コンパクトと有界閉集合 (2)
次に、「有界閉集合であれば、コンパクトである」ことを示す。
(証明概略)
背理法を用いて、有界閉集合 K がコンパクトでないと仮定。
K のある開被覆 $(U_\lambda)$ から、いかなる有限個を選んでも、K を被覆できない
と仮定して、矛盾を導く。
K は有界であるから、ある n 次元有界閉区間 $I_0$ に含まれる。
これを $2^n$ 分割すると、いずれかの区間に含まれる K の部分は有限個の $U_\lambda$ で被覆できない。
このような区間を選び出し、$I_1$ とする。
順次、分割を繰り返し、$I_2, I_3, \cdots, I_m, \cdots$ を選び出していく。
区間縮小法により、$I_m$ に含まれる K の元 $x_m$ は ある値 c に収束する。
よって、$c \in \bar{K}$。
しかるに、K は閉集合であるから、$c \in K = \bar{K}$。
c は K の元となるから、少なくともいずれか一つの$U_\lambda$ の元である。
さらに、$U_\lambda$ は開集合であるから、c のあるε近傍は$U_\lambda$ に含まれる。
一方、m を十分大きくとれば、$I_m$ の大きさをε以下にすることができて、
$I_m \subset U(c,\varepsilon) \subset U_\lambda$ とできる。
この結果は、「$I_m$ に含まれる K の部分を有限個の $U_\lambda$ では被覆できない」
とした上述の事実に矛盾する。
(証明終了)
参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
(証明概略)
背理法を用いて、有界閉集合 K がコンパクトでないと仮定。
K のある開被覆 $(U_\lambda)$ から、いかなる有限個を選んでも、K を被覆できない
と仮定して、矛盾を導く。
K は有界であるから、ある n 次元有界閉区間 $I_0$ に含まれる。
これを $2^n$ 分割すると、いずれかの区間に含まれる K の部分は有限個の $U_\lambda$ で被覆できない。
このような区間を選び出し、$I_1$ とする。
順次、分割を繰り返し、$I_2, I_3, \cdots, I_m, \cdots$ を選び出していく。
区間縮小法により、$I_m$ に含まれる K の元 $x_m$ は ある値 c に収束する。
よって、$c \in \bar{K}$。
しかるに、K は閉集合であるから、$c \in K = \bar{K}$。
c は K の元となるから、少なくともいずれか一つの$U_\lambda$ の元である。
さらに、$U_\lambda$ は開集合であるから、c のあるε近傍は$U_\lambda$ に含まれる。
一方、m を十分大きくとれば、$I_m$ の大きさをε以下にすることができて、
$I_m \subset U(c,\varepsilon) \subset U_\lambda$ とできる。
この結果は、「$I_m$ に含まれる K の部分を有限個の $U_\lambda$ では被覆できない」
とした上述の事実に矛盾する。
(証明終了)
参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
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