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整級数の収束半径 (1)

というわけで、複素数体 C 上の整級数について勉強しています。

整級数(べき級数)

\[
\sum_{n=0}^\infty a_n (z-a)^n \hspace{5em} z, a, a_n \in C
\tag{1}
\]


収束半径

以下を満たす 0 ≦ R ≦ +∞ が一意に存在する。
(1) |z-a| < R ならば、整級数は絶対収束する。
(2) |z-a| > R ならば、整級数は発散する。

ただし、z = a では必ず収束するから、
それ以外すべての z で発散する場合は R = 0 とし、
C 全体で収束する場合は R = +∞ と約束する。


(証明概略)
(1) 収束するすべての点 z に関する |z-a| の値の集合を A とする。
A が上に有界ならば、R = sup A とおく。有界でなければ、R = +∞ とする。

R > 0 ならば、上限の定義より、$|z-a| < R$ となる任意の z に対して、
$|z-a| < |z_0-a| \leq R$ かつ整級数が収束する点 $z_0$ が存在する。

注:[1] では$|z-a| < |z_0-a| < R$ となっていますが、
$\leq R$ でないと存在しない場合があるような気が・・・


$\sum a_n (z_0 - a)^n$ は収束し、数列 $|a_n(z_0-a)^n|$ は有界(≦ M)である。\[
|a_n(z-a)^n| \leq M \left|\frac{z-a}{z_0-a} \right|^n
\]となり、$0 < |(z-a)/(z_0-a)| < 1$ であるから、
この級数は z で絶対収束する。

R = 0 ならば、収束するのはz = a のみである。

(2) |z-a| > R ならば、上限の定義より、収束する点の集合に属さない、すなわち発散する。

一意性については、もし、R < R' なる2つの収束半径が存在するならば、
R < |z-a| < R' なる z に対して、収束かつ発散することになり矛盾。
(証明終了)

以上は、参考文献 [1] に従った証明です。
せっかく前記事でやった収束判定法を使って、\[
|a_n (z-a)^n| \leq |a_n (z_0-a)^n|
\]で右辺の級数は収束するから、左辺も収束する
と言ってもいいのではないかと思ったのですが、
$z_0$ では「絶対収束」するとは仮定してないから、
右辺も収束するかどうか分からないんですね。

逆に集合Aを決める時に、絶対収束する集合と仮定してしまうと、
(2) の証明で絶対収束しないとしか言えなくなってしまうので、それも困る。
というわけで、このような証明法になったのでしょうね。

こういう薄氷を踏むように進むところが数学の醍醐味であり、
どこで足元をすくわれるか分からない怖さでもあったりするんですよね(^^;

参考文献
[1] 杉浦光夫「解析入門I」(東大出版会)
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ジャンル:[学問・文化・芸術]  テーマ:[数学
数学>解析 | コメント(0) | 2015/10/28 07:25
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