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調和振動子の行列理論 (5)

昇降演算子の行列要素を計算したい。

以前の議論から、ゼロでない行列要素は、$\langle n-1|a|n\rangle$ および $\langle n|a^\dagger|n-1\rangle$ のみである (*)。
これを求めたい。

前記事から、状態 $|n\rangle$ は規格化されていると仮定すると、
\[
\langle n | a^\dagger a |n\rangle = n
\tag{1}
\]である。さらに、完全性を利用して、
\[
\sum_{n'} \langle n | a^\dagger |n'\rangle\langle n'|a |n\rangle = n
\tag{2}
\]と変形できる。
ここで、上記の(*)に注意すれば、
\[
\langle n | a^\dagger |n-1\rangle\langle n-1|a |n\rangle = n
\tag{3}
\]となる。
これら2つの行列要素は互いに複素共役になっているから、
位相因子を1とすれば、
\[
\langle n | a^\dagger |n-1\rangle = \langle n-1|a |n\rangle = \sqrt{n}
\tag{4}
\]
状態 $|n\rangle$ に作用させたときにどのようになるかという観点で表記すると、
\[
a |n\rangle = \sqrt{n} \ |n-1\rangle
\tag{5.1}
\]\[
a^\dagger |n\rangle = \sqrt{n+1} \ |n+1\rangle
\tag{5.2}
\]
行列で表記すると、
\[
a = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 1 & 0 & 0 & & & \\
0 & 0 & \sqrt{2} & 0 & & & \\
0 & 0 & 0 & \sqrt{3} & & & \\
& & & & \cdot & & \\
& & & & & \cdot & \\
& & & & & & \cdot
\end{array}
\right]
\tag{6.1}
\]\[
a^\dagger = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 0 & 0 & & & & \\
1 & 0 & 0 & & & & \\
0 & \sqrt{2} & 0 & & & & \\
0 & 0 & \sqrt{3} & & & & \\
& & & \cdot & & & \\
& & & & \cdot & &
\end{array}
\right]
\tag{6.2}
\]
これらを用いて、個数演算子の行列表現を計算すると、
\[
a^\dagger a = \left[
\begin{array}{ccccccc}
0 & 0 & 0 & 0 & & & \\
0 & 1 & 0 & 0 & & & \\
0 & 0 & 2 & 0 & & & \\
0 & 0 & 0 & 3 & & & \\
& & & & \cdot & & \\
& & & & & \cdot & \\
& & & & & & \cdot
\end{array}
\right]
\tag{7}
\]となり、予想通り、固有値が n となる。

参考文献
[1] シッフ「量子力学」(上)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
調和振動子 | コメント(0) | 2014/07/08 12:45
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