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偏微分可能性と全微分可能性 (2)

むしろ、逆が興味深いです。

方向微分可能(あるいは偏微分可能)であれば、
微分可能(全微分可能)であるか?
そうとは限らない。


しかし、
偏微分可能ですべての偏導関数が連続ならば(つまり C1 級ならば)、
微分可能である。


以下の2段階で証明する。

(1) 実数値関数 $f : A \in R^n \rightarrow R$ について、
C1級ならば微分可能である。

(2) ベクトル値関数 $f : A \in R^n \rightarrow R^m$ について、
以下の2つは同値である。
(a) 成分 $f_i$ (i=1,...,m) が微分可能である。
(b) f が微分可能である。

(1) の証明概略
方針としては、$f(x)$ から $f(x+h)$ までの変化を見るにあたり、
$x \in R^n$ の成分を一つずつ動かしていって、平均値の定理を用いる。
\[
h(i) = [ 0, \cdots, 0, h_i, \cdots, h_n ]^T
\]なるベクトル(i=1,..., n+1)を定義すると( h(1) = h, h(n+1) = 0)、\[
f(x+h) - f(x) = \sum_{i=1}^n [ f(x+h(i)) - f(x+h(i+1)) ]
\]平均値の定理より、\[
f(x+h) - f(x)
= \sum_{i=1}^n h_i \frac{\partial f}{\partial x_i} (x + \tilde{h}(i))
\]\[
\tilde{h}(i) = [ 0, \cdots, 0, \theta_i h_i, h_{i+1}, \cdots, h_n ]^T
\]なる $0<\theta_i<1$が存在する。
これを用いて、\[
\Delta(x) = \frac{1}{|h|} \left|
f(x+h) - f(x) - \sum_{i=1}^n h_i \frac{\partial f}{\partial x_i}(x) \right|
\]を計算すると、\[
\Delta(x) = \frac{1}{|h|} \left|
\sum_i h_i \left\{
\frac{\partial f}{\partial x_i} (x + \tilde{h}(i)) - \frac{\partial f}{\partial x_i} (x)
\right\}
\right|
\]となるが、|・・・| の中身は h と {・・・} の内積だから、
シュワルツの不等式より、|h| と {・・・} のノルムの積より小さいので、
\[
\Delta(x) \leq
\left[
\sum_i \left|
\frac{\partial f}{\partial x_i} (x + \tilde{h}(i)) - \frac{\partial f}{\partial x_i} (x)
\right|^2
\right]^{1/2}
\]
$h\rightarrow 0$ の時、 $\tilde{h}(i) \rightarrow 0$ であり、
f の偏微分は連続である(C1級)という仮定から、$\Delta(x) \rightarrow 0$ となる。
(証明終了)

(2) の証明概略
$f'(x)$ の第 i 行ベクトルを $f'_i(x)$ とすると、\[
\lim_{h\rightarrow 0, h\neq 0}
\frac{f_i(x+h) - f_i(x) - f'_i(x) h}{|h|} = 0
\]と\[
\lim_{h\rightarrow 0, h\neq 0}
\frac{f(x+h) - f(x) - f'(x) h}{|h|} = 0
\]は同値である。
(証明終了)

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
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数学>解析 | コメント(0) | 2015/09/20 20:09
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