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相対論的な非弾性衝突の思考実験 (1)

$E=mc^2$ の面白いところを理解するために、
非弾性衝突の思考実験を考えます。
relativistic-collision-01.png

同じ質量 m の2つの粒子 A(左) と B(右) が反対方向から速度 v で衝突する状況を考える。
衝突後、一体となってしまううような完全非弾性衝突を仮定する。

この時、非相対論的には運動量保存から、
衝突後、一体となった粒子の速度はゼロ。
当然のことながら、質量も単純な和となり\[
M = m + m = 2m
\tag{1}
\]である。

衝突後は運動エネルギーはゼロになってしまうので、
もともと持っていた運動エネルギーは熱エネルギーに変換されたと考えられ、
力学的エネルギーは保存されない。

次に、この状況を相対論的に考えると・・・
相対論においても、作用反作用の法則は成立するので、運動量は保存される。

相対論では、エネルギーは4元運動量の時間成分となっているため、
他の座標系から見ると、ローレンツ変換によって、
運動量の一部はエネルギーに見え、エネルギーの一部は運動量に見える
ということが起こりうる。

そのため、運動量は保存するが、エネルギーは保存しないということが許されない。
4元運動量のすべての成分が保存されなければならない。

いま、空間成分としては衝突方向の成分のみを考えることにして、
4元運動量の時間成分と空間成分を記述すると、
衝突前の各粒子の4元運動量は\[
p_A^\mu = ( \gamma mc, \gamma mv) \\
p_B^\mu = ( \gamma mc, -\gamma mv)
\tag{2}
\]衝突後の4元運動量は、\[
P^\mu = (\Gamma Mc, \Gamma MV)
\tag{3}
\]と書くことができる。ただし、\[
\gamma = 1/\sqrt{1- (v/c)^2} \\
\Gamma = 1/\sqrt{1-(V/c)^2}
\tag{4}
\]である(γを大文字で書いた例は見たことがないですが・・・)

ここで、4元運動量の保存則\[
p_A^\mu + p_B^\mu = P^\mu
\tag{5}
\]の空間成分は、\[
\gamma mv - \gamma mv = \Gamma MV
\tag{6}
\]となり、$V = 0$ が得られ、やはり相対論においても、
衝突後は静止することが分かる。
(このことは、左右の対称性を考えても、自明)
さらに、(4) より、$\Gamma = 1$ である。

さて、次に保存則 (5) の時間成分を見てみる。\[
\gamma mc + \gamma mc = Mc
\tag{7}
\]すなわち、\[
M = 2\gamma m
\tag{8}
\]$\gamma > 1$ だから、この式は、
衝突後の質量が各粒子の質量の和よりも大きくなっていることを示している。
これは、熱エネルギーに変換された分、質量が増加したと解釈できる。

このように考えることで、別の座標系から見てもつじつまの合った結果が得られる、
すなわち、ローレンツ変換しても保存則が成立していることを
次回、見ていこうと思います。

参考文献
[1] 前野昌弘 相対論2010年度講義録
http://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/rel2010/tokushu.pdf
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物理>特殊相対論 | コメント(0) | 2014/10/15 12:45
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