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共変と反変 (2)

前回の記事で、「共変」と「反変」について、まとめてみましたが、
似たような数式だらけになってしまって、非常に見にくくなってしまったので(いつものこと・・・汗)、
もう一度、僕が理解している範囲で、エッセンスだけを抜き出してみたいと思います。
(あくまでも、僕の理解ですから、要注意・・・)

ベクトルの成分とは、基底で展開した係数のこと。

(ベクトル) = (成分1)×(基底1) + (成分2)×(基底2)+・・・

つまり、基底を決めてやれば、成分が決まる。

ここまではベクトルの一般的な話なので、よいとして・・・
ここで、基底を別の基底に変換することを考える。

例えば、基底を2倍に変換して、左辺のベクトルを保存するためには、
当然、成分を1/2にする必要があるであろう。

もっと一般的な場合でも、基底にある変換を施して、ベクトルを保存するためには、
成分にその逆変換を施す必要がある。

つまり、成分は、基底の逆の変換を受ける。
そこで、この成分をベクトルの「反変成分」と呼ぶ。



次に、もともとの基底に対して、新たに、双対基底という別の基底を導入する。

双対基底とは、このような条件を満足する基底。(・は内積を表す)

(基底1)・(双対基底1) =(基底2)・(双対基底2)=・・・= 1

(基底1)・(双対基底2)=(基底2)・(双対基底1)=・・・= 0

たとえば、(双対基底1)は、
(基底1)以外のすべての基底(基底2)、(基底3)・・・と直交する方向を持ち、
(基底1)との内積が1になるような大きさを持つ。


同様にして、(双対基底2)、(双対基底3)、・・・を順次作ることができる。



このような双対基底を作っておいて、
基底を別の基底に変換したら、双対基底はどのように変換されるかを考える。

(基底1)・(双対基底1) =(基底2)・(双対基底2)=・・・= 1

の内積の値が保たれなければならないから、
基底が2倍されたら、双対基底は1/2になるというように、

双対基底は、基底とは逆の変換を受けることが分かる。



ここで、今度は、双対基底に対して、ベクトルを展開してみる。

(ベクトル)= (成分1)×(双対基底1)+(成分2)×(双対基底2)+・・・

そして、基底の変換によって、この成分はどのような変換を受けるかを考えてみる。

前述の議論から、

成分は、双対基底の変換と逆の変換を受け・・・

その双対基底はというと、基底の変換と逆の変換を受けるので、

結局、この成分は、「逆の逆」ということで、
基底の変換と同じ変換を受けることになる。

そこで、この成分を「共変成分」と呼ぶ。



ここまでをまとめると・・・

基底に対して展開した成分   ・・・ 基底と逆の変換を受ける → 反変成分
双対基底に対して展開した成分 ・・・ 基底と同じ変換を受ける → 共変成分


なぜ、このところ、「共変」と「反変」のことばかり書いているのかというと・・・

実は、内山先生の「相対性理論」にあるこの記述、

或る物理量Aを反変ベクトルにより表すか、共変ベクトルを用いて表すかは、
そのときの都合で、どうでもよい。

(第II章 8節 テンソルの等式、和、差、積と縮約)

がよく理解できなかったからなのです。

ランダウ・リフシッツの「場の古典論」にも似たような記述があり、
結局、共変で表しても、反変で表しても、
どっちでもお好きなように・・・ってことのようなのです。

お好きなようにと言われても、
変換が真逆なんだから、本当にどっちでもいいんかいな?
と思って、まったく腑に落ちなかったわけなのですが、
ようやく、意味が分かりました。

基底で展開した成分で考えるのか、
それに双対な基底で展開した成分で考えるのか

の違いってことですね!
どっちで考えても、もとのベクトルは同じ。

そして、双対基底も基底の一つなのだから、
こちらを主たる基底と考えてしまえば、
もともとの基底は、それに双対な基底になります。

「双対」というのは、「相方」みたいな関係で、
相方は、自分にとっての相方だけど、
自分は、実は、相方にとっての相方ってことです(笑)

というわけで、双対基底の方を主たる基底にとってしまえば、
共変成分と呼んでいたものが反変成分になり、
反変成分と呼んでいたものが共変成分になる。


ってことで、どっちでもよいということになります!

というのが僕の理解したところ。

共変成分から反変成分、反変成分から共変成分へ変換するのは、
「計量テンソル」というものを導入すると、自在にできるようです。

次回は、計量テンソルについて。


参考文献
岡部洋一 講義資料「座標変換」
http://www.moge.org/okabe/temp/Riemann/index.html
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数学>テンソル | コメント(0) | 2012/12/03 19:42
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