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2変数のテイラーの定理 (2)

実際に、テイラー展開を求める練習をしておきたいので、
[1] に掲載されている練習問題を解いてみます。

以下の実関数の $x=y=0$ の周りでのテイラー展開を求めよ。\[
f(x,y) = \frac{1}{1-x-y+xy}
\tag{1}
\]


\[
f(x,y) = \frac{1}{(1-x)(1-y)}
\tag{2}
\]より、\[
\frac{\partial^m f}{\partial x^r \partial y^{m-r}}(x,y)
= \frac{r!(m-r)!}{(1-x)^{r+1} (1-y)^{m-r+1}}
\tag{3}
\]となるから、\[
\frac{\partial^m f}{\partial x^r \partial y^{m-r}}(0,0) = r!(m-r)!
\tag{4}
\]
ここで、剰余項 (第 k 項)が k→∞ でゼロに収束することを
確認する必要がありますが、これが意外と難しかったようです。

うっかり、適当に問題を選んでしまいましたが、この関数形は
テイラーの定理で示したラグランジュの剰余項ではうまくいかないようです(汗)
資料 [2] によると、コーシーの剰余項という別の形の剰余項を
使わないと示せないらしいですね。

この資料では、一変数の場合を扱ってますが、
これの多変数形式を考えるのは非常に面倒だし、
ここではテイラー展開の練習をしたいだけなので、
|x| < 1、|y| < 1 において剰余項はゼロに収束することは前提として、
証明は省略したいと思います。

2変数のテイラー展開の式 ( |x| < 1、|y| < 1 ) は、\[
f(x,y) = \sum_{m=0}^\infty \sum_{r=0}^m
\frac{1}{r!(m-r)!} \frac{\partial^m f}{\partial x^r \partial y^{m-r}}(0,0) x^r y^{m-r}
\tag{5}
\]となるから、これに (4) を代入して、\[
f(x,y) = \sum_{m=0}^\infty \sum_{r=0}^m x^r y^{m-r}
\tag{6}
\]となる。

今回は、多変数のテイラー展開の練習が目的でしたが、
この式は別の方法でも導けます。

一変数のテイラー展開、または等比級数の和の式から、|x| < 1 において、\[
\frac{1}{1-x} = \sum_{r=0}^\infty x^r
\tag{7}
\]同様に、|y| < 1 において、\[
\frac{1}{1-y} = \sum_{s=0}^\infty y^s
\tag{8}
\]f(x,y) はこれらの積であるから、\[
f(x,y) = \left( \sum_{r=0}^\infty x^r \right)
\left( \sum_{s=0}^\infty y^s \right)
\tag{9}
\]
ここで、絶対収束する無限級数 $\sum_r a_r$, $\sum_s b_s$ の和の積は、\[
\left( \sum_{r=0}^\infty a_r \right) \left( \sum_{s=0}^\infty b_s \right)
= \sum_{m=0}^\infty \sum_{r=0}^m a_r b_{m-r}
\tag{10}
\]と書けること(証明略)を利用すると、(6) が得られる。

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
[2] 穂坂秀昭 演習資料
http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~hosaka/2012_summer/20120605.pdf
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/13 00:24
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