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∫ 電磁誘導のガリレイ不変性

前回、単位系に依存しないマックスウェル方程式を導出しましたが、
これから、係数の依存関係を求めていきます。

一つ目は、電磁誘導のガリレイ不変性から。

厳密には、マックスウェル方程式は相対論的なローレンツ不変性が成立しますが、
Jacksonにならって、ここでは、v/c << 1 の範囲で、
近似的に非相対論的なガリレイ不変性で考えて、係数の依存関係を求めます。

考えたいのは、このような話。

induction-lorentz-invariance.jpg

電磁誘導を考えた時、磁石の方を動かしても、回路の方を動かしても、
同じだけの誘導起電力が発生します。

高校物理では、回路の内部を貫く磁束はどちらも同様に変化するから
同じ現象という扱いで、さらっと説明されていると思いますが、
これは実は、

「回路が静止した座標系(左図)と磁石が静止した座標系(右図)の
どちらの系から見ても、電磁気学の法則は不変である」


という相対性原理を前提としている話。

というわけで、相対性原理(ガリレイ不変性)を前提すると、
係数にどのような依存関係が出てくるかを見ていきます。

induction-gallilean-invariance.jpg


図のように、回路 C が実験室系に対して、速度 v で動いている
状況を考える。

実験室系から見た場合も、回路とともに動く座標系から見た場合も、
以下の法則が成立する。

\[
\int_C {\bf E}\cdot d{\bf s} = -k_3 \frac{d}{dt}\int_S {\bf B}\cdot d{\bf S} \tag{1}
\]

実験室系で見た場合、
磁束の変化は、実際に各点の磁場が変化していること
($\partial{\bf B}/\partial t$ による効果)に起因するので、

\[
\int_C {\bf E}\cdot d{\bf s} = -k_3 \int_S \frac{\partial{\bf B}}{\partial t} \cdot d{\bf S} \tag{2}
\]

一方、回路とともに動く系で見た場合、
磁束の変化は、回路Cが動くことによる位置の変化による磁場の変化
も考慮しなければならない。

回路内部の磁場のトータルな変化は、
もともとの各点の磁場の変化に加えて、回路が動くことによる変化が加わる。

\[
\frac{d{\bf B}}{dt} = \frac{\partial{\bf B}}{\partial t}
+ ({\bf v}\cdot\nabla){\bf B} \tag{3}
\]

ベクトル解析の公式
\[
\nabla\times({\bf a}\times{\bf b})
= {\bf a}(\nabla\cdot{\bf b}) - {\bf b}(\nabla\cdot{\bf a})
+ ({\bf b}\cdot\nabla){\bf a} - ({\bf a}\cdot\nabla){\bf b} \tag{4}
\]
を用いて、
\[
\nabla\times({\bf B}\times{\bf v})
= ({\bf v}\cdot\nabla){\bf B} - {\bf v}(\nabla\cdot{\bf B}) \tag{5}
\]
となるから、(v は一定)

\[
\frac{d{\bf B}}{dt} = \frac{\partial{\bf B}}{\partial t} + \nabla\times({\bf B}\times {\bf v}) \tag{6}
\]

ここで、マックスウェル方程式から $\nabla\cdot{\bf B} =0$ を用いた。

これを最初の式(1)に代入して、ストークスの定理を用いて整理すると、

\[
\int_C ({\bf E}' - k_3 {\bf v}\times{\bf B})\cdot d{\bf S}
= -k_3 \int_S \frac{\partial{\bf B}}{\partial t}\cdot d{\bf S} \tag{7}
\]

ただし、E' は、回路とともに動く系から見た誘導電場で、
実験室系から見た誘導電場 E と区別するために、' をつけた。

(2)と(7)を比較すると、

\[
{\bf E} = {\bf E}' - k_3{\bf v}\times{\bf B}
\]
すなわち、
\[
{\bf E}' = {\bf E} + k_3{\bf v}\times{\bf B} \tag{8}
\]

つまり、実験室系から見た場合には、
誘導電場に加えて、$k_3 {\bf v}\times{\bf B}$ という追加項が付加されることが分かる。

これは、実際に回路が存在した場合に、
電荷が動くことによるローレンツ力と解釈することができるので、

以前の記事に登場したローレンツ力の式

\[
{\bf E} = \frac{\bf F}{q} = \frac{1}{\alpha} {\bf v}\times{\bf B} \tag{9}
\]

と比較すると、

\[
k_3 = \frac{1}{\alpha} \tag{10}
\]

という関係式が得られる。

これで、係数の依存関係が一つ求められました。


参考文献
J.D.Jackson Classical Electrodynamics
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物理>電磁気学 | コメント(2) | 2013/04/16 23:47
コメント
本題とは全く関係ないんですけど・・
こういう図が描きたかったんですね!笑
結局Excelなんですか~?
Sleepingさんへ
>本題とは全く関係ないんですけど・・
>こういう図が描きたかったんですね!笑
そうなんですよ。
>結局Excelなんですか~?
ExcelやPower point(使ってるエンジンはおそらく同じ)で描きました。
磁石の部分の直方体とか、ベクトルの矢印とか、
初めからコンポーネントがある程度そろっているので、
下手に高級な描画ソフト使うより描きやすいですね(笑)
FC2のお絵かきエディターがもう少し高機能だといいんですけどね、
あまりにひどすぎると思いません???(笑)

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