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電磁場の量子化 (2)

$P_x$ についても同様に量子論的な運動方程式を立てる。\[
i\hbar \dot{P_x} = [P_x, H]
\tag{1}
\]ハミルトニアンを再掲すると、\[
H = \frac{1}{2} \int \left[ c^2 {\bf P}^2 + (\nabla \times {\bf A})^2 \right] d^3r
\tag{2}
\]だから、\[
i\hbar \dot{P_x} = \frac{1}{2} \int [P_x, (\nabla' \times {\bf A'})^2 ] d^3r'
\tag{3}
\]今度は交換関係の計算がちょっとめんどくさそうだが、とりあえず、回転の部分を書き下す。
\[
\begin{array}{l} (\nabla \times {\bf A})^2 \\ = (\partial_y A_z - \partial_z A_y)^2 + (\partial_z A_x - \partial_x A_z)^2 + (\partial_x A_y - \partial_y A_x)^2 \end{array}
\tag{4}
\]
ここで、今回は $\partial_x$ や $A_x$ などがすべて演算子だから、
これを普通に展開しちゃって大丈夫か?

と悩んでしまったのですが、考えてみたら、
$A_x$ などは物理量の場としてのハイゼンベルク的な演算子で、
$\partial_x$ などは場の空間依存性に対して作用しているだけの演算子だから、
まったく意味が異なるんですね。

何を言ってるかというと、$(\partial_x A_y)(\partial_y A_x)$みたいな演算で、
一個目の偏微分が2個目の括弧まで作用したりしないのかと心配したわけなのですが、
そこは気にする必要はなさそう。
というわけで、上記の例は、$A_x$ と $A_y$ さえ可換であれば、2つの括弧は可換である。

以上を踏まえて・・・
$P_x$ と非可換なのは、$A_x$ だけだから、(4) のうち、関係する項は、\[
(\partial_z A_x)^2 \\ -2(\partial_z A_x)(\partial_x A_z)\\ (\partial_y A_x)^2\\ -2(\partial_y A_x)(\partial_x A_y)
\tag{5}
\]

一番目のものと $P_x$ の交換関係を考えると、\[
[P_x, (\partial'_z A'_x)^2] = (\partial'_z A'_x)[P_x, \partial'_z A'_x] + [P_x, \partial'_z A'_x](\partial'_z A'_x)
\tag{6}
\]そして、\[
[P_x, \partial'_z A'_x] = \partial'_z [P_x, A'_x] = -i\hbar \partial'_z \delta^3(r-r')
\tag{7}
\]

ここで、かなり持ち時間を消費してしまいましたが、
実はこの後の計算が分からなくて、ずっと悩んでました^^;
掲示板で質問して、ようやく理解できました。
というわけで、残り一手30秒以内で頑張ります(笑)

(7) を (6) に入れると、\[
[P_x, (\partial'_z A'_x)^2] = -2i\hbar (\partial'_z \delta^3(r-r')) (\partial'_z A'_x)
\tag{8}
\]同様に、\[
[P_x, (\partial'_y A'_x)^2] = -2i\hbar (\partial'_y \delta^3(r-r')) (\partial'_y A'_x)
\tag{9}
\]クロスタームの方は $A_x$ に関係ない因子を外に出すだけだから、\[
[P_x, -2(\partial'_z A'_x)(\partial'_x A'_z)] = 2i\hbar (\partial'_z \delta^3(r-r')) (\partial'_x A'_z)
\tag{10}
\]\[
[P_x, -2(\partial'_y A'_x)(\partial'_x A'_y)] = 2i\hbar (\partial'_y \delta^3(r-r')) (\partial'_x A'_y)
\tag{11}
\]
これらを全部足し合わせると、\[
[P_x, (\nabla' \times {\bf A}')^2]
= 2i\hbar \left[ (\nabla' \delta^3) \cdot (\partial'_x {\bf A}') - (\nabla' \delta^3) \cdot (\nabla' A'_x) \right]
\tag{12}
\]とまとめることができる。

ここからどうすればよいのか分からなかったのですが、
部分積分(グリーンの定理)を使うんですね。

たとえば、第一項については、\[
(\nabla' \delta^3) (\partial'_x {\bf A}')
= \nabla' \cdot (\delta^3 \partial'_x {\bf A}' ) - \delta^3 (\nabla' \cdot \partial'_x {\bf A}')
\tag{13}
\]を用いて、さらにこの右辺第一項は積分するとガウスの定理より表面積分に変わる。
デルタ関数は無限遠でゼロであるから表面積分は消えて、
結局、(12) の第一項の空間積分は、\[
-2i\hbar \int \delta^3 (\nabla' \cdot \partial'_x {\bf A}') d^3r'
\tag{14}
\]となり、\[
-2i\hbar \nabla \cdot \partial_x {\bf A}
\tag{15}
\]となる。さらに、微分を入れ替えて、\[
-2i\hbar \partial_x (\nabla \cdot {\bf A})
\tag{16}
\]
第二項についても、全く同様に積分を行うと、\[
2i\hbar \nabla^2 A_x
\tag{17}
\]となる。これらを (12) に代入して、ベクトル解析の公式\[
\nabla \times \nabla \times {\bf A} = \nabla (\nabla \cdot {\bf A}) - \nabla^2 {\bf A}
\tag{18}
\]を用いると、(3) の運動方程式は、\[
\dot{\bf P} = - \nabla \times \nabla \times {\bf A}
\tag{19}
\]となり、マックスウェル方程式のもう一つの式に一致する。

というわけで、
ハミルトニアンから出発して、古典論的な運動方程式と量子論的な運動方程式の
いずれからも、マックスウェル方程式が導かれる
ことが分かった。

参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
[2] 井上 健 監修、三枝 寿勝・瀬藤 憲昭 著 「量子力学演習(シッフの問題解説)」
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電磁場の量子化 | コメント(0) | 2015/01/07 00:17
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