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グラフェンのバンド構造 (1)

グラフェン、面白いですね。
すっかりハマってしまいました(笑)

前の絵だと分かりにくかったので、別のソフト(Igor)でバンドを描画してみた。

理論式は、前回と違って、文献 [1] の通りに、
a を隣接原子との間隔 a = 1.42 Å としたもの\[
E^\pm = \gamma_0 \sqrt{
1 + 4\cos \frac{3k_x a}{2} \cos \frac{\sqrt{3} k_ya}{2} + 4\cos^2 \frac{\sqrt{3} k_ya}{2} }
\tag{1}
\]を用いて、a = 1 とし、γ0 = 3 (eV) とした。

このソフトだと、上下2つのバンドを同時に表示できないので、一つずつ。

伝導帯 (Conduction Band)
graphene-CB.png
価電子帯(Valence Band)
graphene-VB.png
針のようにとがってるところが、互いにくっついているディラック点と思われる。

2次元濃淡表示で見ると、
graphene-CB2D.png
graphene-VB2D.png

ちゃんと、逆格子が六角形の蜂の巣構造になってますね。
こんな式で、六角形の構造が出てくるのが不思議。
・・・というより、こんな簡単な式でバンドが計算できるのも不思議。
(もちろん、近似してるからではありますが・・・)

図中、b1, b2 が逆格子ベクトル。
六角形がちょうど、ブリルアンゾーンになっている。
六角形の頂点にあたるのが、K点とK'点らしい。

Γ点とK, K'を結ぶ線で切った断面をグラフにしてみた。
graphene-band-gamma-K.png

K点とK'点で2つのバンドがくっついていて、ディラックコーンを形成しているのが分かる。

ここでの傾きがキャリアの群速度を表していて、
とてつもなく速く、106 m/s (光速の1/300) にもなるらしいですね。
次回、計算してみようと思っています。

ところで、話が変わりますが、
[3] の解説資料は、グラフェンの光物性についての概略が
とても分かりやすくまとめられていて、すごく参考になりました。


数式はほとんど使わず、言葉だけで説明されていて、
グラフェンに限らない一般的な光物性に関する知識を得るのに
とても役立ちます。
おすすめです!

参考文献
[1] A. J. Legett "Graphene: Electronic band structure and Dirac fermions"
http://web.physics.ucsb.edu/~phys123B/w2015/leggett-lecture.pdf
[2] J.- N. Fuchs, M. O. Goerbig, "Introduction to the Physical Properties of Graphene"
http://web.physics.ucsb.edu/~phys123B/w2015/pdf_CoursGraphene2008.pdf
[3] 齋藤 理一郎 「グラフェンの光電子物性」
http://flex.phys.tohoku.ac.jp/~rsaito/Kaisetu/graphene12.pdf


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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>物性・固体物理 | コメント(2) | 2015/02/20 18:28
コメント
No title
グラフェンの話題、ありがとうございます。
理論的にも応用面でも、おもしろそうですよね。
ぼくも数学の傍ら、参考資料など読んで、固体物理、勉強し直しますわ。
もう四半世紀もやってない(汗)。
いもむしさんへ
グラフェンは、ほんとに特異な性質を示す面白い物質ですね。
高速なトランジスタなど将来的な応用も
いろいろ期待されそうです。

こんな変な形のバンド構造が出てくるというのがわりと
簡単な式で理解できるようで、
バンドの計算方法を知りたいなと思っています。
僕もとりあえず、強結合近似の復習中です(笑)

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