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∫ 量子力学の行列形式 (2)

前回は、状態ベクトルを適当な基底を使って、成分表示しましたが、
今度は、演算子の成分表示について、考えてみます。

演算子は、ベクトルに作用するので、成分表示した場合には行列となる。
つまり、それらの成分は、行列の要素となる。

たとえば、ある演算子Aに対して、
ハミルトニアンの固有状態 |k>を基底に取った場合の行列要素はどうなるか?

第 k 行第 l 列の行列要素 Akl は、
\[
A_{kl} = \langle k | A | l \rangle
\]
と表せる。

ここで、<α|β> は、ベクトル的な内積を表し、
上の式は、Aを |l> に作用させた後、|k> との内積を取るという意味。
\[
\begin{array}{lll}
& \downarrow k & \\
|k\rangle = ( 0, 0, \cdots, 0, & 1, & 0, \cdots )^T
\end{array}
\]
\[
\begin{array}{lll}
& \downarrow l & \\
|l\rangle = ( 0, 0, \cdots, 0, & 1, & 0, \cdots )^T
\end{array}
\]
ということを思い出して、
実際に < k | A | l > を行列計算してやると、
Akl という成分だけが取り出されることが容易にわかる。

これらの要素を全部並べれば、行列となり、演算子の成分表示ができた。

同じようにして、ハミルトニアン演算子Hの成分表示をしてみると、
\[
H_{kl} = \langle k | H | l \rangle
\]
となる。

ところが、|l> はHの固有ベクトルだったから、
\[
H | l \rangle = E_l | l \rangle
\]
なので、
\[
H_{kl} = E_l \langle k | l \rangle = E_l \delta_{kl}
\]
となり、Hは対角成分のみだけが値を持つ対角型行列となる。

以上の考察からわかること。

ある演算子の成分表示である行列は、
その演算子自身の固有状態を基底に取った場合は、対角型となる!


ハミルトニアンの行列は、エネルギー固有状態を基底に取った場合は、対角型となる。

やっと、対角行列が出てきたので、今回はこの辺で。
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物理>量子力学 | コメント(2) | 2011/04/19 12:46
コメント
ハミルトニアン演算子
 dyneさん こんばんは。
 うねりまではついていけましたが、量子力学の行列形式で とうとうギブアップです(・・。)ゞ テヘ
量子力学は、原子力と関係ありますか?
 行列は 得意だったんですが(^_^;
ハミルトニアン演算子、固有ベクトルは聞いたことがあります(*^.^*)エヘッ
 dyneさんのこういう記事にすぐに反応するのは、私を措いて他にいない(*^▽^*) だから、コメントさせていただく(^∇^)
しかし、コメントの中身が無い(´ヘ`;)
 ではまた☆
コウさんへ
いつも、理論ネタにコメントいただけて、ありがとうございます^^
基本的には、自分の中で頭を整理する目的で書きなぐってる感じですが、
コメントいただけると、すごく励みになるので、うれしいですよ。
ハミルトニアンや固有ベクトルをご存じとはさすがです!
原子力とは、関係なくはないですね。
ただ、今、勉強しているのは、原子核の周りを回る電子が主なのですが、
原子核内部の話は、もっと何桁も小さいミクロの世界なので、
さらに、難しいんですよ(汗)
たぶん、相対論的効果も考えなくてはいけないですし・・・(滝汗)
ピアノも物理も先が長いです。。。
生きているうちに、理解できればってところですね(苦笑)

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