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自由電磁場のハミルトニアン (1)

ラグランジアンが分かったので、続いて、ハミルトニアンを導きます。

前記事により、ラグランジアン密度は\[
\mathscr{L} = \frac{1}{2} \left[
\left( \nabla \phi + \frac{\dot{\bf A}}{c} \right)^2
- (\nabla \times {\bf A} )^2 \right]
\tag{1}
\]
A に正準共役な運動量は\[
{\bf P} = \left(
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{A_x}},
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{A_y}},
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \dot{A_z}}
\right)
\tag{2}
\]であり、これらを計算すると、\[
{\bf P} = \frac{1}{c} \left( \nabla \phi + \frac{\dot{\bf A}}{c} \right)
\tag{3}
\]となる。

一方、ラグランジアン密度 (1) は $\dot{\phi}$ を含まないから、
Φに正準共役な運動量は恒等的に0となり、正準変数として使えない。
非相対論的シュレディンガー方程式の量子化をした時と同様、
Φは、ハミルトニアンから消去しなければならない。

このあたりはよく理解できていません。
一般に、正準運動量が恒等的に0になった場合に、
必ず、ハミルトニアンから消去できるのか?
それとも、何らかの方法を見つけて、消去しなければならないのか?
今後の宿題にしておいて、先に進みます。

ラグランジアン密度からハミルトニアン密度を導く手続きを思い出しておく。\[
\mathscr{H} = {\bf P} \cdot \dot{\bf A} - \mathscr{L}
\tag{4}
\]
(1), (3) を用いて、実際に計算していく。(3) より\[
\dot{\bf A} = c( c{\bf P} - \nabla \phi)
\tag{5}
\]となることを用いて、$\dot{\bf A}$ を消去して、ハミルトニアン密度は、\[
\mathscr{H} = \frac{1}{2}c^2{\bf P}^2 + \frac{1}{2}(\nabla \times {\bf A})^2 - c{\bf P}\cdot \nabla \phi
\tag{6}
\]となる。
これから、ハミルトンの運動方程式を導くことができる。
たとえば、正準変数 $(A_x, P_x)$ の組に関しては、\[
\dot{A_x} = \frac{\delta H}{\delta P_x} \\
\dot{P_x} = - \frac{\delta H}{\delta A_x}
\tag{7}
\] となる(y, z 成分についても同様)。
H はハミルトニアン密度ではなく、ハミルトニアンそのもの。\[
H = \int \mathscr{H} d^3r
\tag{8}
\]汎関数微分については、ハミルトニアン密度を用いて、\[
\frac{\delta H}{\delta \psi}
= \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial \psi}
- \sum_{x,y,z} \frac{\partial}{\partial x} \frac{\partial \mathscr{H}}{\partial(\partial_x \psi)}
\tag{9}
\]のように計算する。実際に (7) の計算を行ってみると、第一式は、\[
\dot{\bf A} = c^2 {\bf P} - c\nabla\phi
\tag{10}
\]これより、 (3) と同じ ${\bf P}$ と $\dot{\bf A}$ の関係式が得られる。

このことはきっと、通常の力学におけるハミルトニアン
$H = p^2/2m + V(x)$ から
運動方程式の一つ $\dot{x} = \partial H/\partial p$ を解いて、
$p = m\dot{x}$ という p と $\dot{x}$ の関係式が得られるのと同じ事情。

第二式については、前記事の途中経過を再利用して計算すると、\[
\dot{\bf P} = -\nabla \times \nabla \times {\bf A}
\tag{11}
\]となる。

(10)、すなわち (3) から\[
{\bf P} = \frac{1}{c} \left(
\nabla\phi + \frac{\dot{\bf A}}{c} \right)
= -\frac{\bf E}{c}
\tag{12}
\]また、${\bf B} = \nabla \times {\bf A}$ より、(11) はマックスウェル方程式の一つ\[
\nabla \times {\bf B} - \frac{1}{c} \frac{\partial {\bf E}}{\partial t} = 0
\tag{13}
\]に帰着する。

残りのマックスウェルのうち2つは、電磁ポテンシャルの定義から自動的に成立するので、
導かれていないマックスウェル方程式は、\[
\nabla\cdot {\bf E} = 0
\tag{14}
\]のみ。
ラグランジュ形式では導かれたのに、ハミルトン形式では導かれないのは、
たぶん、Φが正準変数になりえなかったからだと思う。

実はこのことは問題ないらしい。
というのは、(13) の発散を取ると、\[
\frac{\partial}{\partial t} (\nabla \cdot {\bf E}) = 0
\tag{15}
\]となる。初期条件として、(14) を満たす解のみを扱うことにすると、
常に (14) が成立することになるというわけである。

きっと、この話は、砂川 [3] に載っていたこの話のことですね!

今回の話は分かったような分からんような・・・
あんまりすっきりとはしませんが、とりあえず、先へ進みます。


参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
[2] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
[3] 砂川重信「電磁気学」(岩波物理テキストシリーズ)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>電磁気学 | コメント(0) | 2015/01/03 11:28
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