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行列の階数

行列の階数(定義)

行列 A に対して、適当な左右基本変形を繰り返し施せば、\[
PAQ = F(r) \equiv \left[
\begin{array}{cc}
E_r & O \\ O & O
\end{array}
\right]
\tag{1}
\]と変形できる。このとき、r を行列 A の階数(rank)と呼び、
rank A または、r(A) と表記する。
ここで、$E_r$ は r 次単位行列、P と Q はそれぞれ左右の基本行列の積。

このように変形可能なことは、基本変形を繰り返して、
掃き出していけばよいだけなので、自明であるが、
気になるのは、階数の一意性
階数が well-defined であるためには、一意的でなければならない。

以下、変形の手順によらず、階数が一意的であることを示す。

(一意性の証明)
異なる基本変形を施して、F(r) と F(s) になったとして、r = s を示す。
ここで、r ≦ s を仮定しても、一般性を失わない。

基本変形は可逆なので、F(r) と F(s) は互いに基本変形で結ばれる。
すなわち、ある正則行列 P と Q を用いて、\[
PF(r)Q = F(s)
\tag{2}
\]とできる。

r 行 r 列で区分して、
\[
P = \left[
\begin{array}{cc}
P_{11} & P_{12} \\ P_{21} & P_{22}
\end{array}
\right]
\hspace{5em}
Q = \left[
\begin{array}{cc}
Q_{11} & Q_{12} \\ Q_{21} & Q_{22}
\end{array}
\right]
\tag{3}
\]と書くことにすると、\[
PF(r)Q = \left[
\begin{array}{cc}
P_{11} Q_{11} & P_{11} Q_{12} \\ P_{21} Q_{11} & P_{21} Q_{12}
\end{array}
\right]
\tag{4}
\]となるから、(2) より ( r ≦ s )\[
P_{11} Q_{11} = E_r \\
P_{11} Q_{12} = O \\
P_{21} Q_{11} = O
\tag{5}
\]となる。

(5) の第一式より、$P_{11}$、$Q_{11}$ は正則であるから(こちらの記事参照)、
第二式、第三式より、$Q_{12} = P_{21} = O$ が得られ、
(4) の区分行列における4つ目の成分は、$P_{21} Q_{12} = O$ となる。

これより、F(r) = F(s) すなわち、r = s が言える。
(証明終了)

参考文献
[1] 斎藤正彦 「線型代数入門」(東大出版会)
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数学>線形代数 | コメント(0) | 2015/05/29 07:34
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