スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 | --/--/-- --:--

区分行列の行列式 (1)

このところ、相対論的量子力学に足を踏み入れていて、
ディラック方程式を勉強しているところで、
4次正方行列の行列式を計算する必要が出てきました。

余因子展開して、3次に落として、サラスの公式を使うしかないのか・・・と萎えていたら、
2次の区分行列に分割して解く方法があることを知りました。

ただ、上三角や下三角の場合などはいろんなサイトに掲載されているのですが、
一般の場合はあまり載っていません。
参考文献[1]の講義資料が分かりやすかったので、こちらを参考にまとめておきます。

ただし、[1]は導出が簡潔に述べられているだけで、
この記事ではかなり話を勝手に膨らませていますので、要注意!

問題として考えたいのは、
2 n 次正方行列 P を以下のように n 次正方行列 A, B, C, D で区分した時、
その行列式は区分行列を用いて、どのように表しうるか
ということ。
\[
P = \left[
\begin{array}{ll}
A & B \\
C & D
\end{array}
\right]
\tag{1}
\]A~D が行列ではなく、単なる数字ならば、行列式は $|P| = ad-bc$ となります。
これとのアナロジーで、行列であっても、\[
|P| = |AD - BC|
\tag{2}
\]とやっていいでしょうか?
残念ながら、そんな単純な話にはならないようです。
なぜならば、行列の場合は、交換則が成り立たないから。

いったん数字の場合(つまり、P が2次正方行列の場合)を考えてみると、
連立方程式\[
ax + by = 0
\tag{3.1}
\]\[
cx + dy = 0
\tag{3.2}
\]が自明解(x = y = 0) 以外に解をもつためには、行列式がゼロでなければならない。
これを解くことを考えると、(3.1) に d をかけて、(3.2) に b をかけて、引き算することにより、y を消去する。
この時、\[
(ad-bc) x = 0
\tag{4}
\]と、行列式の形が現れる。
これがゼロでないと、(4) より x = 0 となり、さらに y = 0 となって、自明解しか得られなくなる。

同じことを今度は、行列の場合で考えることにする。
\[
Ax + By = 0
\tag{5.1}
\]\[
Cx + Dy = 0
\tag{5.2}
\]ただし、ここでは x と y は n 列の列ベクトルを表していると考える。
同じように、y を消去するために、(5.1) の左から D をかけて、(5.2) の左から B をかけて、
引き算を行う(右からは行列はかけられない)。
すると、\[
(DA-BC) x + (DB - BD) y = 0
\tag{6}
\]となってしまい、行列の非可換性により、y が消去できていないことに気づく。

というわけで、行列式が単純に $|AD-BC|$ とはならないことが想像できます。

そこで少し作戦を変えて、もし D が正則であればという条件がつくが、
(5.2) に左から $BD^{-1}$ をかけてみる。
すると、\[
BD^{-1}Cx + By = 0
\tag{7}
\]となり、(5.1) から引き算することによって、\[
(A - BD^{-1}C) x = 0
\tag{8}
\]というように、y をうまく消去することができる。

上式で、x = 0 でない解を得るには、$|A - BD^{-1}C|$ がゼロでないことが要求されるので、
$|A-BD^{-1}C|$ が P の行列式に関係していることが想像できます。

長くなったので、実際に行列式を求めるのは、次回。

参考文献
[1] 若狭 徹 数学A1(早稲田大) 講義資料 (問題 3.21)
http://www.mns.kyutech.ac.jp/~wakasa/lecture/waseda08/math-a/a1-6.pdf
http://www.mns.kyutech.ac.jp/~wakasa/lecture/waseda08/math-a/a1-ans-4.pdf
スポンサーサイト
ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>線形代数 | コメント(0) | 2014/10/09 12:44
コメント

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。