですが、
少し偏ったスピンの混合アンサンブルの例についても考えてみます。

|+> が 3/4, |-> が 1/4 混合されている場合。

密度行列は、
\[
\rho = \frac{3}{4} |+\rangle \langle+|
+ \frac{1}{4} |-\rangle \langle-|
= \frac{1}{4} \left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\tag{1}
\]

Sz の統計平均は、
\[
[S_z] = \frac{3}{4}\times \frac{\hbar}{2}
+ \frac{1}{4} \times \left( -\frac{\hbar}{2} \right)
= \frac{\hbar}{4}
\tag{2}
\]
となるはずであるが、そうなるかどうか確認してみる。
\[
\rho S_z = \frac{1}{4} \cdot \frac{\hbar}{2}
\left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & 1
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{cc}
1 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
= \frac{\hbar}{8}
\left[
\begin{array}{cc}
3 & 0 \\
0 & -1
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]
\[
[S_z] = {\rm tr}(\rho S_z) = \frac{\hbar}{4}
\tag{4}
\]

上の例では、
基底に取った固有状態の混合アンサンブルに対して、
その固有状態に関する演算子の統計平均を求めるケースですが、
この場合は、直感的に分かりやすいですね。

一般化すると、密度行列は、
\[
\rho = \left[
\begin{array}{ccc}
w_1 & & 0 \\
& w_2 & \\
0 & & \ddots
\end{array}
\right]
\tag{5}
\]
演算子は、
\[
A = \left[
\begin{array}{ccc}
a_1 & & 0 \\
& a_2 & \\
0 & & \ddots
\end{array}
\right]
\tag{6}
\]
と、どちらも対角化された形になるので、
\[
{\rm tr}(\rho A) = w_1a_1 + w_2a_2 + \cdots
\tag{7}
\]
となり、確かに統計平均になっています。

参考文献
[1] JJサクライ「現代の量子力学」

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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>量子力学 | コメント(0) | 2014/03/21 22:59
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