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電磁場の量子化 (1)

ついに、本丸の電磁場の量子化に突入でございます!

シッフ[1] を先読みしたのですが、ここからがかなり険しい道になりそう(汗)

とりあえず、やる宣言です!!!

これからも電荷・電流のない自由電磁場を仮定する。

まずは、場の(正準)量子化の基本的手続きを思い出しておく。

場の変数 $\psi_s$ (s は場の変数が複数あった時の添字)と、
その正準共役な運動量 $\pi_s$ があったとすると、
それに以下の正準交換関係を適用する。\[
[ \psi_s (r,t), \pi_{s'} (r',t) ] = i\hbar \delta_{ss'} \delta^3(r-r')
\tag{1.1}
\]\[
[ \psi_s (r,t), \psi_{s'} (r',t) ] = [\pi_s (r,t), \pi_{s'}(r',t) ] = 0
\tag{1.2}
\]
場は、それ自身の共役なものとだけ非可換であって、
それ以外はすべて可換。
粒子系において、$x$ と $p_x$、 $y$ と $p_y$ などだけが非可換で
それ以外はすべて可換というのと同じなので、分かりやすい。

今回は、場の変数としては $A_x$, $A_y$, $A_z$ の3つ。
$A_x$ と $P_x$, $A_y$ と $P_y$, $A_z$ と $P_z$ のみが非可換で、
それ以外はすべて可換ということになる。

Φは場の変数として使えないので、 $\phi = 0$ となるようにゲージを選んでおく。
自由電磁場の場合は、一般性を失わずに、$\phi = 0$ とできることは
以前に確認した(こちらの記事こちらの記事を参照)

交換関係は、\[
[ A_x, P'_x ] = [ A_y, P'_y ] = [ A_z, P'_z ] = i\hbar \delta^3 (r-r')
\tag{2}
\]ここで、$A_x = A_x(r,t)$、$P'_x = P_x(r',t)$ などと略記した。
これ以外の関係はすべて可換。

$A_x$ に対して、量子論的な運動方程式を立てると、\[
i\hbar \dot{A_x} = [ A_x, H ]
\tag{3}
\]
前記事で得たハミルトニアンの具体的な表式\[
H = \frac{1}{2} \int \left[ c^2 {\bf P}^2 + (\nabla \times {\bf A})^2 \right] d^3r
\tag{4}
\]を用いて、(3) の計算を実行すると、\[
i\hbar \dot{A_x} = \frac{c^2}{2} \int [A_x, {P'_x}^2 ] d^3r'
\tag{5}
\]となる。積分の中にある交換関係は、\[
[A_x, {P'_x}^2 ] = P'_x [A_x, P'_x] + [A_x, P'_x] P'_x = 2i\hbar P'_x \delta^3(r-r')
\tag{6}
\]と計算できて、結局、(5) は\[
\dot{A_x} = c^2 P_x
\tag{7}
\]となる。他の成分も同様で、\[
\dot{\bf A} = c^2 {\bf P}
\tag{8}
\]となり、古典論で得られた式(前記事の (10) )\[
\dot{\bf A} = c^2 {\bf P} - c\nabla\phi
\tag{9}
\]で $\phi = 0$ としたものに一致する。

次に、$P_x$ についても同様にやればよいのですが、
どうやら結構、面倒らしいので、次の記事にします。


参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
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電磁場の量子化 | コメント(0) | 2015/01/05 23:47
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