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有界と全有界

「全有界」でググると、必ず、被覆を使った定義が出てくるので、
本来はそちらで定義すべきなのかもしれませんが、
杉浦[1]の記述に従って、点列を使った定義で話を進めます。

全有界
任意の点列が収束する部分列を含む。

一般の距離空間では、有界と全有界の概念は必ずしも一致しないらしいのですが、
$R^n$ の部分集合では、同値になるそうです。

有界と全有界
$K \subset R^n$ について、
K は全有界である ⇔ K は有界である

(証明概略)
$\Rightarrow$ K が有界でないとすれば、どんな自然数 m を取っても、$|x_m| > m$ となる $x_m$ が存在。
この点列は、無限大に発散するので、部分列も収束しないから、K は全有界ではない。

$\Leftarrow$ n に関する帰納法。
n = 1 の場合は、ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理により、全有界である。
$R^{n-1}$ では成立すると仮定して、$R^n$ の点列 $x_m$ について、
実数列 $x^{(1)}_m$ と $R^{n-1}$ の点列 $x^{(n-1)}_m$ の成分に分けて、$x_m = (x^{(1)}_m, x^{(n-1)}_m)$ と考える。
$R^{n-1}$ の成分は有界だから、帰納法の仮定により収束部分列を持つ。
この収束部分列の実数列成分の中から、ボルツァーノ・ワイヤストラスの定理により、
さらに実数列成分も収束するような部分列を選び出すことができる。
(証明終了)


というわけで、イメージとしては・・・
1次元だと、ボルツァーノ・ワイヤストラスで収束部分列が存在。
2次元の時は、その中からさらに、もう1次元で収束部分列を選べばよい。
3次元の時は、さらにその中からもう一回、収束部分列を選べばよい。
・・・というように、n次元まで選んでいけばよいということですね。
無限個あるのですから、いくらでも選べるわけですね。


参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>解析 | コメント(0) | 2014/04/17 19:36
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