FC2ブログ

∫ 量子力学の行列形式 (1)

せっかく、対角化の記事を書いたところなので、
量子力学でどう使うかについてまで、
まとめておこうかなと思ったのですが、
意外にどう書いたらいいか難しいですね!

※この記事は、シッフの「量子力学」を参考にしています。


量子力学的状態は、抽象的なベクトルで表現できる。

Diracが考案したブラケット記法を用いることにして、
たとえば、ある状態αをベクトルとして、|α>と表す。
(このベクトルを「ケット」と呼ぶ)

ハミルトニアンHの固有値Ekに対する固有状態を |k> と書くことにすると、
\[
H |k\rangle = E_k |k\rangle
\]

Hはエルミートだから、|k> を正規直交基底とすることができ、
完全系であれば、任意の状態αを次のように展開することができる。
\[
|\alpha\rangle = \sum_k a_k |k\rangle
\]

この展開係数を並べると、成分表示になり、ベクトルっぽく見えてくる。
\[
|\alpha\rangle = (a_1, a_2, \cdots, a_k, \cdots)^T
\]

同じように、|k>をこの成分表示で表すと、
\[
\begin{array}{lll}
& \downarrow k & \\
|k\rangle = ( 0, 0, \cdots, 0, & 1, & 0, \cdots )^T
\end{array}
\]
という風に、k番目だけが1になった単位ベクトルである。

ところで、正規直交基底の取り方なんて、他にもいくらでもありうるから、
これ以外の成分表示で表すことも出来る。

たとえば、ハミルトニアン以外の別のある物理量演算子Ωの
固有状態を基底にとることを考える。
固有値をωμに対する固有状態を|μ> と書くと、
\[
\Omega |\mu\rangle = \omega_\mu |\mu\rangle
\]

物理量演算子なので、エルミートだとすると、
やはり、正規直交基底とすることができて、
完全性を仮定すると、状態αを
\[
|\alpha\rangle = \sum_\mu b_\mu |\mu\rangle
\]
のようにも展開することができる。

同様に、成分表示にすると、
\[
|\alpha\rangle = (b_1, b_2, \cdots, b_\mu, \cdots )^T
\]

今度は、基底自体を成分表示すると、|k>の時と同様に、
\[
\begin{array}{lll}
& \downarrow \mu & \\
|\mu\rangle = ( 0, 0, \cdots, 0, & 1, & 0, \cdots )^T
\end{array}
\]

この|μ> を基底に取った表示では、
もはや、|k> は先ほどのようにきれいな形では表せない。
(すべての成分に値を持つことになる)

まだ対角化はでてきませんが、とりあえず、今回はここまで。
スポンサーサイト



物理>量子力学 | コメント(0) | 2011/04/18 22:26
コメント

管理者のみに表示