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粒子の総数

非相対論的シュレディンガー方程式の量子化について、
疑問点は残るものの、先へ進みます。

粒子の総数を表す演算子として、
\[
N = \int \psi^\dagger \psi d^3r
\tag{1}
\]
を定義する。これが粒子の総数を表すというのは、
\[
\int \psi^*\psi d^3r = \int |\psi|^2 d^3r
\]
への連想でなんとなく分かるが、はっきりとするのはもう少し後になってから。

この粒子の総数が保存されることを確かめる。
N の時間変化は、
\[
i\hbar \dot{N} = [N, H]
= \left[
\int \psi^\dagger \psi d^3r,
\int \left(\frac{\hbar^2}{2m}\nabla'\psi^\dagger{}'\cdot\nabla'\psi' + V'\psi^\dagger{}'\psi'\right) d^3r'
\right]
\tag{2}
\]
これ、結構大変なのですが、備忘録のつもりで、ちゃんと書いておこうと思います。
まず、ポテンシャル V の項から・・・
Vは数だから、可換性があるので、計算すべきは、
\[
\iint V' [ \psi^\dagger \psi, \psi^\dagger{}' \psi'] d^3r d^3r'
\]
可換でないのは、ψとψ+の間だけだから、
「ψとψ+ '」および「ψ+とψ'」の交換のみが問題となる。
すなわち、 交換関係の部分は、
\[
\psi^\dagger [\psi, \psi^\dagger{}'] \psi'
+ \psi^\dagger{}' [\psi^\dagger, \psi'] \psi \\
= \psi^\dagger \delta(r-r') \psi'
- \psi^\dagger{}' \delta(r-r') \psi
\]
となるから、V' をかけて r ' で空間積分すると
\[
V \psi^\dagger \psi - V \psi^\dagger{} \psi = 0
\]
となり、ポテンシャル項はゼロである。

次に、運動エネルギーの部分ですが、こちらは難しいです。
EMANの物理学掲示板の助けを借りました。

計算すべきは、
\[
\iint [ \psi^\dagger \psi, \nabla'\psi^\dagger{}' \cdot \nabla'\psi' ] d^3r d^3r'
\]
上と同じように変形すると、
\[
\psi^\dagger [\psi, \nabla'\psi^\dagger{}'] \cdot \nabla'\psi'
+ \nabla'\psi^\dagger{}' \cdot [\psi^\dagger, \nabla'\psi'] \psi
\]
ここで、∇' は r' の関数にしか作用しないことに注意すると、
∇' は交換関係の外に出すことができる。
\[
\psi^\dagger \nabla'[\psi, \psi^\dagger{}'] \cdot \nabla'\psi'
+ \nabla'\psi^\dagger{}' \cdot \nabla'[\psi^\dagger, \psi'] \psi \\
= \psi^\dagger \nabla'\delta(r-r') \cdot \nabla'\psi'
- \nabla'\psi^\dagger{}' \cdot \nabla'\delta(r-r') \psi
\]
デルタ関数は数関数だから、
順番を後ろに持っていくことができて、
\[
\left[ \psi^\dagger \nabla'\psi' - (\nabla'\psi^\dagger{}') \psi \right]
\cdot \nabla'\delta(r-r')
\]
順番を変えられるというところはやや自信なしですが、
↑の式は一応、シッフ[1]に掲載されている通りです。

r' の積分に関して、部分積分を使って(表面積分はゼロ)
\[
- \iint
\nabla' \cdot \left[ \psi^\dagger \nabla'\psi' - (\nabla'\psi^\dagger{}') \psi \right]
\delta(r-r') d^3r d^3r'
\]
と変形できる。r' の積分を実行して、
\[
- \int \nabla \cdot \left[ \psi^\dagger \nabla\psi - (\nabla'\psi^\dagger) \psi \right] d^3r
\]
ガウスの定理により、無限遠における表面積分
\[
- \int \left[ \psi^\dagger \nabla\psi - (\nabla\psi^\dagger) \psi \right] dS
\]
に置き換えられるので、結局、運動エネルギー部分もゼロとなる。

以上の計算により、
\[
\dot{N} = 0
\tag{3}
\]
という結果が得られ、
粒子の総数は保存するという非常に合理的な結果が得られることになる。


参考文献
[1] シッフ「量子力学」(下)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>場の量子論 | コメント(0) | 2014/05/11 14:38
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