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電磁場の量子化 (8)

前回、導入した演算子 q, p を用いて、ハミルトニアンを書き表す。

ハミルトニアンは以下の通り。

\[
H = \frac{1}{2} \int \left[ c^2 {\bf P}^2 + (\nabla \times {\bf A})^2 \right] d^3r
\tag{1}
\]


A と P は演算子 q, p を用いて、以下のように表せる。

\[
{\bf A}(r,t) = \sum_{k\lambda} [ q_{k\lambda}(t) {\bf u}_{k\lambda}(r) + q_{k\lambda}^\dagger(t) {\bf u}_{k\lambda}^*(r) ]
\tag{2.1}
\]\[
{\bf P}(r,t) = \sum_{k\lambda} [ p_{k\lambda}(t) {\bf u}_{k\lambda}(r) + p_{k\lambda}^\dagger(t) {\bf u}_{k\lambda}^*(r) ]
\tag{2.2}
\]


これを (1) に代入していくわけであるが、
その前に、u や u* の積分を見ておく。

正規直交性を持つように定義していたので、\[
\int {\bf u}^*_{k\lambda} \cdot {\bf u}_{k'\lambda'} d^3r = \delta_{kk'} \delta_{\lambda\lambda'}
\tag{3}
\]
また、${\bf u}^*_{k\lambda} = {\bf u}_{-k\lambda}$ であるから、\[
\int {\bf u}_{k\lambda} \cdot {\bf u}_{k'\lambda'} d^3r
= \int {\bf u}^*_{k\lambda} \cdot {\bf u}^*_{k'\lambda'} d^3r
= \delta_{k,-k'} \delta_{\lambda\lambda'}
\tag{4}
\] であり、k の和は k 空間全体の半分で取るから、(4) の積分はすべてゼロになる。

(注) 波動的な電磁場のみを考えているから、k = 0 の成分はないと考えているのだと思う。

これを踏まえて、さらに、p と p+ が可換であることを考慮して、
$P^2$ の積分の項を計算すると、\[
\int {\bf P}^2 d^3r = 2 \sum_{k\lambda} p_{k\lambda} p^\dagger_{k\lambda}
\tag{5}
\]
次に、$\nabla\times{\bf A}$ の項を計算するには、
$(\nabla \times {\bf u}^*_{k\lambda}) \cdot (\nabla \times {\bf u}_{k'\lambda'})$ などの計算をしておく必要がある。\[
\nabla\times {\bf u}_{k\lambda}
= L^{-3/2} \nabla e^{ i {\bf k\cdot r}} \times \varepsilon_{k\lambda}
= i{\bf k} \times {\bf u}_{k\lambda}
\tag{6}
\]であり、${\bf u}^*_{k\lambda} = {\bf u}_{-k,\lambda}$ より、\[
\nabla\times {\bf u}^*_{k\lambda}
= -i{\bf k} \times {\bf u}^*_{k\lambda}
\tag{7} \]である。
ベクトル解析の公式\[
({\bf a}\times{\bf b})\cdot({\bf c}\times{\bf d})
= ({\bf a}\cdot{\bf c})({\bf b}\cdot{\bf d}) - ({\bf a}\cdot{\bf d})({\bf b}\cdot{\bf c})
\tag{8}
\]を用いると、\[
(\nabla\times{\bf u}^*)\cdot(\nabla\times{\bf u'})
= ({\bf k \cdot k'})({\bf u}^* \cdot {\bf u'}) - ({\bf k \cdot u'})({\bf k'} \cdot {\bf u}^*)
\tag{9}
\]となる。ただし、プライム記号は添え字が $k'\lambda'$ であることを示すこととする。
上記第一項は、空間積分すると、正規直交性 (3) と (4) より、\[
\int ({\bf k \cdot k'})({\bf u}^* \cdot {\bf u'}) d^3r
= k^2\delta_{kk'}\delta_{\lambda\lambda'}
\tag{9}
\]第二項については、\[
({\bf k \cdot u'})({\bf k'} \cdot {\bf u}^*)
= L^{-3} e^{i({\bf k}-{\bf k'})\cdot{\bf r}} ({\bf k} \cdot \varepsilon')({\bf k'}\cdot \varepsilon)
\tag{10}
\]として、exp 部分を空間積分すると、周期的境界条件より $\delta_{kk'}$ となり、
和を取ると、k = k' の部分しか残らない。
しかし、その場合は、k・ε = 0 であるから、結局、第二項の寄与はゼロとなる。

$(\nabla \times {\bf u})\cdot(\nabla \times {\bf u'})$ や$(\nabla \times {\bf u}^*)\cdot(\nabla \times {\bf u'}^*)$ の項については、
前述したとおり、$\delta_{k,-k'}$ となり、kの和を半空間で取っていることからゼロとなる。

以上より、ハミルトニアンは以下のように計算される。

\[
H = \sum_{k\lambda} \left[
c^2 p_{k\lambda} p^\dagger_{k\lambda} + k^2 q_{k\lambda} q^\dagger_{k\lambda}
\right]
\tag{11}
\]



・・・という式変形がシッフ [1] ではたった数行の言葉で書かれているだけなんですけど・・・(;д;)
(6) 以降の式変形は完全に我流です。

ちなみに、サクライ [2] では、(6) の置き換えを使わずに、
∇のまま、ガウスの定理を巧みに使って計算していてエレガントです。
サクライっぽい!(笑)


参考文献
[1] シッフ 「量子力学」(下)
[2] J. J. Sakurai "Advanced Quantum Mechanics"
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電磁場の量子化 | コメント(0) | 2015/11/06 19:34
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