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古典場のネーターの定理 (2)

ネーターの定理の導出の続き。

作用の変化の式に出てくる被積分関数\[
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \phi} \delta\phi
+ \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial_\mu \phi)}
\{ \partial_\mu \delta \phi - (\partial_\mu \delta x^\nu) \partial_\nu \phi \}
+ (\partial_\mu \delta x^\mu) \mathscr{L}
\tag{1}
\]を料理していく。

リー微分なるものを導入する。\[
\delta^* \phi(x) = \phi'(x) - \phi(x)
\tag{2}
\]リー微分とはなんぞや?と、Wikipediaの「リー微分」 [2] を見てみましたが、
何を言ってるのかさっぱり分かりません(笑)
とりあえず、柏 [1] に書いてある通り、(2) のようなものとして進めます。

元々の変分は、\[
\delta \phi(x) = \phi'(x') - \phi(x)
\tag{3}
\]で、\[
\phi'(x') - \phi'(x) = \delta x^\mu \partial_\mu \phi(x)
\tag{4}
\]であるから、\[
\delta \phi = \delta^* \phi + \delta x^\mu \partial_\mu \phi
\tag{5}
\]という関係になる。

これを (1) に代入して、\[
(\partial_\mu \delta^* \phi) \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial_\mu \phi)}
= \partial_\mu \left( \delta^* \phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial_\mu \phi)} \right)
- \delta^* \phi \partial_\mu \left( \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial (\partial_\mu \phi)} \right)
\tag{6}
\]を用いると、(1) は、\[
\delta^*\phi \left\{
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial\phi}
- \partial_\mu \left(\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)} \right)
\right\} \\
+ (\partial_\mu \delta x^\mu) \mathscr{L}
+ \partial_\mu \left( \delta^*\phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)} \right) \\
+ \delta x^\mu \left\{
\partial_\mu \partial_\nu \phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\nu \phi)}
+ \partial_\mu \phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial \phi}
\right \}
\tag{7}
\]と変形できる。

1段目の{・・・}には、オイラー・ラグランジュ(EL)方程式が現れている。
古典軌道を通るときは、ゼロになって消えるが、今は残しておく。

3段目の{・・・}は、L が $\mathscr{L}(\phi, \partial_\nu \phi)$ であることを考えると、\[
\partial_\mu \mathscr{L} \equiv \frac{\partial}{\partial x^\mu} \mathscr{L}(\phi(x), \partial_\nu \phi(x))
\tag{8}
\]に置き換わることが分かる。
この置き換えを用いて、さらに、\[
(\partial_\mu \delta x^\mu) \mathscr{L}
+ \delta x^\mu \partial_\mu \mathscr{L}
= \partial_\mu (\delta x^\mu \mathscr{L})
\tag{9}
\]を用いると、結局、(7) は、\[
\delta^*\phi \left\{
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial\phi}
- \partial_\mu \left(\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)} \right)
\right\} \\
+ \partial_\mu \left \{
\delta x^\mu \mathscr{L}
+ \delta^*\phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)}
\right\}
\tag{10}
\]となる。

その結果、作用の変化は、\[
\delta S = \int_\Omega \left[
\delta^*\phi \left\{
\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial\phi}
- \partial_\mu \left(\frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)} \right)
\right\} \\
+ \partial_\mu \left \{
\delta x^\mu \mathscr{L}
+ \delta^*\phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)}
\right\}
\right] d^4x
\tag{11}
\]と表される。

EL方程式が満足されている古典軌道の条件において、
座標と場の無限小変分に対して、作用が不変であるならば、
積分区間Ωの任意性より、\[
\partial_\mu \left \{
\delta x^\mu \mathscr{L}
+ \delta^*\phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)}
\right\} = 0
\tag{12}
\]の条件が成立しなければならない。\[
\delta J^\mu \equiv \delta x^\mu \mathscr{L}
+ \delta^*\phi \frac{\partial \mathscr{L}}{\partial(\partial_\mu \phi)}
\tag{13}
\]をネーターカレントと呼び、以下の連続の方程式\[
\partial_\mu \delta J^\mu = 0
\tag{14}
\]が成立することになる。

これは、電磁気学における電荷保存則と全く同じ形。
つまり、この式は保存則を表す。

(14) を時間と空間成分に分けると、\[
\frac{1}{c} \frac{\partial}{\partial t} \delta J^0 + \nabla \cdot {\bf J} = 0
\tag{15}
\]空間で積分すると、\[
\frac{1}{c} \frac{\partial}{\partial t} \int_{\Omega_3} \delta J^0 d^3x
= -\int_{\partial \Omega_3} \delta {\bf J} \cdot d{\bf S}
\tag{16}
\]ここで、$\Omega_3$ は空間部分の領域で、$\partial \Omega_3$ はその境界面。
\[
\delta Q \equiv \int_{\Omega_3} \delta J^0 d^3x
\tag{17}
\]を変換の生成子と呼ぶと、\[
\frac{1}{c} \frac{\partial}{\partial t} \delta Q = -\int_{\partial \Omega_3} \delta {\bf J} \cdot d{\bf S}
\tag{18}
\]となり、領域を空間全体に取ると、表面積分はゼロとなるので、\[
\frac{1}{c} \frac{\partial}{\partial t} \delta Q = 0
\tag{19}
\]となり、生成子の保存則を表す。

この生成子というのがよくわかりませんが、他の文献 ([3] など)で
ネーターチャージと呼ばれているものと同じだろうか?

以上より、
系が無限小変換に対して対称性を示すならば、保存則が得られる。
というネーターの定理を導くことができた。

ようやく、概略がつかめた感じなので、もう少し他の文献などを見て、
理解を深めたいところです。


参考文献
[1] 柏 太郎 「新版 演習 場の量子論」
[2] Wikipedia 「リー微分」
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%BE%AE%E5%88%86
[3] Wikipedia 「ネーターの定理」
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%90%86
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ネーターの定理 | コメント(0) | 2015/03/24 23:38
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