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誘電率と屈折率

このところ、誘電分極のことを理解しようとしていたのは、
光物性やプラズモニクスについて勉強したくて、
基礎的なところを整理したかったというのが動機です。

まずは、誘電率屈折率の関係について、整理しておきます。
単位系は引き続き、SI です。

電場がそれほど強くないときは、分極はおおむね電場に比例すると考えてよい。\[
{\bf P} = \varepsilon_0 \chi {\bf E}
\tag{1}
\]この時の比例係数 $\chi$ を電気感受率と呼ぶ。
電束密度は、\[
{\bf D} = \varepsilon_0 {\bf E} + {\bf P} = \varepsilon_0 (1 + \chi) {\bf E}
\tag{2}
\]で表されるから、\[
\varepsilon = \varepsilon_0 (1 + \chi)
\tag{3}
\]を誘電率と定義すると、\[
{\bf D} = \varepsilon {\bf E}
\tag{4}
\]と表せる。
また、真空の誘電率との比\[
\varepsilon_r = \varepsilon / \varepsilon_0
\tag{5}
\]を比誘電率と呼ぶ。

ここまでが定義。
マックスウェル方程式では、$\varepsilon_0$ が $\varepsilon$ に置き変わるので、
そこから得られる電磁波の速度を v とすると、\[
v^2 = \frac{1}{\varepsilon \mu_0} = \frac{c^2}{\varepsilon_r}
\tag{6}
\]となる。
一方、屈折率を n とすると、\[
v = c / n
\tag{7}
\]であるから、比誘電率と屈折率の間には、\[
n^2 = \varepsilon_r
\tag{8}
\]の関係が導かれる。

(4) で位相遅れまでを考慮すると、誘電率は複素数になる。
それに応じて、屈折率も複素数となる。
これらを実部と虚部に分けて、\[
\varepsilon_r = \varepsilon_{1r} + i\varepsilon_{2r}
\tag{9}
\]\[
\varepsilon = \varepsilon_1 + i\varepsilon_2
\tag{10}
\]\[
n = n_1 + i n_2
\tag{11}
\]と書くことにする。
(8) に代入して、実部と虚部を等置すると、\[
\varepsilon_{1r} = n_1^2 - n_2^2
\tag{12.1}
\]\[
\varepsilon_{2r} = 2n_1n_2
\tag{12.2}
\]を得る。

逆に、n について解く。\[
n_1^2 + n_2^2 = \sqrt{(n_1^2 - n_2^2)^2 + 4n_1^2n_2^2} = \sqrt{\varepsilon_{1r}^2 + \varepsilon_{2r}^2}
\tag{13.1}
\]\[
n_1^2 n_2^2 = \varepsilon_{2r}^2 / 4
\tag{13.2}
\]であるから、$n_1^2$, $n_2^2$ は2次方程式\[
x^2 - \sqrt{\varepsilon_{1r}^2 + \varepsilon_{2r}^2} x + \varepsilon_{2r}^2 / 4 = 0
\tag{14}
\]の解であり、\[
n_1^2 = \frac{1}{2} \left( \varepsilon_{1r} + \sqrt{\varepsilon_{1r}^2 + \varepsilon_{2r}^2} \right)
\tag{15.1}
\]\[
n_2^2 = \frac{1}{2} \left( -\varepsilon_{1r} + \sqrt{\varepsilon_{1r}^2 + \varepsilon_{2r}^2} \right)
\tag{15.2}
\]と解くことができる。

参考文献
[1] 小林浩一「光物性入門」(裳華房)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[自然科学
物理>物性・固体物理 | コメント(0) | 2015/08/11 12:48
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