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誘電分極 (2)

前回誘電分極についての疑問が解けました!
だいたい困った時にはJackson [1] を見るのですが、
今回も Jackson が教えてくれました。

いや、いい本ですね!
一度初めからきっちりと読んだ方がいいんでしょうけど、
やはり読む気がしない^^;

というわけで、Jackson [1] の説明に従って、記事にしていきます。

まずは、静電ポテンシャルの多重極展開を考える。
x' にある電荷密度が点 x に作るポテンシャルΦ(x) は、\[
\phi({\bf x}) = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \left[
\frac{q}{r} + \frac{{\bf p}\cdot{\bf r}}{r^3} + \cdots
\right]
\tag{1}
\]と表せる。
ここで、${\bf r} = {\bf x}-{\bf x'}$ で、
q は電荷\[
q = \int \rho({\bf x'}) d^3{\bf x'}
\tag{2}
\]p は双極子\[
{\bf p} = \int {\bf x'} \rho({\bf x'}) d^3{\bf x'}
\tag{3}
\]を表す。
・・・の部分は四重極子以降の高次の多重極による寄与。

この式については見覚えある気がするのですが、確認してません。
球面調和関数で展開するか、1/r をそのままテーラー展開して
導けるそうなのですが、後日確認することにして、先へ進みます。

ここで重要なのは、多重極の寄与がない、または無視できるような状況であれば、
r が近い距離でも・・・の部分は落として構わないということ。

というわけで、落として、\[
\phi({\bf x}) = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \left[
\frac{q}{r} + \frac{{\bf p}\cdot{\bf r}}{r^3}
\right]
\tag{4}
\]と考える。

(以降、めんどくさいので、x や x' などの太字は省略する)

さて、ここで巨視的には十分微小でかつ微視的にはある程度平均化されているような
微小体積 $d^3x'$ を考える。

恐らく、ここが前記事のコメントでいもむしさんが悩まれていた箇所だと思うのですが、
僕はわりとざっくりで気になりません(笑)
そういう意味ではいもむしさんの高度な悩みの解決にはなってないですね・・・^^;

この微小体積の中では体積密度として N 個の微視的双極子 p が存在しているとして、\[
{\bf P}(x') = N(x') \langle {\bf p}(x') \rangle
\tag{5}
\]とする(< > は平均化操作を示す)。

これは前記事の (7) 式で与えた微視的描像ですね。
ここから前記事の (4) 式\[
{\bf D} = \varepsilon_0 {\bf E} + {\bf P}
\tag{6}
\]の巨視的描像を導いていきます。

このような微小体積を仮定すると、(4) 式は\[
\phi(x) = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \int \left[
\frac{\rho(x')}{r} + \frac{{\bf P}(x') \cdot{\bf r}}{r^3}
\right] d^3x'
\tag{7}
\]と書きなおせる。
第二項は、\[
\frac{\bf r}{r^3} = - \nabla \frac{1}{r} = \nabla' \frac{1}{r}
\tag{8}
\]を用いて、\[
{\bf P}(x') \cdot \nabla' \frac{1}{r}
\]となるので、さらに部分積分を用いて ∇' を P の方に持っていくと、(7) は\[
\phi(x) = \frac{1}{4\pi\varepsilon_0} \int
\frac{\rho(x') - \nabla' \cdot {\bf P}(x')}{r} d^3x'
\tag{9}
\]と変形できる。
これを見ると、$-\nabla'\cdot {\bf P}$ が分極電荷を表していることが分かる。

ここからは、以前に静電場の記事でやったのと同じ。\[
\nabla \cdot {\bf E} = -\nabla^2 \phi
\tag{10}
\]と\[
\nabla^2 \frac{1}{r} = -4\pi \delta^3 ({\bf r})
\tag{11}
\]を用いると(∇は x' には作用しないことに注意)、デルタ関数の効果で積分が外れて、\[
\nabla\cdot{\bf E}(x) = \frac{\rho(x) - \nabla \cdot {\bf P}(x)}{\varepsilon_0}
\tag{12}
\]となり、\[
\nabla \cdot [ \varepsilon_0 {\bf E}(x) + {\bf P}(x) ] = \rho(x)
\tag{13}
\]を得て、(6) の巨視的描像が導かれる。

というわけで、長年の謎が解けて、すっきりです!^^

こういう分極の説明、他書では見ないんですよね。
やっぱ、Jackson すごい!

参考文献
[1] J. D. Jackson "Classical Electrodynamics"
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>電磁気学 | コメント(2) | 2015/08/10 19:18
コメント
No title
ぼくの疑問は高度とは思いませんが(^^;)、一次元モデルはほぼ完全に解決しました。単純な確率計算でばっちり合った、という感じです。ところが問題を二次元に変えただけで、劇的に難しくなってしまって(そういうことはよくある)、この問題を考えるのは当面やめておこうと思いました(笑)。


それから Jackson は電磁気のテキストのなかでは最高峰に位置するでしょうね。

参照されている Jackson のページは

4.3 Elementary Treatment of Electrostatics with Ponderable Media

でしょうか。(ponderable は見慣れない英語だと思いますが)。

ぼくも dyne さんの記事とともにちょっと勉強してみます。

6.6 Derivation of the Equations of Macroscopic Electromagnetism

も面白そうですね。
いもむしさんへ
一次元だけでも解決できてよかったですね!
二次元にしたら途端に難しくなる・・・ありがちですね^^;
むしろ、二次元から三次元への拡張よりも壁がありますよね。

参照しているページは、おっしゃる通り、こちらです。
>4.3 Elementary Treatment of Electrostatics with Ponderable Media

"ponderable" は確かに聞き覚えなくて、検索してみたら、
英語の掲示板でも 「Jackson の ponderable ってどういう意味だ?」
と質問している人がいて、苦笑してしまいました。
そして、その回答を読んだのですが、結局理解できませんでした(笑)

>6.6 Derivation of the Equations of Macroscopic Electromagnetism

は、僕の持っている版(第2版)では、6.7 なのですが、
興味深い内容ですね。

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