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次元の一意性 (2)

前回、議論したように、次の定理を文献 [1] の方法で、線形空間の公理から示します。

定理
ある基底が n 個のベクトルから構成されるならば、
任意に選んだ n+1 個以上のベクトルは線形従属である。


まず、前段階として、以下の補題を示すことにする。

補題
有限集合 S が n 個のベクトルからなる極大線形独立系を持つならば、
S の任意の n+1 個以上のベクトルは線形従属である。


極大線形独立系とは、線形独立なベクトルの組で、
集合の任意の元がそれらの線形結合で表せるようなもの。
(たぶん、基底と同じだけど、全体の集合が線形空間でなくてもよい)

補題が定理と異なるのは、有限個の元を持つ集合だということ。
これにより、元の個数に関して数学的帰納法が使える。

(補題の証明)
S の元の個数 k に関する数学的帰納法を用いる。
k-1 で成立するとする。

極大線形独立系を $E = \{ e_1, \cdots, e_n \}$ として、
m 個の線形独立な S の元の集合 $F = \{f_1, \cdots, f_m \}$ を考える。
$F \subset E$ ならば、明らかに、m ≦ n 。

$F \subset E$ でないとすると、
E には含まれない F の元が存在し、それを $f_m$ とする。

F から $f_m$ を取り除いたものを $F' = \{ f_1, \cdots, f_{m-1} \}$ とし、
S から $f_m$ を取り除いたものを S' とすると、S' の元の個数は k-1 であるため、
帰納法の仮定により、S' については補題が成立。

E は S' の極大線形独立系でもあるから、
m-1 ≦ n すなわち、m ≦ n+1 である。

そこで、m ≠ n+1 を示せば、補題は示される。
m = n+1 と仮定して、矛盾を導くことにする。

この時、F' の元は n 個となるから、F' は S' の極大線形独立系である。
なぜなら、S' に対しては補題が成立しているので、
n+1 個のベクトルは必ず、線形従属である。
F' に含まれない S' の任意の元と F' のすべての元を合わせたものは
n+1 個となるので、線形従属である。
つまり、S' の任意の元は、F' の元の線形結合で表されることになるからである。

$E \subset S'$ であるから、E の元は、F' の元の線形結合で表される。
一方、E は S の極大線形独立系であるから、
$f_m \in S$ は E の元の線形結合で表され、その結果、F' の元の線形結合で表される。

このことは、$f_1, \cdots, f_m$ が線形従属であることを示し、矛盾である。
(証明終了)

次に、補題を用いて、定理を示す。

(定理の証明)
基底を $E = \langle e_1, \cdots, e_n \rangle$ として、
線形独立な m 個のベクトルの集合 $F= \{ f_1, \cdots, f_m \}$ を考える。

集合 $S = E \cup F$ を考えると、S は有限集合であるから、
補題が成立し、m ≦ n である。
(証明終了)


いやあ、トリッキーですよね!
一個一個の論理は理解できますが、
全体的には煙に巻かれた気にしかなりませんね・・・

線形独立関係の証明はどれもこういう煙に巻かれる感じのものが多いですよね・・・(^^:A


参考文献
[1] 斎藤正彦 「線型代数入門」(東大出版会)
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数学>線形代数 | コメント(0) | 2015/05/27 07:04
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